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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う
67:ガルムとヨミと卵
しおりを挟むパーティーと同盟の違いを、レイに詳しく教えてもらった。
パーティーは六人までの人数制限があり、経験値は均等割。
同盟はパーティー同士が協力戦闘するシステムで、経験値はパーティー毎の貢献度割。ただし、10:0は無く、最低でも9:1にはなっている。その中で、パーティー内は均等割。
「え?じゃあ、ボス戦だけ同盟って、新人はほとんどメリットないだろ?」
道中もベテランが敵倒しちゃうし、1回しか戦えないフロアボス戦なのに、ほとんど経験値も貰えず、ドロップアイテムも全部取られる。
「ガルムのレアアイテムの牙なんて、凄い高値付きましたからね」
ヘェー、ソウナンダ。
<呼んだか?主>
綺羅にサイズを測られてるガルムがこちらを向いた。
「いや、大丈夫」
何でもないと手を振って合図すると、首を傾げながらも綺羅の方へと向き直った。
ヨミは、綺羅に端布で作って貰ったポンチョを着て、鏡の前でひとりファッションショー中だ。付き添いはジルド。
「ヨミ、街中でしか着れないんだからな?」
サイズ変更対応してないだろ?それ。
「防御力高いですよ?」
綺羅が不安気に申告してくる。ポンチョに問題があるわけじゃないから、安心しろ。
「ヨミは戦闘中にサイズアップするんだ」
「何ですか!?そのレアスキル!」
やっぱ驚くんだな。
黒狼パーカーと赤犬ツナギ、ヨミ用ポンチョピンクと水色を貰って、店を後にした。
ギルドカードを出したら、ヨミのポンチョ姿の写真と、俺のパーカー姿の写真、今いるメンバーでの集合写真を店内に貼らせてくれと言われた。
俺、悪友共と一緒に行動しているうちは金を払えない気がしてきた。
試着中の出来事をふと思い出し、フードの中の卵をナデナデした。硬くても、衝撃は伝わるだろうし……ごめんな。
それに、あの後から、フードに入れてる卵から威圧を感じる。気のせいだとは思う。罪悪感?多分、それのせい。
白ウサギパーカーから黒狼パーカーへと衣装替えした時、多分[警告]が出たはずだが、確認しないでクリックした。流れでポチポチポチッといっちゃったんだろう。
はい。卵を落としました。店の床へと。
外の石畳よりは柔らかい材質だろうけど、かなりな音がした。
「テーラー!?ごめーん!!」
叫んで拾い上げ、ナデナデしながら殻を確認した。
まぁ、ヒビひとつ入ってなかったけどな。
レイ以外は何の卵か知らないので「何の卵?」と聞かれ「ドラゴネット」と答えたら、あ~と微妙な顔をされた。
どうせ孵化しないのに~とか言いたいのだろう。
もし孵化しても、テラに触らせてやらないからな!そんな事を思った。
<主、儂の上に乗った方が良かろう>
店での事を思い出していたら、ガルムが急にそんな事を言い出した。
別に街中を歩いてるだけだし、しかもオーべに抱っこされてるんだけど……?
<きゅきゅぅ!>
ヨミまで顔をガルムに向けて鳴き、まるで同意しているようだ。
何で?
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