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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

181:現実の大晦日

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 誰か今の状況を説明してください。
 三箇日さんがにちの間に誰か来るかもな、と思ってのっぺと雑煮は多めに作っておいた。
 栗きんとんは、元から好物なので大きめの物を買っている。酢蛸すだこもな。
 かまぼこも紅白で買うから、それなりに量はある。

 だが、成人男性四人分には、到底足りないだろう。

 彼女と過ごすユズコと、実家暮らしのオーベ以外の三人が俺の家に集合していた。
「大丈夫!おせち買って来たから」
 おせちってか、おせちの中身な。
 黒豆、田作り、だし巻き玉子は伊達巻の代わりか?
 ん?ローストビーフはおせちに入る?単なるツマミ?
 昆布巻き、かずのこ。紅白ナマスまで今は売ってるのか。
 ひとりでこの量を買い物したのか?現実リアル咲樹。

「通販で買ったのは良いが、魚焼きで焼けるか?」
 現実リアルジルドが発泡スチロールの箱を渡してきた。
 箱の上部には、元気にはねる海老のシール。
 かすかにカサコソ聞こえる。
 き海老かい!!
 キッチンがおが屑だらけになる事確定。正月早々にな。

「年越しにケーキを食べると前に言っていた気がしたので」
 結構な有名店のケーキをホールで買って来ているのは、現実リアルレイだ。
 ベリー系がてんこ盛りの生クリームケーキ。
 ここのケーキは、甘さがくどくなくて美味しい、というか個人的に好きな味。

 誰も酒を持って来ていないのは、ゲームする気満々だからだろうな。
 元旦の乾杯位なら、うちにある缶ビールで充分だしな。
 近所の神社へお参りして帰って来た頃には、酔いも醒めるだろう。
 小さい神社だけど土地神様だから、毎年お参りに行っている。



 昼に2時間ほどログイン。従魔達と遊んで、畑の世話をしたら終わった。
その後、夜に備えて昼寝をした。
 悪友達はソファベッド争奪ジャンケンをしていたが、俺はしっかりベッドで寝かせてもらった。家主だからな。
 昼寝から起きたら、全員でおせち料理の開封。
 お重なぞ有るわけがないので、全て深皿や小鉢へ入れていく。
 一応、普段使いはしていない、ちょっとおしゃれだったり高価だったりする食器を使う。
 食べるのは明日だが。
 ラップを掛けて冷蔵庫へ。
 うぅん。現実でもインベントリが欲しい。

 冷凍保存用に鳥ご飯と玉ねぎご飯も炊く。
 3合炊きの悲しさよ。それぞれを2回ずつ炊いても男四人では冷凍まで回らない。具材がある分1回2合しか炊けないのだ。
 いいとこ冷蔵までだな。
 普通なら回るのかもしれないが、咲樹を筆頭に意外と大食いだったりする。
 俺も含め、だから文句は言えないが。
 俺の保存食だったサラダチキン(冷凍)が無くなった。4個有ったから、8合も炊いたのか!玉ねぎご飯と足すと16合!?


 年越し蕎麦は、俺の好みで温かい蕎麦だ。
 具は長ネギとワカメとかまぼこと玉子。
 年越し蕎麦と言っても、夕飯として食べてしまう派なので夜中に食べたりはしない。
「やっぱ蕎麦はワカメだよな」
「玉子は月見でもでも美味いな」
「加熱中のつゆに落として、白身は加熱、黄身は半生も捨てがたいですね」
「俺はやはり長ネギだな。薬味より、加熱して甘くなった方が好きだ」
 蕎麦の話でここまで盛り上がれる俺達は平和だな。


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