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オマケ集
1月7日のお粥さん(2020正月)
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新年のご挨拶が滅茶苦茶おくれましたこと、謹んでお詫び申し上げます!
7日にすら遅れまして、本当すみませんでした!
今年もよろしくお願いいたします!
───────
───────
トントントン♪ トントントン♪
デイヴィー兄ちゃんから、訝しげな顔をされつつ購入した野菜&野草を、リズミカルに刻んでいく。
「セリ、ナズナ♪」
「ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ♪」
『かぶ、だいこん!』
『ひなくん、七草ではスズナ、スズシロと言うのです。』
ちなみに、ナズナはペンペングサのことである。
春の七草を、食べやすい大きさに刻んで刻んで…
そーれーをー?
「ベーコンと共に、バターでソテー!!」
何時から七草粥だと錯覚していた?
いや、作れるけどさ。
ドシンプルな、婆ちゃん直伝の七草粥。
「お米はお粥と言う名の、トマトチーズリゾットになりました!」
『コレで大丈夫かな?』
「どれどれ……うん、オッケー!よくできました!」
あ、リゾットの味付けは、俺がしたんでご安心を。
詩音と若葉は、火加減見てただけだ。
主に若葉が。
リゾットを作るとき、余ったお餅を角切りにして、混ぜても良し。
お餅の処理に困ったら、別の料理にしてしまおう。
リゾットじゃなくても、米と一緒に炊飯器へ突っ込んで、普通に炊くとおこわが作れたり。
あと、洋風に味付けてみるのもありだよ。
ケチャップ塗ってベーコン乗せて焼くとか。
『はっぱ、ごはんとまぜまぜ!』
「よし、やるか陽向。」
はい、しゃもじを前肢の蹄で挟んで~。
まぜまぜ まぜまぜ
うん、俺が一緒に持てば、問題無くできるな。
動かしてんの、ほぼ俺だけど。
よーし、混ざった!
『そして、ポーチドエッグを乗せるのです♪』
『黒コショウを、ゴリゴリ砕く!』
『砕けたら、パラパラかけるの~♪』
そんなわけで完成!!
「子供や詩音の舌にも優しい、七草トマチーリゾット!!」
「ありがとうございます!」
婆ちゃんに知られたら、スゲー怒られるであろうこの一品。
七草粥苦手な妹に出せば、大興奮だっただろう。
苦手なのに、どうしてもお粥さんが食卓に上がる場合は、自力でチーズ,鮭フレーク,たらこ,イクラ,カズノコなんかをブッ込もう!
「婆ちゃんと俺の七草戦争は、俺の勝ち逃げで終了かぁ。」
「リゾットの他にも、作ってましたよね。」
「初まりは中1の時の、七草鶏炒飯だった。」
色々やったなぁ。
七草ドリアに、七草麻婆丼、七草パエリア…
尚、婆ちゃん曰く、本来七草粥は『お正月の祝い事で疲れた胃を労る』ために食うもんらしい。
そりゃ、バターだのチーズだの使ったら、怒られるよね。
『美味しそうなのです♪』
「だろ~?」
「楽しみです♪」
『はっぱ、いっぱい♪』
『コレ、本来はどんな料理だったの?』
「超シンプルな、薄い塩味と出汁の香りに、葉の食感を楽しむ、白いお粥さん。」
『だいぶ違うね~。』
まあ、七草は口に入るんだから、問題ない←
さてそれでは
「「いただきます!」」
『『『いただきまーす!』』』
『いただきますです!』
早速実食!!
あ、若葉はスプーン使ってね。
おててが、大変な事になるから。
『あちちっ…あつあつ…!』
『わ、大丈夫?!』
「陽向火傷したか?!」
「ちょっと診ますね!…えーと、大丈夫だったみたいです。良かった…」
『食べるとき、冷まさないと、ダメだよ~?』
『フーフー、してあげるです。』
葉っぱ沢山で嬉しいんだろうけど、熱々のものをそんなに急いで食べたら危ないぞ?
