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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う

56:種族と魔法

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 何かをやり切ったみたいな顔をしたユズコが帰ってきた。
 その後ろには、珍しく疲れた顔をしたレイ。
<きゅっきゅ~>
 ご機嫌なヨミは、レイの頭の上だ。ちょっとそこがお気に入りな場所になるのは、俺的にはばかられるのだが。
あるじ儂等わしらはこのままで良いのか?>
 言われてよく見ると、庭?森?で駆け回ったからか、全体的にすすけている。

「よし!洗おう!」
 俺の魔法練習を兼ねて。
「そこの新たな従魔二匹も一緒に綺麗になってきな~」
 オーベの台詞の意図に気付いたユズコが豪快に笑う。
「うははははは。そうなると、俺の登録は冒険者か?従魔か?」
 ユズコが冒険者ギルドカードを取り出す。
 あれ?俺と色が違う。

「僕は戦闘中は獣化できないんですけどね」
 レイからも驚きの発言が!
 俺の表情を見て、レイが微笑む。
「獣人は戦闘中も獣化できるのですが、僕は魔族の銀狼なので」
 そんな制約しばりが有るのか!
 でもそうだよな。違いがなきゃ、種族を選ぶ利点なくなるよな。
 そして、そんな真面目な説明も、頭の上のヨミのお陰で台無しなんだがな。


 俺の部屋から、もう一度外へと移動。
 ユズコは面白いから、自分でやらせよう。
 相変わらず滝行たきぎょうのような「洗浄」だな。ザッパーンとバケツをひっくり返したような水が降ってくる。そして暴風で乾かすと。水がどこに消えるのかは、何度見ても謎。

 レイはミストシャワーのようだが、何せ威力が弱い。ジワジワと汚れが落ちている……のか?時間掛かるな~乾かすのも同じ感じデシタ。
 威力が弱くても消費魔力量は同じなので、長時間使っていられるのはさすが魔族。

「咲樹って、ホント凄いんだな」
 心からの言葉が出た。

 さて、俺ですが、可もなく不可もなく。
 普通にシャワーを浴びる程度に汚れが落ちて、普通にドライヤーで乾かした程度。
 ユズコみたいに豪快じゃないし、レイみたいな全てにおいてパワー不足とはならず。
 でも咲樹ほどフワフワにはならなかった。

 そこで登場、ジャーン!スリッカーブラシ!

 ガルムをブラッシブラッシブラッシブラッシブラッシ……つ、疲れる。
「手伝います」
 レイが自分のインベントリからスリッカーブラシを出す。
「俺も手伝うぜ!」
 ユズコも同じくスリッカーブラシを出した。

 今更だが、お前ら自分が獣化したらブラッシング出来なくないか?
「そこは、ヴィンにやってもらうつもりでしたから」
 あ、決定事項でした。
 爽やか笑顔でユズコも頷いている。
 後でやってやろう。うん。

 ギルドカードの色が違ったのは、ギルド貢献度が違ったからでした。
 昇給試験とかでギルドランクが上がるとか、受けられる依頼が変わるとかではないが、何かがあるらしい。貢献度がいまいちわからん。
「気付いたら色が変わってた」とは、ユズコらしい。
 レイは「興味ないので、知りません」だとさ。
 まぁ、俺もあまり興味ないかな。


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