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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う

第240話:『殺さず』ですよ!気を付けて!

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 今回の対人戦闘PvPは、殺さないようにする為に毒は禁止になった。
 最初は文句を言っていたココア達も、テラの毒であっという間にドロドロに溶けた話をしたら納得してくれた。
 何が溶けたか?察してくれ。
 ちなみに、ヨルムンガンドの毒は、もっと凄いらしい。
<地面が溶けるレベル>と言ったのは、ガルムだ。

 あと、これが肝心。
「俺を狙うと、一瞬で終わるからな」
 通常のPvPなら作戦として有りかもしれないが、今回は無しだ。
 なぜかと言うと、俺を攻撃すると従魔達が本気になるから。
 ルール関係なく、殺戮が始まる未来しか見えん。

 平和な場合は、俺が死ぬ。
 当然、従魔達も消える。
 クランハウスに戻るのか?確か。神殿?教会?あれ?どこだったかな。
 そして、後日会った時に従魔達に殺気を当てられ続けるだろう。
 あれ?こっちの方が物騒だな。


「では、『殺さず』の対人戦闘PvPで、ヴィンへの攻撃はに禁止。こちらはパーティーで、従魔側は一匹ずつ……で良いのかしら?」
 ココアが今回のルールを確認してくる。
「あぁ。……いや、チビッ子であるテラとヨミはワンセットで頼む」
 大きさ的に不利過ぎるし、毒禁止だとテラの攻撃力が半分だ。

 ……と、思っていた時期が俺にもありました。

「うぐっふぉ!」
 盾役の重装騎士が飛んでいって壁に激突した。
 テラの体当たりを食らったからだ。
 うっそぉん。テラちゃん凄すぎ。
 何十メートル飛んだのか……ココアが回収に向かう。

「んぎゃあぁぁぁぁ……」
 新たな悲鳴が響き渡る。段々と小さくなるのが怖い。
 し、死んでないよな?
 確か、死んだら赤い光にになって消えるはずだし。
 高速で動いていた忍者が、ヨミの落雷を受けて倒れていた。

「ちょっと休憩しようか。テラ、ヨミ」
 これ、ルール変更した方が良いか?
 ヨミもテラも一匹でいけそうだ。
『殺さず』だと、冒険者側も手加減が難しいのだろう。
 相手の攻撃がこちらへまともに当たっていない。

 あ、俺は部屋の隅にある、何かの台の陰に隠れております。
 流れ弾に当たったら困るし、俺に気を使いながら戦うのは双方大変だろうからな。



「なぜ、こちらの攻撃が当たらないの!?」
 ロリッ子魔女が悔しそうに叫んでいるのが聞こえる。
 今は作戦会議と言う名の休憩だ。
 お互いにちょっと離れて固まっている。
 ロリッ子魔女。頑張って魔法攻撃連発してたよな、そういえば。
 手加減してくれているのかと思ってた。

「テラの鎧は斗苫斗的ととまとまと作だから、色々付加価値付いてるかもな」
 街の外でだけ身に付けるテラのプレートアーマー。
 止めたのに、リルの毛が入っている。「ひとつまみだけですから!」と言い訳していたが、このミニチュアサイズのプレートアーマーにひとつまみって、結構な量だよな?

 ヨミのフェロニエールにも、何か付与されてるのかもしれない。
 素早さアップとかかもしれないな。
 魔法を避けるスピードが、いつも以上に速かった気がする。

 しかし、この二匹とやって、この結果。
 リルやガルムとになるのだろうか?
 いや、ココア的には、ヨミやテラは小さ過ぎて攻撃し辛いのかもしれない。
 余談だが、忍者は忍者ではなく、剣士だそうだ。
 スピード特化の細い剣を使うアタッカーで、忍者装束は単なる趣味だとか。


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