ほんわりゲームしてます I

クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す？

29：相変わらずの役立たずですな

　


〈パーティー【cinq(サンク)】からパーティー【仮名】へ同盟申請がきています〉

　お、きた。［承認］［拒否］ボタンが表示されたよ。
　［承認］をポチリ。
　本当は［拒否］とか押して遊びたいが、一度拒否ると一定期間承認できなくなるらしいので、止めておいた。困るのは間違いなく俺だから。

　因みに、一度同盟を組んだ後の解消は問題ないらしい。ダンジョン内だけ組むとかあるらしい。
　その前にダンジョンあるのか！？と思った俺。何しに来てんだここに！と怒られそうだが、俺はモフモフを堪能しに来てるんだから、良いのだ。良いったら良いのだ。うん。


　あれ、俺、困らなくね？と気付いたのは、尻尾が蛇で背中に羽が付いた狼型の魔物を、ガルムが斬撃で倒したのを見た時だ。
　ちなみに『さんきしま』のフロアボスさんです。名前は『マルコシアス』さんです。
　咆哮か何かで行動阻害しようとしたんだろうね。口を大きく開けた瞬間の、ガルムの斬撃でした。南無～。

「こんなに簡単だったっけ～？マルコシアス～」
　オーベが首を傾げる。
「あの頃は、私達もレベル低かったからね」
　ウフフ、と咲樹が笑う。
「いや、さすがに一撃とかおかしいからな」
　ジルドからのツッコミが入りました。


　フロアボスへたどり着くまでの道程もおかしかったけどな！
　キングウルフの群れに俺以外の五人が突っ込んで行って、一方的に蹂躙じゅうりんしてたよ。キングウルフにちょっと同情したよ。
　作戦変更したキングウルフがこっちに向かって来たけど、勿論ガルムが瞬殺。

　俺の胸元から飛び出したヨミがサイズアップして角で串刺しにした時は、ちょっと泣きました。その時のヨミのサイズは中型犬位。
　３０センチに伸びた角に、キングウルフが刺さってるんだよ！？ちょっとしたホラーだわ……



　咲樹にガルムとヨミを洗ってもらいながら、重大な事に気が付いた。
　咲樹がいないと、ガルムとヨミのふわっふわを維持できないと！
　血塗まみれになったモフモフ達……時間が経つとその血が固まるんだぞ！耐えられるか？俺には無理だ。

「咲樹、ガルム達を洗ったり乾かしたりする魔法って、俺にも覚えられるのか？」
「戦闘に使う魔法みたいに強くないなら覚えられるはずよ。いわゆる生活魔法ね」
「ヴィン、騙されるな。いつものア・レ・みたいにはいかないぞ」
　ジルドが溜め息と共にそんな事を言う。
　アレって、まさしく俺が覚えたいフワフワになる洗浄・乾燥の事だよね？
「ユズコ、見せてやれ」
　俺が首を傾げたら、ジルドがユズコを呼んだ。