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クランハウスに部屋を貰ったから、快適空間にしたいと思う
44:転移陣を使ったら……
しおりを挟む「じゃあ、俺は街に戻るな」
ガルムの写真を撮りに、従魔専門店にも行かなきゃならんし、食材も買いたい。
「では、僕も一緒に行きますね」
読んでいた本を閉じて、レイが立ち上がる。
なぜに?
「転移陣って俺だけじゃダメなのか?」
「いえ、それは大丈夫ですけど。僕がいないのにガルムと街中を歩くのは、ミスリードの意味が無くなりませんか?」
おぉ、そうだった。ガルムの飼い主はレイ設定だった。
「現実時間で1週間も経てば落ち着きますから、それまでは街中は一緒に行動しましょう」
ニッコリと微笑まれた。
最初に見た応接室に、もう一つ扉があった。気付かなかったけどな。
6畳くらいの大きさの部屋の真ん中に転移陣が在り、ほんのりと白く光ってる。
この転移陣に乗って操作すると、部屋の中にある全てのものが転移されるらしい。
だからこの部屋の中には何も無いんだな。
「噴水と冒険者ギルドのどちらにしますか?」
「見られる人数少ない方だな。それか、従魔専門店に近い方にするか?」
まだ街中の位置関係がイマイチわからん。
「どちらの条件も同じでギルドの方ですね」
「よし、ギルドに出発!」
<きゅぅ!>
<ふむ、転移魔法陣か>
ちょっとガルムが楽しそうにしていて、個人的に癒された。
ギルドの部屋に転移したら、後方でドゴンと凄い音がした。
何事かと振り返ったら、転移屋さんが転がっていた。
ガルムに驚いて気絶してしまったらしい。
「転移屋が倒れた!」
「ギルマス呼んで来い!」
「何!?魔獣が襲って来たって?」
「え!?ガルム!!」
「漆黒の騎士様が何でここに?」
「子供がいる!何でギルドに子供が!!」
うん。パニックです。
「従魔専門店での写真撮影終わったら、部屋に置くソファとか見に行こうな」
ガルムに抱き付き話し掛ける。
当のガルムは大人しく伏せ状態。
<主、ヨミはまだ子供だから玩具もあった方が良いぞ>
<きゅぅ!>
ガルムに登って遊んでいるヨミが返事をする。
「アルミラージ用の玩具って何でしょう?」
横で俺達を眺めているレイが首を傾げる。
今?何してるかって?ギルマスが来るまでモフモフ堪能中です。
部屋の隅で大人しく従魔と戯れておりますが、何か?
部屋の中の冒険者が遠巻きにこちらを見ていて、なぜか誰も部屋を出ていきませんが、何か?
現実逃避?それが何か?
「今度からガルムを連れて来る時は、事前に連絡をください」
凄い勢いで転移室に駆け込んで来たギルマスにお願いされた。注意ではなく、あくまでお願いです。
正直、すみませんでした。
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