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プロローグ
徹夜落書きサイコーの日
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大好きな乙女ゲームがある。
それは中世ヨーロッパ風の社会を描いた聖女ヒロインものなのだけど、学園で繰り広げられるロマンスの攻略対象の一人に『彼』がいるのだ。
彼の名前は、サースティー・ギアン。通称サース様。代々魔法使いの家系に生まれ、稀有な魔力をその身に抱え持つ、影のある表情をする青年だ。
漆黒の長い髪を艶やかに払い、整い過ぎた顔立ちに高貴な気品を漂わせながら、長い睫毛を伏せ、ヒロインを見下ろす。
心の内に闇を抱え持つ彼のその不機嫌そうな眼差しに、悲し気な表情に、気だるげなたたずまいに、私は、何度!悶え転げ回ったことか!……え、本当に何度だろ?10000回くらい?この先何倍でも増え続けるだろうから数える必要もないけど、ともかく、心臓をわしづかみにされるくらい、私は彼に恋をした。
中学2年の時に発売されたそのゲームをやり続け、続編にあたる第二弾が発売される予告が出た時には、私は高校1年生になっていた。
――サース様にまた会える……!!
私は興奮して、夏休み前に発売されるそのゲームの予告を何度も何度も100回くらい見てしまっていた。
受験を失敗して辛かったときにも。
仕事の忙しい両親が家にいなくて寂しいときにも。
高校に入学して友達関係でもめごとが起こったときにも。
いつもいつも。心の中にはサース様がいた。
彼に恋をして、心の中に溢れる幸せな気持ちを噛みしめるように、ずっと、その温かな気持ちが私を支えてくれていた。
私はきっとまだ、本当の恋は知らないのだと、思う。
クラスの男の子のことを、良い人だな、とか、カッコいいな、って思うこともあるけれど、焦がれるほどの気持ちを抱けたことはなかった。
それでも私は恋を知っていた。
サラリと黒髪をなびかせて、時折悲しそうに笑う、心の穴を埋めるように愛をささやく「彼」を。
私は恋心以外の気持ちで見つめたことはなかった。
きっと、本当の恋を知るまでの、疑似恋愛なんだよって、人は言うんだろうけれど。
こんなに幸福にしてくれるなら、これが初恋でいいんじゃないかって思う。
そんなことを思いながら、金曜日の夜。
私は、次の日が休みなのをいいことに、朝までかけて絵を描いていた。
オタク魂というのは結構凄い。
このゲームを始めてから、毎日毎日サース様の絵を描いていたら、とっても下手だった私の画力もだいぶ上がって来た。
そして、予告を見てから気持ちが高ぶっていた私は、久しぶりに気合を入れて、半日かけて描いた力作を手にしていた。
長いローブに身を包み、後ろを振り返るようにたたずむ、サース様の絵だった。
優しく、いとおしむように、誰かを見ている。サース様の向こうには、二つの月が浮かんでいる。そう、魔法の存在するそこは、中世ヨーロッパ風だけど、紛れもない異世界なのだ。
渾身の力作にうっとりとしていたら、どこからか声が聞こえて来た。
『……ちょっと美化しすぎてない?』
……なんですと!?
「私のサース様になにを……!!!!……っていうか、え?誰?」
どこから声が……?
部屋の中を見回したけれど、いつもの、なんでもない自分の部屋があるだけだった。
徹夜の幻聴?私はもう寝た方がいいのかも……。
私は椅子から立ち上がると、ベッドの上にぽすんと倒れ込んだ。
眠い……。
『ミュトラスの乙女。何を願う?』
ミュ……え、なんだって?
『対価が与えられる。どんな願い事も叶う』
眠い……願い事……?
『心から願うものを叶える』
心から願うのは……。
サース様の見てない姿をみたい……。
もう、ゲームのスチルは飽きるほど見たから……。
『その願い叶えよう』
眠い………。
そうして深い眠りに落ち、昼前に目を覚ました時には、私はその不思議な声のことを忘れていた。
机の上に置かれていたサース様の絵を眺めて、うっとりと自画自賛していた。
サース様の良さをここまで描けるなんて、我ながら天才だと思う!
……まぁ自分好みに描いているから当然なのだけれども。
そんなことを思いながら、着替えようと思って押入れのふすまを開けて、私は固まった。
押入れだと思ったら、外に続く扉だった。
何を言ってるのか自分でも分からなくなったので、もう一度言うと、押入れかと思ったら窓だった。
二度言っても何を言っているのか分からなかったから、言い直すと、押入れのふすまを開けたら、異世界に繋がっていた――――
「え…………?」
押入れは、確かに、存在していた。入れてあった荷物は、そのままそこにあって、私の着替えも、もちろん下着もそこに仕舞われている。
だけど、その押入れの奥の壁が無くなっている。
壁の代わりに、見知った風景が広がっていた。
地球ではない空が見えた。塔のように高くそびえたつ城は、毎日毎日プレイし続けた、あのゲームの世界の中のもの。
押入れの向こう側に、ゲームの世界が広がっている――
「……もう一度寝よう」
とうとう幻覚を見てしまった。
恋に恋するお年頃。
サース様に恋したことに後悔はないけれど、さすがに幻覚を見てしまうと自らを省みる。
そう言えば昨夜幻聴も聞いた気がする。思い出した。私はもうだめかもしれない。
私はそっと押入れのふすまを閉めると、もう一度ぽすんとベッドに横になった。
「おやすみなさい……」
次に夕方に起きたとき。
その時私は知る。
ふすまの向こうに広がっているのは、本物の、愛するサース様の居る世界なのだって――
(徹夜での落書きは最高に楽しかったのだけど。私はもっとチュートリアルを大事に聞いておくべきだったのだと後になって思った日でした)
それは中世ヨーロッパ風の社会を描いた聖女ヒロインものなのだけど、学園で繰り広げられるロマンスの攻略対象の一人に『彼』がいるのだ。
彼の名前は、サースティー・ギアン。通称サース様。代々魔法使いの家系に生まれ、稀有な魔力をその身に抱え持つ、影のある表情をする青年だ。
漆黒の長い髪を艶やかに払い、整い過ぎた顔立ちに高貴な気品を漂わせながら、長い睫毛を伏せ、ヒロインを見下ろす。
心の内に闇を抱え持つ彼のその不機嫌そうな眼差しに、悲し気な表情に、気だるげなたたずまいに、私は、何度!悶え転げ回ったことか!……え、本当に何度だろ?10000回くらい?この先何倍でも増え続けるだろうから数える必要もないけど、ともかく、心臓をわしづかみにされるくらい、私は彼に恋をした。
中学2年の時に発売されたそのゲームをやり続け、続編にあたる第二弾が発売される予告が出た時には、私は高校1年生になっていた。
――サース様にまた会える……!!
