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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな
156:甲冑を着たロリコン
しおりを挟む「呼ぶまで出て来るなよ」
悪友達に念を押して、同僚のペルセポネとの待ち合わせ場所に行く。
従魔達は、ヨミとテラ以外はクランハウスで待機している。
ヨミとテラは、服の中に入れるから、護衛として連れて来た。
悪友五人と、なぜか綺羅も一緒について来たが、この姿でアイツ等を連れていると保護者のようなので、とりあえずは離れていてもらう事にした。
「何あれ」
噴水広場に、全員同じ色の甲冑を着た冒険者?が五人並んで立っている。
雑談をしているとかでは無く、同じポーズで横一列に並んでいるのだ。いや、わずかに半円か。
「近付きたくないタイプだな」
異様な集団を横目に、目的の幼女を探す。
キョロキョロと見回すが、幼女は見当たらない。
時間に遅れるような奴ではないはずだがな。
噴水の縁にでも座って待とうかと歩き出すと、さっきの変な集団から一人近付いて来る。
「貴様が花の女神様の待ち合わせ相手か?」
「はぁ?」
若干、喧嘩腰に返事をした俺は悪くないと思う。
「もう一度聞く!貴様が花の女神様の待ち合わせ相手か?」
誰だよ、花の女神。
「俺の待ち合わせ相手は、そんな名前ではないな」
素直な……ちょっと喧嘩腰の俺の返事に、甲冑男の顔がみるみる赤くなる。
「そんな名前とは何事だ!!」
広場中に響く怒声。
あ、コイツ終わったな。と、悪友達五人の顔が浮かんだ。
「うわ、まただよ。ロリコン集団」
「βテスターだからって、偉くないっての」
「花の女神も可哀想だよな」
「この間ひとりで歩いてたら、後ろから来た奴に捕まって、肩に乗せられてたぜ」
「あぁ、見た見た。凄い驚いてたよな」
「誘拐されたかと思って、街を破壊するところでした、とか言われて青くなってたよな」
広場にいた他の異界人の会話が聞こえてきた。
花の女神、気の毒過ぎる。
ん?ロリコン集団って言ってたよな、まさか……
「何か用か?」
俺の後ろから、目の前の甲冑男の喉元に黒い剣が向けられた。
あ、これは本気でご立腹ですね、レイさん。
「うちの子に喧嘩売ったわね?」
誰がうちの子だ。
背中側からの殺気が凄い。
声は出してないけど、オーベもジルドもユズコも居るのだろうな。
「【cinq(サンク)】がなぜここに?」
独り言なのか?真っ赤だった顔が真っ青になっている。
このままだと、あそこに居る甲冑達との対人戦闘か?
そうなると、ガルムとリルも呼んでやらないとな。
ちょっとワクワクしていると、少し離れた所にいる甲冑四人の後ろから、幼女が飛び出して来た。
「すみませんでした~」
なんだろうコレ。フライング土下座?
名前はよく聞くけど、本物は初めて見たな。
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