「はふはふ…ん~♪正直、七草粥は苦い葉っぱが沢山で、苦手ですけど…コレは美味しいです♪」
「そりゃ良かったw」
バターで葉っぱを炒めて、更にトマトとチーズを絡めたことで、苦味は劇的に抑えられる。
通常の七草粥よりも、ハッキリ味付けもされてるから、より食べやすい。
『あむむ…切れないのです。』みょーん
『チーズ、伸びるね~。』
「ちょw何可愛い事してんの、ほんと可愛いなぁw」
「小梅ちゃん、毛に着いちゃいましたね…タオル何処でしたっけ…」
『コウメちゃんが汚しちゃうの、珍しいね。』
『むむ、ちょっと悔しいのです。』
濡れタオルで、拭いてあげよう。
若葉も後で、お口拭こうか。
時雨は、自分で洗い流しながら食べてるから、平気だろう。
陽向は……うん、真っ赤。丸洗い決定。
拭いてたら、タオルが足りねぇ。
「そういや、詩音に今朝届いてた小包、何だった?」
「あ、アレはお母さんからの、お年玉でした。」
『おとしだま?』
「本来は、新年に大人から子供にあげる、お小遣い程度のお金のことだよ。」
…そういえば、俺達って村の子達と、ラルフやレナさん、アンジュちゃん辺りに、お年玉渡すべき?
友達に渡すのは、変かなぁ?
『しおちゃんが受け取ったのは、お金ではないのです。でも、この時期大人から子供に贈られたものなので、お年玉という表現にしたのだと思うです。』
『そうなんだ!』
『何貰ったの~?』
「……何の味か食べるまで判らない、ゼリーの詰め合わせを……」
「待って、何作ったんだ、あの女神様。」
何その、微妙に困るお年玉。
「……こちらです。」
「……白、緑、ベージュ、焦げ茶、赤紫、黒……」
仕切りの付いた箱に、綺麗に詰められたプルプル達。
絶対、フルーツゼリーではないことだけは、確かだ。
『皆で1つずつ、食べてみるです?』
「マジ?」
『ヒナタくん、選んでいいよ~。』
『えっと…これ!』
『ヒナタくんは緑?じゃあ、ボク赤紫。』
「凄いのいきますね、若葉くん。」
『小梅は、焦げ茶にするのです。』
『私、ベージュ~♪』
おおぅ…白と黒が残った……皆度胸あるな。
「……お前白いけよ。たぶん、牛乳寒天だろ。」
「元々ゼリー状の料理という、確証はありませんよ…」
「黒の食材で思い浮かぶ物より、白で思い浮かぶ物の方が、よっぽどマシだと思わねぇ…?」
「……それは……確かに……」
つーわけで、俺は黒を選択。
赤紫は…アレはたぶん、ごま味。アルラウネ。
焦げ茶は黒ショラに色似てるから、チョコ系だと思う。
緑はきっと、陽向用のお野菜料理。
ベージュは、ちょっと判らんけど加熱した肉な気がする。
白は十中八九乳製品。
黒は…………本命(希望的観測):豆、対抗:海藻、大穴:イカスミで。
「……せーのっ!」
ぱくり ぷにゅんっ
こ、コレは…!
「あまぁー!うまぁー!小豆餡?!食感も合間って、葛饅頭みてぇ!」
「あ、コレ絶対ホイップクリームですっ!」
『あまーい♪』
『何かは判らないですが、黒ショラ味なのです♪』
『ボクのも、甘くて美味しい!』
『私の、甘くない!何かのお肉だよ~?』
そして、なんかホカホカしてる。
見た目は、冷えてそうなのに。
ホカホカしたもので、甘いものが大半で、1つだけお肉か…………
「あ…中華まん?」
「!!なるほど、それならこのラインナップも、納得です!」
あんまん、ホイップまん、チョコまん、ゴマあんまん、肉まん…緑はウグイスあんまん…もしくは、ずんだあんまんだろうな。
見た目と食感がアレだけど、味はうまうま。
最後に女神の愛情注がなければ、普通に旨い料理に成るんだろうなぁ。
この旨さは、愛情ありきかもしれんけど。
───────
──────
─────
「よし。陽向、おめめぎゅ~。」
『ぎゅー』
「流しますよ~♪」
トマトとチーズだけじゃなく、緑の甘いプルプルも絡んじゃった毛を洗う。
もっふぁもふぁで、もっこもこな陽向の毛は、水に濡れてもあまりボリュームが変わらない。
普通、ぺしょって成るもんじゃねーの?
『兄ちゃん、お父さんとお母さん来たよ~!』
『リゾット食べたいって~♪』
「はい?」
俺、リゾット作るなんて、おとーさん達に言ってたっけ?
