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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う
79:帰れ
しおりを挟む<普通、何で怪我したのか?とか聞かないか?自分達が襲われる心配とかするだろう!?>
八咫烏が興奮して捲し立てるが、興味ないしな。
「うちには優秀な番犬がいるから、気にしない」
薄情だと言われても、赤の他人の従魔が怪我した理由なんて俺には関係ないし。
元気になったなら、帰って欲しい。
「お帰りはあちらです~」
オーベが外への扉を手で指し示した。
<ガルム!おぬしも何かないのか!>
八咫烏の矛先が従魔仲間?のガルムに向く。
<フン。主を馬鹿にした奴など、儂には関係ないな>
大人しいと思ったら、密かに怒っていたようだ。
<<主を若造なんて呼ぶヤツ、早く出てけば良いのにな~!>>
明後日の方向を向きながら、テラが嫌味ったらしく言う。子供か!?あ、子供か。
「じゃあ、俺達はログアウトするからな」
ガルムに抱きつき胸の毛に埋もれた後、ヨミを撫でて頬擦りをして、最後にテラを撫でた。
テラの背中は、逆撫でしなければ意外と手触りが良い事に気付いたのだ。
従魔三匹と戯れている間も、八咫烏は天井に張り付いていた。
「俺、マジで落ちるけど、アレどうする?」
天井の八咫烏を指差す。
ガルムが連れて来たので放置するのは気が引けるが、こればかりは如何ともし難い。
これ以上は仕事に支障出そうだし、さすがにログアウトしないとだ。
「僕が追い出しておきます」
レイがとても爽やかに黒い笑顔を浮かべて言う。
「頼むね~」
オーベがインベントリから魔女の箒……いや、あれは竹箒だな……を出して渡す。
何で持ってる?鑑定しても普通の箒だし。
「では、私も少しだけ手伝おう」
なぜか戦闘服に変化したジルド。
従魔ってテイマーの許可がないと戦闘できないよな?
なんて思ってたら、マントが蝙蝠に変化して、天井の八咫烏を囲う。
傷付ける事はできなくても、蝙蝠達が鬱陶しいのか八咫烏が天井から離れる。
<やめい!なんじゃ鬱陶しい!>
あぁ!楽しそう!だけど、本当に見ている時間は無いのだ。
「後は宜しく」
後ろ髪をめちゃくちゃ引っ張られながら、ログアウトした。
ゲーム中は脳を使っているが、身体は使っていないのでレム睡眠みたいな物らしい。
なのでガッツリ8時間寝なくても大丈夫らしいが、ノンレム睡眠分は寝ないとだよな。
まぁ、元々睡眠時間が5~6時間なんだけどな、俺。
八咫烏事件があったから予定より長居したけど、それでも睡眠時間4時間はある。
追い出すの見てても大丈夫だったか?約2時間が15分だもんな。
いや。そうやってダラダラとルールを破るとなあなあになって、実生活が疎かになったりするんだよな!うん。
今日も仕事頑張ろう。そして、明日は土曜だから、ゲーム三昧決定だ。
あれ?既にちょっと実生活に影響ありか?
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