私は興奮して、夏休み前に発売されるそのゲームの予告を何度も何度も100回くらい見てしまっていた。
受験を失敗して辛かったときにも。
仕事の忙しい両親が家にいなくて寂しいときにも。
高校に入学して友達関係でもめごとが起こったときにも。
いつもいつも。心の中にはサース様がいた。
彼に恋をして、心の中に溢れる幸せな気持ちを噛みしめるように、ずっと、その温かな気持ちが私を支えてくれていた。
私はきっとまだ、本当の恋は知らないのだと、思う。
クラスの男の子のことを、良い人だな、とか、カッコいいな、って思うこともあるけれど、焦がれるほどの気持ちを抱けたことはなかった。
それでも私は恋を知っていた。
サラリと黒髪をなびかせて、時折悲しそうに笑う、心の穴を埋めるように愛をささやく「彼」を。
私は恋心以外の気持ちで見つめたことはなかった。
きっと、本当の恋を知るまでの、疑似恋愛なんだよって、人は言うんだろうけれど。
こんなに幸福にしてくれるなら、これが初恋でいいんじゃないかって思う。
そんなことを思いながら、金曜日の夜。
私は、次の日が休みなのをいいことに、朝までかけて絵を描いていた。
オタク魂というのは結構凄い。
このゲームを始めてから、毎日毎日サース様の絵を描いていたら、とっても下手だった私の画力もだいぶ上がって来た。
そして、予告を見てから気持ちが高ぶっていた私は、久しぶりに気合を入れて、半日かけて描いた力作を手にしていた。
長いローブに身を包み、後ろを振り返るようにたたずむ、サース様の絵だった。
優しく、いとおしむように、誰かを見ている。サース様の向こうには、二つの月が浮かんでいる。そう、魔法の存在するそこは、中世ヨーロッパ風だけど、紛れもない異世界なのだ。
渾身の力作にうっとりとしていたら、どこからか声が聞こえて来た。
『……ちょっと美化しすぎてない?』
……なんですと!?
「私のサース様になにを……!!!!……っていうか、え?誰?」
どこから声が……?
部屋の中を見回したけれど、いつもの、なんでもない自分の部屋があるだけだった。
徹夜の幻聴?私はもう寝た方がいいのかも……。
私は椅子から立ち上がると、ベッドの上にぽすんと倒れ込んだ。
眠い……。
『ミュトラスの乙女。何を願う?』
ミュ……え、なんだって?
『対価が与えられる。どんな願い事も叶う』
眠い……願い事……?
『心から願うものを叶える』
心から願うのは……。
サース様の見てない姿をみたい……。
もう、ゲームのスチルは飽きるほど見たから……。
『その願い叶えよう』
眠い………。
そうして深い眠りに落ち、昼前に目を覚ました時には、私はその不思議な声のことを忘れていた。
机の上に置かれていたサース様の絵を眺めて、うっとりと自画自賛していた。
サース様の良さをここまで描けるなんて、我ながら天才だと思う!
……まぁ自分好みに描いているから当然なのだけれども。
そんなことを思いながら、着替えようと思って押入れのふすまを開けて、私は固まった。
押入れだと思ったら、外に続く扉だった。
何を言ってるのか自分でも分からなくなったので、もう一度言うと、押入れかと思ったら窓だった。
二度言っても何を言っているのか分からなかったから、言い直すと、押入れのふすまを開けたら、異世界に繋がっていた――――
「え…………?」
押入れは、確かに、存在していた。入れてあった荷物は、そのままそこにあって、私の着替えも、もちろん下着もそこに仕舞われている。
だけど、その押入れの奥の壁が無くなっている。
壁の代わりに、見知った風景が広がっていた。
地球ではない空が見えた。塔のように高くそびえたつ城は、毎日毎日プレイし続けた、あのゲームの世界の中のもの。
押入れの向こう側に、ゲームの世界が広がっている――
「……もう一度寝よう」
とうとう幻覚を見てしまった。
恋に恋するお年頃。
サース様に恋したことに後悔はないけれど、さすがに幻覚を見てしまうと自らを省みる。
そう言えば昨夜幻聴も聞いた気がする。思い出した。私はもうだめかもしれない。
私はそっと押入れのふすまを閉めると、もう一度ぽすんとベッドに横になった。
「おやすみなさい……」
次に夕方に起きたとき。
その時私は知る。
ふすまの向こうに広がっているのは、本物の、愛するサース様の居る世界なのだって――
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