「ミライ、シオン。」
「こんにちは。あら、ヒナタくんお風呂ですか?」
「やっほー。もう後は、乾かすだけだよ。」
「こんにちは。元旦以来ですね。」
おかーさんを片腕で抱っこした、おとーさんが悠々と歩いて来た。
新年も仲睦まじくて何より。
もうね、2人の世界出来上がってるよね。
「もしかして、朝からずっとイチャイチャしてた?」
「正しくは、昨晩からだな。」
「あらー…………」
「っ、もうっ…!」
おいコラ、おかーさん真っ赤じゃねーか。
さては、抱っこの理由、そういうことだな?
そして、詩音も真っ赤なのは何故。
「デイヴィーから、お前が『蕪と大根と、グリンスならその辺の森で採れる薬草,野草を5種類も注文してきた』と聞いてな。」
「薬草は、お腹の調子を整えるものみたいですが…どんなお料理にしたんですか?」
なるほど、それは気になるか。
「リゾットにしたんだよ。…土鍋一杯しか作らなかったから、あんま残ってないけど、食べる?」
「うむ。気になるのでな。」
「良いんですか?」
「私達は、お腹いっぱい食べましたから。」
どぞどぞ~♪
「因みにそれ、ボクも食べれたりするかい?」
「ふぁっ?!お、お母さん…!」
「やあ♪ボクからのお年玉、美味しかったかな~?♪」
「は、はい!とても!」
『美味しかったよ!』
『セティお姉さん、ありがとう~♪』
「あ、俺もちょーだーい♪ヒナタくんと引き換えでどおー?w」
『わぁ~!』
『ああっ!ひなくんが、ロランさんに捕まったのです!』
なんか続々来た?!
「そんなにねぇーよ!!つか、お年玉くれたセレスティアさんは兎も角、おめーはダメだ駄神!忘れてた、あけおめ!!」
「え~、セティちゃんに中華まんの作り方教えたの、俺なんですけどぉ~?あ、そういや新年お初だったねwあけおめことよろw」
「それが罷り通るなら、俺はまず、デイヴィー兄ちゃんにあげに行く!!ことよろは要らねぇ!」
「あ、うんwごもっともwえ~、よろしくしようよぉ~www」
つーわけで、陽向を解放しやがれ!
「はいはーいwヒナタくん、おどかしてゴメンね~。」
「陽向くん、大丈夫ですか?」
『うん♪』
「来るなり、か弱き羊を質に取るとは、盗賊と変わらんな。」
「ちょーっと、からかっただけじゃーん。」
この野郎。
態度によっては、追加でリゾット作ってやろーかと思ったけど、やめとく。
「はい、おとーさんとおかーさんと、ギリギリセレスティアさんの分もあったわ。駄神てめーはコレな。」
「おお、ありがとう。」
「美味しそうですね♪」
「ボクも良いのかい?ありがたくいただくよ♪」
「ちょwwwwwwやっぱスゲェわ、ミライくんw娘の彼氏に『お茶だ』って言って『お茶の葉』を湯呑みに入れて出す国出身とはいえ、まさか『お椀に入れた生米と七草』渡されるとはwwwwww」
うるせぇ、大根ぶつけんぞ。
この大根凄いんだぞ。
人を撲っても折れないし、そこそこ威力出るんだぞ。
兄ちゃん曰く、今『護身用武器』として、メイドさんからの需要増加中らしい。
「仕方ないなぁ、シオンちゃんのほっぺ堪能して帰るわw」
「むにゅっ?!ひ、ひっひゃらふぁひへふふぁひゃぁああい!?」
「そーゆーとこだぞ駄神ぃいいいい!!」
「あっはっはっはっwさあ、かかっておいで豆柴くん♪」
この後、俺から逃げきった駄神の野郎は、セレスティアさんの魔法陣トラップをも掻い潜り、詩音にネズミっぽくデコったシュークリームを投げつけ、去って行こうとしたところでビルムさんに取っ捕まった。
ざまぁ。
「…新年早々、こんだけ神様に逢ってりゃ、今年は良いことありそうじゃね?」
「私は既に悪いこと起きてますけど……?」
あ、投げられたシュークリームは、詩音の顔に当たる直前で若葉がキャッチしたため、スタッフが美味しくいただきました。
7日にすら遅れまして、本当すみませんでした!
