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誕生日プレゼントにゲームを貰ったので、堪能しようと思う
15:天国?
しおりを挟む「俺も!俺ももうすぐ白虎になれるようになるぜ?」
ユズコが会話に入ってくる。
余談だが、ユズコは本当にユズコになっていた。パーティーメンバーの表記が、柚子胡椒からユズコになっていたのだ。
番犬に銀狼に白虎。なにそれ、どんな天国よ。
埋まりたい、そのモフモフに。
「ユズコは後どれくらいですか?」
「10ないな。『とおきしま』のダンジョンなら1時間掛からないんじゃん?」
「僕も同じくらいですね」
「まだ時間はあるぞ?行くなら付き合うが……?」
レイ、ユズコ、ジルドが何やら相談している。
「日付変更前に帰って来られるなら、是非行って来て欲しいわね」
咲樹の言葉に違和感を感じる。
お前は行かないのか?
俺の視線に気付いたのか、咲樹がとても良い笑顔をする。
「私は、コレをしなきゃいけないからね」
語尾にハートが付きそうな言い方だが、目が怖い。
咲樹の手には、スリッカーブラシと刈り鋏が握られていた。
あ~のどかだなぁ~
波打ち際で犬と戯れる美女を見ながら、冷えたビールを飲む。
服装は、装備品ではなくラフなフード付きのパーカーにハーフパンツ姿だ。
そんな俺の隣では、焼きそばを食べながらレモンスカッシュを飲むオーベ。
俺の右手にはフランクフルト。普通サイズなのだが、体が子供サイズだから大きく感じる。ちょっとお得感。
「アメリカンドッグにすれば良かったぁ」
俺を見ながらオーベが呟く。つまみを買ってきたのはオーベだ。
「ん?美味いけど?」
一口かじり、ビールを飲む。か~うめ~天国~。
フランクフルトをまた口に入れる。
ずっと見られてると、食べ難いんだが?
オーベの視線は、俺の口元。
「いや、そこはかとなく犯罪臭が……」
フンッと、歯を剥き出してかじり切ってやった。
「どう?どうかしら?」
毛だらけビショ濡れのヨレヨレ状態なのに、満足そうな笑顔の咲樹が走り寄って来る。
その後ろを悠然と歩いて来るのは、綺麗に散髪され洗われ乾かされフワッとした番犬「ガルム」だ。
出会った時の陰鬱さは微塵もなく、悪役だったようには見えない。
「ふおぉ~!抱きついて良いか?」
お座り状態のガルムの体高は、おそらくユズコがバンザイした状態より高い。
なんせ、大人の男が乗れるだろう大きさだから。
なので今の俺では、一番魅力的な胸の毛には届かないのだ!
俺の意図が通じたのか、ガルムが伏せをしてくれる。
正面からは顔があるから抱きつき難いので、ちょっと横から抱きつく。
「天国~フワッフワだぁ~」
顔どころか、全身がモフモフに包まれた。
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