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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます

100:悪友の友人が色々濃い

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「いぇ~い!乾杯~!」
「カンパーイ!yeah!」
 誰よりも盛り上がって乾杯の声を上げているのは、天狗のミロと人間ヒューマンのココアだ。

 天狗は、天使をカンストして『日出処ひいずるところ』で転人?転種?するらしい。カンストっていくつなのだろう?
 ミロは、真っ黒い腰までのストレートヘアに黒瞳で、背中には黒い鳥の羽根。勿論、イケメン。肌は特に赤くない。切長の一重で日本的な顔なのに、のっぺりしてない絶妙なバランス。
 でも、オーベ以上に口調が軽い残念イケメンだ。

 そして人間ヒューマンのココアは、現実リアルフランス人だとか。
 もうね、顔がうるさい。鼻高いし、目ぇデカイし、睫毛長いし、ついでに口もでかい。なのに、イケメン。人間ヒューマンなのに、もとが派手だからかエルフ並みに美形。髪は金髪セミロングで瞳は青。
 そしてフランス語は話せないとか。日本生まれの日本育ち。
 両親はイギリス生まれの日本育ちとか。何だそりゃ。

 オーベと咲樹とは合コンで知り合ったらしい二人。女の子そっちのけでゲームの話で盛り上がった合コンとか、参加したくないのだが。女の子達に同情する。
 あ、女の子そっちのけでじゃないのか。
 ココアは現実リアルでは女性だそうだ。設定で間違えたとか、どれだけウッカリさんだ!?
「セーフ機能オンだから、胸が小さいんだと思ったのよ」
 超絶イケメンなんだが、普段通り話しているとかで、単なるオカマになっているココア。

 初めて幻想世界ファンタジーワールドで顔合わせした時、ココアと咲樹が逆だと思ったミロは悪くないと思う。


「ヴィン、どれ食べますか?」
 レイが甲斐甲斐しく、俺のもとに焼けた肉や野菜を届けに来る。皆に合わせて作られた焼き場は、俺には高過ぎるからだ。
「ちゃんと自分でも食べてるか?」
 レイの皿からピーマンと玉葱を受け取る。
「食べてますよ」
 笑顔でウィンナーも皿に載せられた。

「あ、ジルド。ヨミには竹串ごとあげてくれ。噛み応えが好きらしい」
 ガルムとヨミの給餌きゅうじ係と化しているジルドに声を掛ける。
 ガルムの前に置いてある肉は、兎の丸焼きに見えるのだが、ヨミが気にしてないから何も言うまい。
 テラはユズコの前にプカプカ浮いていて、皿の中身を指差しては「あ~ん」をされている。何か凄い仲良くなったな。
 たまに俺の方を向いて、ピコピコと手を振ってくるので、振り返しておいた。

「それで本題なんだけど」
 いきなり咲樹が話し始める。
 本題?バーベキューに本題とか副題とかあるのか?
「ヴィン達が例の大型魔獣モンスターを狩りに行く時に、ミロとココアも一緒に連れて行ってくれないかしら?」

 は?何の話だ?
 食べようと思ったウインナーを咥えたまま固まってしまう。
「ヴィン、そこで固まるのはやめようか~」
 オーベが俺の口からウインナーを奪っていき、パクリと食べてしまった。
「俺のウインナー!」
 視線を下に向けるな!そういう意味じゃない!
 そして、オーベと遊んでいる場合じゃない。
「大型魔獣を俺が狩りに行くって何?」
 そんな予定は無いんだが!?


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