今年もよろしくお願いいたします!
───────
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トントントン♪ トントントン♪
デイヴィー兄ちゃんから、訝しげな顔をされつつ購入した野菜&野草を、リズミカルに刻んでいく。
「セリ、ナズナ♪」
「ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ♪」
『かぶ、だいこん!』
『ひなくん、七草ではスズナ、スズシロと言うのです。』
ちなみに、ナズナはペンペングサのことである。
春の七草を、食べやすい大きさに刻んで刻んで…
そーれーをー?
「ベーコンと共に、バターでソテー!!」
何時から七草粥だと錯覚していた?
いや、作れるけどさ。
ドシンプルな、婆ちゃん直伝の七草粥。
「お米はお粥と言う名の、トマトチーズリゾットになりました!」
『コレで大丈夫かな?』
「どれどれ……うん、オッケー!よくできました!」
あ、リゾットの味付けは、俺がしたんでご安心を。
詩音と若葉は、火加減見てただけだ。
主に若葉が。
リゾットを作るとき、余ったお餅を角切りにして、混ぜても良し。
お餅の処理に困ったら、別の料理にしてしまおう。
リゾットじゃなくても、米と一緒に炊飯器へ突っ込んで、普通に炊くとおこわが作れたり。
あと、洋風に味付けてみるのもありだよ。
ケチャップ塗ってベーコン乗せて焼くとか。
『はっぱ、ごはんとまぜまぜ!』
「よし、やるか陽向。」
はい、しゃもじを前肢の蹄で挟んで~。
まぜまぜ まぜまぜ
うん、俺が一緒に持てば、問題無くできるな。
動かしてんの、ほぼ俺だけど。
よーし、混ざった!
『そして、ポーチドエッグを乗せるのです♪』
『黒コショウを、ゴリゴリ砕く!』
『砕けたら、パラパラかけるの~♪』
そんなわけで完成!!
「子供や詩音の舌にも優しい、七草トマチーリゾット!!」
「ありがとうございます!」
婆ちゃんに知られたら、スゲー怒られるであろうこの一品。
七草粥苦手な妹に出せば、大興奮だっただろう。
苦手なのに、どうしてもお粥さんが食卓に上がる場合は、自力でチーズ,鮭フレーク,たらこ,イクラ,カズノコなんかをブッ込もう!
「婆ちゃんと俺の七草戦争は、俺の勝ち逃げで終了かぁ。」
「リゾットの他にも、作ってましたよね。」
「初まりは中1の時の、七草鶏炒飯だった。」
色々やったなぁ。
七草ドリアに、七草麻婆丼、七草パエリア…
尚、婆ちゃん曰く、本来七草粥は『お正月の祝い事で疲れた胃を労る』ために食うもんらしい。
そりゃ、バターだのチーズだの使ったら、怒られるよね。
『美味しそうなのです♪』
「だろ~?」
「楽しみです♪」
『はっぱ、いっぱい♪』
『コレ、本来はどんな料理だったの?』
「超シンプルな、薄い塩味と出汁の香りに、葉の食感を楽しむ、白いお粥さん。」
『だいぶ違うね~。』
まあ、七草は口に入るんだから、問題ない←
さてそれでは
「「いただきます!」」
『『『いただきまーす!』』』
『いただきますです!』
早速実食!!
あ、若葉はスプーン使ってね。
おててが、大変な事になるから。
『あちちっ…あつあつ…!』
『わ、大丈夫?!』
「陽向火傷したか?!」
「ちょっと診ますね!…えーと、大丈夫だったみたいです。良かった…」
『食べるとき、冷まさないと、ダメだよ~?』
『フーフー、してあげるです。』
葉っぱ沢山で嬉しいんだろうけど、熱々のものをそんなに急いで食べたら危ないぞ?
