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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第253話:悪友のペット(副題:俺は悪くない)w
しおりを挟む「火蜥蜴が青白い!?」
ジルドが驚いて火蜥蜴を指差している。
「孵化までの時間が短過ぎる……のは、きっとヴィンのせいですね」
良い笑顔で俺を見るレイ。
今回は、俺は無関係だ。濡れ衣だ。
「ピリリ……ピリリだ~。サラマンダー可愛い~」
オーベが壊れた。
そういえば、オーベも俺と同じで現実でペットが飼えないのだったか。
オーベが飼いたかったグリーンイグアナは、広い水槽や高い機材が必要だった。
引越しから始めなきゃ飼えないと、嘆いていたな。
<お前が『名付け』なのか~い?>
ピリリがオーベの方へと歩いて行く。
足跡の形に地面が熔けるのは、気にしなくて良いのか?
爬虫類の足跡って可愛いな。
「ピリリは俺のペットで合ってる~?」
手をワキワキしてるのは、触って良いのか迷ってるからか?
触ったら手が消滅する危険があるからか?
<一緒に戦うのか~い?>
き、気が抜ける。
リルの王子様口調とオーベの軽口が合わさると、これほど気が抜ける残念口調になるのか。
「俺はテイマーじゃないから、一緒には戦えないね~」
どこかシュンとしているオーベに、ピリリが更に近付く。
<まぁ良いよ~。一緒に出掛けたりは出来るのだよね~?勝手に戦うよ~>
戦闘狂まで受け継がなくても良かったのに……ごめん、オーベ。
「戦闘ができるペットなんて、素敵だね~」
あぁ、本人は嬉しそうだ。
孵化して時間が経ったら、ピリリが魔力調節が出来るようになったそうで、触れた物が炭化?しなくなった。
サラマンダー怖えぇと思ってたら、本来のサラマンダーは炎は纏うけど、地面が足型に熔けるほど高温ではないようだ。
これは、絶対にリル効果だな。
熱してた時に、途中で卵の色が変わったし。
ピリリはオーベの肩に載って、ご機嫌で尻尾を振っている。
今は尻尾の先に小さい炎があるだけだ。
あの炎も今は熱くなく、見た目だけらしい。
今更だが、ピリリの姿はウーパールーパーによく似ている。
ピンクの部分が水色になって、炎を纏ったウーパールーパー。
あれほどヌルンとしてはいないので、そこは蜥蜴っぽいか。
因みにサイズは、尻尾を入れても30センチ位で、オーベの肩に丁度収まるサイズだ。
「それで、テイマーに転職するのか?」
ずっと黙って成り行きを見守っていたジルドがオーベに質問する。
「しないかな~。ピリリを連れている時は、必ずクランハウスでログアウトすれば良いだけだからね~」
ニコニコしながらピリリの頭を撫でているオーベ。
気のせいかもしれないが、悪友達は準攻略組の筈なのだが、冒険してなくないか?
攻略組って、最前線で新しい地域を攻略するのでは?
いや、新しい情報を確かめるのだったか?
どちらにしても、魔物野菜畑を作ったり、カラフル兎の世話を喜んでしたりするのは……本人の自由か。うん。
「オーベにペットが増えたことですし、保留になっていた兎の家を見に行きますか?」
レイが提案してくる。
そうだった。カラフル兎の家を注文しに行くって話だったが、家の機能を決めるのにレイとジルドが凝り過ぎて、話が進まなかったのだ。
それで、話が決まったら連絡寄越せ!と散歩に出たら、今回の騒動で……すみませんでした。
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