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クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す?
28:新しいパーティー
しおりを挟む俺は今、ガルムの上にいた。
……銀狼になったレイと一緒に。
何でそんな事になったのかと言うと、あのギャラリーのせいである。
ガルムが街中にいる事で、誰の従魔かといわゆる祭になっていたそうだ。俺が寝ている間にな。
そんな中、ガルムがパーティーと一緒に移動したとなれば、誰が飼い主?となるよな。逆の立場なら、俺もそう思う。
パーティーメンバーか同クランな関係が無いと、鑑定ができないシステムで良かった。無関係な人を鑑定しても『異界人』か『住人』かしか判らない仕様になっている。
隠蔽もできないレベルの俺じゃ、情報ダダ漏れだったよ。
俺の噴水落ちから見ていた人には色々バレてる気がするけど、晒しをやるような悪質な人はいなかったようだ。ガルムが誰を<主>呼びしたかも、まだ話題に上がってないし。
モフモフスキーに悪い人はいない。
個人の感想ですが。
とにかく、俺が主だとバレないように、俺を抱えたレイがガルムに乗る事にしたわけだ。
でも、レイは暗黒騎士だと有名みたいだし、何で今更ガルムを従えられたのか?という矛盾を誤魔化す為に『獣化したから、同じイヌ科を従えたんじゃね?』とミスリードする事にしたわけだ。
で、わざとらしく獣化して、ガルムの背に乗りましたとさ。
騙された皆様ごめんなさい。俺は自分の身が可愛いです。
街を離れ、誰もいなさそうな草原で止まる。
ガルムの背中から、レイだけが降りた。獣化を解いて、獣人に戻る。
「助かりました、ガルム」
<主の為だからな>
お互いにニヤリと黒い笑顔。
なんだろう、この二人の変な連帯感。イヌ科だけの何かがあるのか!?
「いやぁ、想像以上の大騒ぎになってたね~」
オーベがガルムの肩辺りをペシペシ叩く。
「今日中に『しきしま』まで行って、ガルムの待機場所作らないとだな!」
ユズコの爽やか笑顔付きのサムズアップ。
「それよりまず先に、ヴィンがパーティーから外れちゃってるのを何とかしなきゃでしょ!」
咲樹の言葉に驚いてステータスを確認すると、従魔が二匹増えたからかパーティーから弾かれてた。
パーティーの最大人数は六人だもんな。
「ヴィンがパーティー登録すれば、同盟申請できるはずだ」
ジルドが解決策を教えてくれる。
一人でもパーティー登録ってしなきゃいけないのか!…と思ったら、テイマーだけらしいですよ。
理由は、冒険者ギルドでパーティーでしか受注できない依頼があるから。テイマーは従魔が増えると、普通のパーティーが組めなくなるからね。
パーティー名「モフモフ」とかにしたら怒られるかな?怒られるね、多分。
オーベに教えてもらいながら、パーティー登録しました。
同じ名前が有ると登録できない。因みに「モフモフ」も「もふもふ」も既にあったよ。
名前は【仮名】です。仮に付けておいて、後で変えますね!ではなく、正式名称が「仮名」です。ややこしいな。
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