「はふはふ…ん~♪正直、七草粥は苦い葉っぱが沢山で、苦手ですけど…コレは美味しいです♪」
「そりゃ良かったw」
バターで葉っぱを炒めて、更にトマトとチーズを絡めたことで、苦味は劇的に抑えられる。
通常の七草粥よりも、ハッキリ味付けもされてるから、より食べやすい。
『あむむ…切れないのです。』みょーん
『チーズ、伸びるね~。』
「ちょw何可愛い事してんの、ほんと可愛いなぁw」
「小梅ちゃん、毛に着いちゃいましたね…タオル何処でしたっけ…」
『コウメちゃんが汚しちゃうの、珍しいね。』
『むむ、ちょっと悔しいのです。』
濡れタオルで、拭いてあげよう。
若葉も後で、お口拭こうか。
時雨は、自分で洗い流しながら食べてるから、平気だろう。
陽向は……うん、真っ赤。丸洗い決定。
拭いてたら、タオルが足りねぇ。
「そういや、詩音に今朝届いてた小包、何だった?」
「あ、アレはお母さんからの、お年玉でした。」
『おとしだま?』
「本来は、新年に大人から子供にあげる、お小遣い程度のお金のことだよ。」
…そういえば、俺達って村の子達と、ラルフやレナさん、アンジュちゃん辺りに、お年玉渡すべき?
友達に渡すのは、変かなぁ?
『しおちゃんが受け取ったのは、お金ではないのです。でも、この時期大人から子供に贈られたものなので、お年玉という表現にしたのだと思うです。』
『そうなんだ!』
『何貰ったの~?』
「……何の味か食べるまで判らない、ゼリーの詰め合わせを……」
「待って、何作ったんだ、あの女神様。」
何その、微妙に困るお年玉。
「……こちらです。」
「……白、緑、ベージュ、焦げ茶、赤紫、黒……」
仕切りの付いた箱に、綺麗に詰められたプルプル達。
絶対、フルーツゼリーではないことだけは、確かだ。
『皆で1つずつ、食べてみるです?』
「マジ?」
『ヒナタくん、選んでいいよ~。』
『えっと…これ!』
『ヒナタくんは緑?じゃあ、ボク赤紫。』
「凄いのいきますね、若葉くん。」
『小梅は、焦げ茶にするのです。』
『私、ベージュ~♪』
おおぅ…白と黒が残った……皆度胸あるな。
「……お前白いけよ。たぶん、牛乳寒天だろ。」
「元々ゼリー状の料理という、確証はありませんよ…」
「黒の食材で思い浮かぶ物より、白で思い浮かぶ物の方が、よっぽどマシだと思わねぇ…?」
「……それは……確かに……」
つーわけで、俺は黒を選択。
赤紫は…アレはたぶん、ごま味。アルラウネ。
焦げ茶は黒ショラに色似てるから、チョコ系だと思う。
緑はきっと、陽向用のお野菜料理。
ベージュは、ちょっと判らんけど加熱した肉な気がする。
白は十中八九乳製品。
黒は…………本命(希望的観測):豆、対抗:海藻、大穴:イカスミで。
「……せーのっ!」
ぱくり ぷにゅんっ
こ、コレは…!
「あまぁー!うまぁー!小豆餡?!食感も合間って、葛饅頭みてぇ!」
「あ、コレ絶対ホイップクリームですっ!」
『あまーい♪』
『何かは判らないですが、黒ショラ味なのです♪』
『ボクのも、甘くて美味しい!』
『私の、甘くない!何かのお肉だよ~?』
そして、なんかホカホカしてる。
見た目は、冷えてそうなのに。
ホカホカしたもので、甘いものが大半で、1つだけお肉か…………
「あ…中華まん?」
「!!なるほど、それならこのラインナップも、納得です!」
あんまん、ホイップまん、チョコまん、ゴマあんまん、肉まん…緑はウグイスあんまん…もしくは、ずんだあんまんだろうな。
見た目と食感がアレだけど、味はうまうま。
最後に女神の愛情注がなければ、普通に旨い料理に成るんだろうなぁ。
この旨さは、愛情ありきかもしれんけど。
───────
──────
─────
「よし。陽向、おめめぎゅ~。」
『ぎゅー』
「流しますよ~♪」
トマトとチーズだけじゃなく、緑の甘いプルプルも絡んじゃった毛を洗う。
もっふぁもふぁで、もっこもこな陽向の毛は、水に濡れてもあまりボリュームが変わらない。
普通、ぺしょって成るもんじゃねーの?
『兄ちゃん、お父さんとお母さん来たよ~!』
『リゾット食べたいって~♪』
「はい?」
俺、リゾット作るなんて、おとーさん達に言ってたっけ?
