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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第289話:従魔の本気
しおりを挟むクランハウスの敷地内の公園へと遊びに来た。
子供達用の滑り台とは別に、大きめの滑り台が増えている。
ガルムは無理だが、白虎ならいけそうだな。
それに、今は見なくなった回転する丸いジャングルジムみたいな遊具も増えていた。
完全に人間が遊ぶ用だよな?
従魔用の遊具じゃなくなってるよな?
<主よ、遊びたいのか?>
あまりにもジッとみていたからか、ガルムに聞かれてしまった。
「いや、あの回転する遊具は皆どうやって遊ぶのかと思ってな」
丸いジャングルジムを指差す。
<やってみせよう>
なぜかガルムが得意満面で動き出した。
危険!とても危険です、先生!
皆が弾け飛んで行きます!!
誘われたけど、とりあえず一度見てからと断っておいて良かった。
まず、全員が思い思いの場所に掴まり、ぶら下がる。
リルもムンドも、わざわざ小さいサイズになって参加している。
そして全員が掴まったところで、ガルムが渾身の力で遊具を回転させた。
ブォン!と風を切る音がして回転する遊具。
現実だったら、『絶対に真似しないで下さい』って注意書きが出そうだ。
回転する遠心力に負けた者から、飛んで行く。
他の遊具から離れて、これだけポツンと置かれている意味がやっと判ったよ。
大体がリルとムンドの兄弟対決になるらしい。
ムンドは手ではなく尻尾を絡めているし、リルは遊具に噛み付いているのだが、問題ないらしい。
ヨミなどは不利らしく、一周する前に飛んで行っていた。
兎の手は、物を掴むのには向いていない。尻尾も短いし、噛み付くのも駄目だったようだ。
<ヨミね、シズカより小さいからすぐ飛んでっちゃうの>
そう言うシズカも、3番目に飛んで行ってたけどな。
因みに2番目はユキだった。
テラは小さくてもドラゴン種だった。
握力凄いな~というのが、俺の感想である。
今回はリルが最後まで残っていたが、それも遊具が止まる前に飛んで行った。
<ふふふ、主の前で無様な姿は見せられぬからな>
ガルムが背筋を伸ばし、胸を張る。
とりあえず抱きついてモフモフすれば良いのかな?
全員が弾け飛んだ場合は、ガルムの勝ちらしい。
いや、ホント、絶対に真似しないでくださいってテロップを常に出しておきたい。
正しくない遊び方だよ!
幻想世界内だし、分別のある大人しかいないから許されてる使用方法だな。
「あれ、飛んで行っても柔らかい障壁があるので大丈夫ですよ」
後から合流したレイが説明してくれる。
「結界が付与されていて、ある一定速度以上の物を衝撃吸収しながら受け止めるそうです。10メートルも飛ばないはずですよ」
何それ、優秀すぎる。
あ、飛んで行ったユズコが減速して地面に落ちた。
白虎でリルに負けたから人型で再戦していたのだが、やはり負けたようだ。
<皆元気じゃのう。妾は疲れてしもうた>
フラフラしながらユキが寄って来た。
モンスターにも男女差ってあるのかな?
どちらかというと、種族差かな。
「お疲れ様」
笑いながら頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めて顔を擦り寄せてくる。
落ち着いたところで、レイがユキに皿に盛られた野菜を出してあげた。
二人と一匹で、楽しそうに遊ぶ従魔達を見ながらのんびりとティータイムを楽しんだ。
________________
丸いジャングルジムは、正式名称を『グローブジャングル』というそうです。
三半規管が弱いので、子供の頃から苦手ですw
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