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第3話:可愛い妹 アモローサ

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 私の一つ下の妹は、生まれた瞬間から可愛かった。
 普通の子供は身内には可愛く見えても、他人には真っ赤な猿に見えると聞いた事がある。

 しかし、妹のアモローサは、産湯を浴びてタオルに包まれてる時には、もう「天使だ」と言われていたそうだ。
 初めて見た時、私も可愛い妹が出来て嬉しいと思った気がする。

 もうそんな気持ちは覚えていないし、今は見た目は可愛いかもしれないけど、悪魔のような女だと思っている。


 悪魔は、既に3歳の時には悪魔だった。
 おそらく姉のイザベラの影響もあったのだろう。
 イザベラの事は「イザベラねえさま」と呼ぶのに、私の事は「カーリー」と呼び捨てにした。

 私が誕生日に貰った髪飾りを、アモローサは「あたしのほうがにあうのに!」と泣きながら欲しがった。
 私は誕生日にしか髪飾りなど買って貰えないのに。

 アモローサは、毎月のように何かしらのプレゼントを貰っているのに、態々私の髪飾りを欲しがったのだ。
 姉の物は欲しがったりしない。
 アモローサ程ではないが、姉も色々プレゼントを貰っていたのに。

 3つしかなかった私の髪飾りは、2つに減った。
 2歳と3歳の誕生日に貰った髪飾りなど、赤ちゃん用に毛が生えた程度の物で、もうすぐ5歳になる私には着けられなかった。
 実質、私が着けられる髪飾りは無くなったのだ。


「いつも地味な服装に、飾り気も無くて可愛く無いわね」
 母は私に、面と向かってそう言った。
 5歳の子供が自分で服や装飾品を買えると思っているのだろうか?
 今ならば、そう言い返せるが、当時の私は何も言えずに俯いた。

 父もイザベラやアモローサに色々買ってやっているので、私にも買ったつもりになっていたようだった。


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