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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う
74:従魔屋と情報
しおりを挟む結局、俺達の前に並んでいる人全員に懇願され、先に店内に入った。
「後ろに並ばれていると、急がなきゃ!って気を遣うのでゆっくり買い物できない」そうだ。
そこまで言われたら、さすがに意固地になって並ぶのも変だしな。
でも、順番譲られたこっちも、遠慮してゆっくり買い物できないんだけどな~とは、空気を読める俺は言わない。
「ガルム、ちょっと待っててくれな」
<うむ。儂に気にせずゆっくりしてくると良い>
相変わらず漢前だな!
何かガルムの為に買おう。うん。
1番の目的であるチェーンはすぐに決まった。
掲示板で宣伝したら、とんでもなく人気商品になった為、種類も在庫も増やしたそうだ。
レイが前に買ったチェーンよりも濃いめに見える青があったので、それにした。ブルーの濃淡2色使い。
「あ、これにしよ~」
オーべが何やらチェーンらしき物を手に取る。でも、ペンダントチェーンとは別の場所に置いてあるので違うのだろう。
「何だ?それは」
「これはね~フェロニエールって言って、おでこに飾りがくるアクセサリーだね~」
あぁ、漫画や映画で妖精がよく頭に付けてるヤツか!
「で、こっちの派手なのがフロントレットだね~」
フェロニエールがシンプルなペンダントタイプだとすると、フロントレットはゴテゴテしてるネックレスタイプだ。チェーンも3本使いだし、キラキラ何か付いてるし本当に派手だな。
「これ、咲樹への土産にしよ~」
確かに似合いそうだ。
双子が大人しいな~と思ったら、真剣にチェーンを選んでいた。
ジルド用かな。うっかり「赤で良いじゃん」とか適当言っても、本気で決めそうだから止めておく。
「そのブラック&ホワイトだとガルムと同じだから、こっちのブラック&レッドはどうだ?」
結局口出ししてしまった。
でもガルムとお揃いのチェーンを手に持ってたから、そこは止めさせていただきます!
ヨミとテラは、爺さんが接待している。
従魔のオヤツを端から貰って上機嫌のヨミとテラは、カウンターの上に置かれたクッションに乗ってる。
カウンターに直乗りは、俺の教育理念に反するのでクッションを用意してもらったのだ。
「このドラゴネットはあの卵じゃろ?」
爺さんがテラを観察しながら聞いてくる。
「返さんぞ」
もうテラはうちの子だ。
「いらんわい。孵化条件が判明ったって事じゃな?情報はどこかに売ったのか?」
情報を売る?
「孵化条件なんて、魔物玉蜀黍が知ってたぞ」
勝手に喋ってたし、アイツら個人情報ダダ漏れだし。どっかで勝手に話すだろ。
「魔物玉蜀黍はのぅ、目の前で起こった事に対して話すだけだから、後出し情報なんじゃよ」
へぇ~知らんかった。
情報は絶対に売らなきゃいけないわけじゃないらしい。
面倒だし目立ちたくないので、爺さんに任せる事にした。
魔物玉蜀黍情報と前置きして『卵に名前を付ける』『膨大な魔力を与える』と教えた。
「魔力はどれくらい必要なんじゃ?」
どれくらいだろう?
「うちのクランメンバー3巡して、うちの咲樹とオーべがドン引きするくらいガルムが与えてた」
あ、爺さんもドン引きしてる。
「更に、卵を貰った日から毎日、ガルムが魔力を吸われてたらしい」
爺さんの顔が、スンってなった。
<<毎日貰ってたのは、賢者二人分くらいだよ~>>
だ、そうですよ?
ちなみに今回の買い物代は、孵化条件の情報代でチャラになりました。
俺、金を払えない呪いでも掛かってるのか!?
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