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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

214:新事実

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 綺羅の店に行くと、店員が居ないのに店が開いていた。
 何て不用心な!と思ったら、自動決済機能付店舗だとか。
 要は会計を済ませていない商品は持ち出せないらしい。
 しかも、悪意を持って持ち出そうとすると、拘束され通報までされる防犯機能完備。
 初期投資費用は高いが、生産職の異界人プレイヤーには常識になっているとか。

 爺さんの【従魔専門店】は、偏屈爺さんの店というなので、あえてこの機能を使わず、居る時だけ開ける方式らしい。
 色々なプレイをする人がいるのだな。
 パートの女性店員も、暇な時に手伝いに来る緩さというていらしい。


「おっそ~い!」
 綺羅の店に入った途端、ココアが腰に手を当てて仁王立ちしていた。
 現実リアルのココアがやれば多分可愛いのだろうが、今の武闘家のココアがやると普通に怖い。
 筋骨隆々のイケメンマッチョだからな。

「百十八匹のカラフル兎でっしょ~ぉ?マジ有り得ないんだけど~!?」
 テンション高っ!
 匹数把握してるって事は、ミロもカラフル兎が増えたのか?
 公式の獲得数は、匹数じゃないからな。
 あの()の中の数字の謎を解かないと、正確な匹数は判らない。
 いや、まぁ引けば良いだけだけど。俺達みたいに0.5が付いてる人は他にいないし。
 が居ないと、意外とわかりやすかったのかもしれない。

「待ってた甲斐はありますよ!ほら、見た事ない色がたっくさん居るから!」
 なぜか、得意満面に綺羅がカラフル兎の箱詰めをテーブルの上に置く。
 インテリアなのか、顧客対応用なのか、店の中には四人掛けのお洒落なティーテーブルが置いてあった。

「はぁ!?何コレ?え?お菓子?置物?え?本物?うわ!動いた!」
 きちんと枠内に収まっているカラフル兎達を見て、ミロが怪訝な声を出した。
 最後は指で(銀)をつつき、足ダンされていた。

「いやぁん、可愛い~」
 野太い声でココアが叫ぶ。
 手の上にはパステルピンクのカラフル兎。
 いや、ベビーピンクって言うのか?
 無理矢理箱から出したわけではなく、そっと手を差し出したら、カラフル兎の方から載ったのだ。
 見た目に騙されず、中身を見分けるのか?カラフル兎。
 あなどれないな。



「白いのは、どの組み合わせで増えちゃった感じ?」
 ミロが質問してくる。
 やはり、彼もカラフル兎が増えたようだ。
 公式の獲得表を見れば判るのだろうけど、自分と悪友達の異常な点数を見て、思っていたより動揺していたようだ。
 ミロやココアのチェックを忘れていた。

「光の三原色、だと思う」
 別に話しても大丈夫だよな?
「それから、その3色を自分で所有している事が条件でしょう」
 俺達の会話を聞いていたのか、レイが捕捉した。
 と言うか、その条件は俺も知らなかった。
 あぁ、途中から『考察会議』に参加するのを放棄したからか。
 皆が検証をしている時に、俺は従魔と遊んでいたな。

「大分カラフル兎の生態が明らか…に……」
 なったな、と言う台詞は喉の奥に引っ込んだ。
 後ろを振り返り、声を掛けてきたレイを見てしまったからだ。
 ブッフォと、俺の前に居るミロも吹き出す。
 視線をカラフル兎からレイに移したからだ。
「いゃあん、私も欲しい~」
 とテンションが爆上がりしたのはココアだ。

「何してるの?お前」
 そう言った俺は、多分正しい。
 なぜなら、レイは着ぐるみパーカー大人用の水色を着ていたから。


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