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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな
162:家庭菜園を始めよう!
しおりを挟む「この列をプチトマトにしたい」
「ミニトマトでも良い?」
「え?何か違うのか?」
「ミニトマトの中の品種でプチトマトってのがあるら~。探したけどプチトマトは無かったの」
「小さいトマトをプチトマトと呼ぶのだと思ってたよ」
はれひめの農業雑学を聞きながら、苗を植えていく。
苗を植える穴を掘るのは、小狼姿のリルだ。
テラとヨミは、ユズコと一緒に従魔の遊技場へ遊びに行っている。
ガルムは、テラが皆と意思の疎通ができるようになったからか、俺の事が見える位置で寛いでいる。
今まで、本当に他の従魔の面倒を見てくれていたようだ。冗談じゃなく、保護者だった。
プチ……ミニトマトを植えて、隣にキュウリを植えて、更にナス、ピーマンと植えていく。
エダマメも植えて、ひとまず畑を見回した。
夏までにはエダマメが収穫できるだろう。エダマメにビール、最高だな。
ん?夏?幻想世界の気温が春っぽいから次は夏だと思ったが、よく考えたら現実は冬だよな。
「ここの季節は四季なのか?」
次の作業の準備をしているはれひめに問いかける。邪魔してすまん。
「季節?『しきしま』は常に春だよ!『日出処』は四季があるけどね。常に夏の南国は『むつきしま』か『ななきしま』辺りかな」
エダマメが収穫できる頃には、『むつきしま』へ行けるようになりたいな。
海があれば尚良し。
「あ、オクラもあった。植える?」
オクラか。納豆とオクラと長芋の千切りのネバネバ冷やしそばとか良いなぁ。
それしか作れないだけだがな。
「納豆とかあるのか?この世界」
「納豆!?オクラの話じゃなくて?まあいっか。頑張ってる話は聞くけど、成功したってのは聞いてないら~」
納豆菌がいないのか?自然界じゃなくて、ゲーム内だからな。
「オクラはレパートリーが全然ないから、今回はいいかな」
「そう?じゃあ他に回すね」
次にハクサイを植えて、少し離してバジル、イチゴ、スイカを植えた。
おや、これは困った。
耕した畑が全て埋まってしまった。
あと残ってるのは、苗ものはゴーヤ。
種ものは、ダイコン、カブ、ラディッシュ、シソ、コマツナ。
あと1番場所を取りそうなジャガイモ。
「どうする?ここまでにしておく?はたけ、もう一面作る?」
はれひめが聞いてくる。
土地はまだまだ充分あるし、スキルのない俺の農業は、水やりと雑草取りくらいだ。
芽とか実とかを間引いたりとかもしなくて大丈夫だそうだ。
よし!もう一面増やそう。
と、決意したところでガルムがのっそりと寄って来た。
<主、そろそろ休憩したらどうだ?>
そう言われて、水分も取らずにずっと作業していた事に気付いた。
<休憩するのかい?では、我も体を洗ってこよう>
リルが飛び跳ねるようにして、シャワーブースへと駆けて行った。
リルがシャワーブースに入って行くのに気付いたヨミとテラも、追うようにしてシャワーを浴びに行く。
簡単に水分補給くらいに思ってたけど、これは部屋に戻ってガッツリおやつタイムだな。
「オーベ、ジルド、咲樹、綺羅、休憩にするぞ!」
魔物野菜畑で作業していたメンバーにも声を掛けて、クランハウスへと向かう。
咲樹のツナギは、やはりピンクだった。
戦隊かよ!!
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