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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う
72:従魔がペットな件
しおりを挟む冒険者ギルドでの従魔登録は、恐ろしく早く終わった。
ドラゴネットというとんでもなく珍しい従魔なのだが、今回は最初からガルムを連れて中まで入ったのだ。威圧係である。
何かを言いたいのか、聞きたいのか、職員が微妙な表情をしていたが、全て無視した。
カウンター前にできていた列は、ガルムが建物に入った瞬間に無くなった。
申し訳なくて一応他の冒険者に声を掛けたが、無言で首を横に振られた。
それだけは、本当に申し訳なかったな。
威圧は職員に対してだけで良かったんだけど、冒険者にも効いてしまった。
クラン証の発行は、ものの10分で終わった。
一度作ったクラン証は、登録があるので作成が楽なのだそうだ。
後は、順番待ちで時間を食うそうだが、偶々手が空いているとかで、その場で作成に取り掛かってくれたのだ。
例のドワーフの少女である。
最後に「負けないのよさ!」と言われたが、別に何の勝負もしていない。
「次はチェーンですね」
頭にヨミを乗せたレイが言う。
ヨミちゃん?まだ拗ねてるのかな?
「ヨミ?」
名前を呼ぶと、フンッて感じでそっぽを向かれた。
<ヨミはまだ機嫌が直らぬのか>
ガルムが楽しそうに言う。
「クラン証登録の時、職員がドラゴネットの凄さを語りまくってたからね~」
オーべもガルムと同じように楽しそうな反応だ。
新参者が褒められて拗ねるって、完全にペットだよな。
「ヨミ、私の所に来ても良いんだぞ?」
ひとり、ジルドだけがズレていた。いや、ペットに対する対応としては正しいのか?
従魔専門店に向かって歩いていたが、肩の上のテラが何となく揺れている。
「テラ?眠いのか?」
<<眠くない~、だい丈夫ぅ……>>
落ちてきた。
危な!良かった、丁度手の上で!!
何で嘘ついた?誰得!?
「まだ孵化したばかりだからですかね」
俺の手からテラを持ち上げたレイは、パーカーのフード部分にスポンと入れた。
あ~これは、そこがテラの定位置になる気がする。フードのない服を着ると、拗ねるんだろ?わかります。
テラがフードに仕舞われると、ヨミがレイの頭の上から、俺の頭の上に移動した。
「ヨミ!危ないだろ!」
主に俺の首が。
<きゅ~>
語尾が下がり、小さくなる。ごめんなさい、なのか?
「テラが起きたら、ちゃんと仲良くするんだぞ」
<きゅ!>
返事をしたヨミは、頭から肩、そして定位置の胸元へと移動した。
確かにもふもふとモフモフしたいと始めたゲームだが、従魔ってこんなにペットなものなのか?
従魔らしい従魔が、ガルムだけの気がする。
いや、違う。ヨミも戦闘時は、凄い従魔らしかった。
角でキングウルフぶっ刺して殺してたわ。
俺が戦闘に行かないからいけないのか!
隣を歩くガルムを見上げる。
ガルムも、本来なら凄い従魔なんだよな。俺の所にいると、ソファか乗り物扱いだけど。
<どうしたのだ?主>
「ガルムは、戦闘とかもっとしたいか?強い敵がたくさんいる地域とかあるはずだぞ?」
ガルムが立ち止まって、首を傾げた。
<主は、もっと戦いたいのか?>
問われて改めて考える。でも、やはり答えは変わらない。
「それよりも、クランの森で皆で遊んだり、家庭菜園作ったりしたいな」
<ならば、儂も別に良いかの。主がいない時に暇潰しはしておるし>
なら良いか。若干不穏な発言が有ったが、それは聞かなかった事にした。
ーーーーー
すみません。
公開日時の設定を1日間違えてました。
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