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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う

55:炊飯器料理【チーズ入ホットケーキ】

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 アイランドキッチンの上に、買ってきた食材を並べる。
 あれから魔物玉蜀黍とうもろこしは一言も喋っていない。
 炊飯器を確認すると、3合炊きと5.5合炊きがあった。
 さすがジルド。わかってるね。
 3合炊きの方は、パン焼き機能付だ。焼くのはホットケーキだけど。

 幻想世界ここでの感覚を掴むために、1番簡単な料理をしてみる事にする。
 料理、で良いのか不安になるレベルの簡単さだけどな。

 ホットケーキミックス100グラム、豆乳75cc、卵1個、普通のスライスチーズととろけるスライスチーズを1枚ずつ。

 豆乳と卵を適当に混ぜて、ホットケーキミックスに3回に分けて混ぜる。シリコンでできたヘラで混ぜるから、炊飯器の内釜部分で直接混ぜてしまう適当さが俺流だね。
 スライスチーズをズラして重ねて、混ぜたホットケーキミックスの真ん中あたりに沈める。
 後は、炊飯器のパン焼きモードで30分にセットしてスイッチオン。
 どの辺で料理スキルが仕事してるんだろうか?
 さて、現実リアルと同じにできるかな?


「何だろう~片付けてるのか、散らかしてるのか、わからなくなってきた~!」
 オーベが自室から出て来た。見るからに疲れてるな。
「多分、散らかしてるが正解だろう」
 後ろからジルドも出て来た。今まで手伝ってたのか。
「いっその事こと『迷ひ家まよいが』でも作ろうかな~」
 オーベが遠くを見つめて、そんな事を言い出す。やめて、迂闊うかつに入れなくなっちゃう。

「何で庭が動物園に……」
 ソファで撃沈しているオーベを放置して、ジルドが窓の方へと近付く。
 ヨミ用の遊具を設置するスペースを作りに行ったはずなんだけどな。
 ユズコが一緒に行ったからか?いつの間にか、ガルム、ヨミ、白虎ユズコ銀狼レイが走り回ってた。

「仲良いよな」
 笑いながら言うと、ジルドに微妙な表情をされる。
「もうさ、全部ヴィンの従魔で良いんじゃないか?」
 どんな理屈だそれ。
「んじゃ、冒険者ギルドに登録行かなきゃね~」
 撃沈しながらもノッてくるオーベ。
 お前達、【cinq(サンク)】はどうするんだ?三人になるじゃないか。名前変更か?

「それじゃ、お前らのパーティー名はdrei(ドライ)?」
 俺も乗る。
「んにゃ、それはドイツ語の3だね~」
「フランス語の3はtrois(トロワ)だな」

 いやいやいや、ツッコミどころはじゃないぞ!

「何、サラッと三人でパーティー組み直すみたいな話になってんだよ」
 そこは「人数変わんないから」と返して欲しかったよ。
 俺がドイツ語とフランス語を間違えた所じゃなくてな!
 ツッコミレイ不在の哀しさよ……

 しかし、クラン名がドイツ語でパーティー名がフランス語か!
 なぜ統一しなかった!?


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