「ミライ、シオン。」
「こんにちは。あら、ヒナタくんお風呂ですか?」
「やっほー。もう後は、乾かすだけだよ。」
「こんにちは。元旦以来ですね。」
おかーさんを片腕で抱っこした、おとーさんが悠々と歩いて来た。
新年も仲睦まじくて何より。
もうね、2人の世界出来上がってるよね。
「もしかして、朝からずっとイチャイチャしてた?」
「正しくは、昨晩からだな。」
「あらー…………」
「っ、もうっ…!」
おいコラ、おかーさん真っ赤じゃねーか。
さては、抱っこの理由、そういうことだな?
そして、詩音も真っ赤なのは何故。
「デイヴィーから、お前が『蕪と大根と、グリンスならその辺の森で採れる薬草,野草を5種類も注文してきた』と聞いてな。」
「薬草は、お腹の調子を整えるものみたいですが…どんなお料理にしたんですか?」
なるほど、それは気になるか。
「リゾットにしたんだよ。…土鍋一杯しか作らなかったから、あんま残ってないけど、食べる?」
「うむ。気になるのでな。」
「良いんですか?」
「私達は、お腹いっぱい食べましたから。」
どぞどぞ~♪
「因みにそれ、ボクも食べれたりするかい?」
「ふぁっ?!お、お母さん…!」
「やあ♪ボクからのお年玉、美味しかったかな~?♪」
「は、はい!とても!」
『美味しかったよ!』
『セティお姉さん、ありがとう~♪』
「あ、俺もちょーだーい♪ヒナタくんと引き換えでどおー?w」
『わぁ~!』
『ああっ!ひなくんが、ロランさんに捕まったのです!』
なんか続々来た?!
「そんなにねぇーよ!!つか、お年玉くれたセレスティアさんは兎も角、おめーはダメだ駄神!忘れてた、あけおめ!!」
「え~、セティちゃんに中華まんの作り方教えたの、俺なんですけどぉ~?あ、そういや新年お初だったねwあけおめことよろw」
「それが罷り通るなら、俺はまず、デイヴィー兄ちゃんにあげに行く!!ことよろは要らねぇ!」
「あ、うんwごもっともwえ~、よろしくしようよぉ~www」
つーわけで、陽向を解放しやがれ!
「はいはーいwヒナタくん、おどかしてゴメンね~。」
「陽向くん、大丈夫ですか?」
『うん♪』
「来るなり、か弱き羊を質に取るとは、盗賊と変わらんな。」
「ちょーっと、からかっただけじゃーん。」
この野郎。
態度によっては、追加でリゾット作ってやろーかと思ったけど、やめとく。
「はい、おとーさんとおかーさんと、ギリギリセレスティアさんの分もあったわ。駄神てめーはコレな。」
「おお、ありがとう。」
「美味しそうですね♪」
「ボクも良いのかい?ありがたくいただくよ♪」
「ちょwwwwwwやっぱスゲェわ、ミライくんw娘の彼氏に『お茶だ』って言って『お茶の葉』を湯呑みに入れて出す国出身とはいえ、まさか『お椀に入れた生米と七草』渡されるとはwwwwww」
うるせぇ、大根ぶつけんぞ。
この大根凄いんだぞ。
人を撲っても折れないし、そこそこ威力出るんだぞ。
兄ちゃん曰く、今『護身用武器』として、メイドさんからの需要増加中らしい。
「仕方ないなぁ、シオンちゃんのほっぺ堪能して帰るわw」
「むにゅっ?!ひ、ひっひゃらふぁひへふふぁひゃぁああい!?」
「そーゆーとこだぞ駄神ぃいいいい!!」
「あっはっはっはっwさあ、かかっておいで豆柴くん♪」
この後、俺から逃げきった駄神の野郎は、セレスティアさんの魔法陣トラップをも掻い潜り、詩音にネズミっぽくデコったシュークリームを投げつけ、去って行こうとしたところでビルムさんに取っ捕まった。
ざまぁ。
「…新年早々、こんだけ神様に逢ってりゃ、今年は良いことありそうじゃね?」
「私は既に悪いこと起きてますけど……?」
あ、投げられたシュークリームは、詩音の顔に当たる直前で若葉がキャッチしたため、スタッフが美味しくいただきました。
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2023/08/14……連載開始
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
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貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
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「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
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全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
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