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オマケ集

1月7日のお粥さん(2020正月)

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新年のご挨拶が滅茶苦茶おくれましたこと、謹んでお詫び申し上げます!
7日にすら遅れまして、本当すみませんでした!
今年もよろしくお願いいたします!




───────
───────

トントントン♪ トントントン♪

デイヴィー兄ちゃんから、訝しげな顔をされつつ購入した野菜&野草を、リズミカルに刻んでいく。

「セリ、ナズナ♪」
「ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ♪」
『かぶ、だいこん!』
『ひなくん、七草ではスズナ、スズシロと言うのです。』

ちなみに、ナズナはペンペングサのことである。
春の七草を、食べやすい大きさに刻んで刻んで…

そーれーをー?

「ベーコンと共に、バターでソテー!!」

何時から七草粥だと錯覚していた?
いや、作れるけどさ。
ドシンプルな、婆ちゃん直伝の七草粥。

「お米はお粥と言う名の、トマトチーズリゾットになりました!」
『コレで大丈夫かな?』
「どれどれ……うん、オッケー!よくできました!」

あ、リゾットの味付けは、俺がしたんでご安心を。
詩音と若葉は、火加減見てただけだ。
主に若葉が。

リゾットを作るとき、余ったお餅を角切りにして、混ぜても良し。
お餅の処理に困ったら、別の料理にしてしまおう。
リゾットじゃなくても、米と一緒に炊飯器へ突っ込んで、普通に炊くとおこわが作れたり。
あと、洋風に味付けてみるのもありだよ。
ケチャップ塗ってベーコン乗せて焼くとか。

『はっぱ、ごはんとまぜまぜ!』
「よし、やるか陽向。」

はい、しゃもじを前肢の蹄で挟んで~。

まぜまぜ まぜまぜ

うん、俺が一緒に持てば、問題無くできるな。
動かしてんの、ほぼ俺だけど。
よーし、混ざった!

『そして、ポーチドエッグを乗せるのです♪』
『黒コショウを、ゴリゴリ砕く!』
『砕けたら、パラパラかけるの~♪』

そんなわけで完成!!

「子供や詩音の舌にも優しい、七草トマチーリゾット!!」
「ありがとうございます!」

婆ちゃんに知られたら、スゲー怒られるであろうこの一品。
七草粥苦手な妹に出せば、大興奮だっただろう。

苦手なのに、どうしてもお粥さんが食卓に上がる場合は、自力でチーズ,鮭フレーク,たらこ,イクラ,カズノコなんかをブッ込もう!

「婆ちゃんと俺の七草戦争は、俺の勝ち逃げで終了かぁ。」
「リゾットの他にも、作ってましたよね。」
「初まりは中1の時の、七草鶏炒飯だった。」

色々やったなぁ。
七草ドリアに、七草麻婆丼、七草パエリア…

尚、婆ちゃん曰く、本来七草粥は『お正月の祝い事で疲れた胃を労る』ために食うもんらしい。
そりゃ、バターだのチーズだの使ったら、怒られるよね。

『美味しそうなのです♪』
「だろ~?」
「楽しみです♪」
『はっぱ、いっぱい♪』
『コレ、本来はどんな料理だったの?』
「超シンプルな、薄い塩味と出汁の香りに、葉の食感を楽しむ、白いお粥さん。」
『だいぶ違うね~。』

まあ、七草は口に入るんだから、問題ない←
さてそれでは

「「いただきます!」」
『『『いただきまーす!』』』
『いただきますです!』

早速実食!!
あ、若葉はスプーン使ってね。
おててが、大変な事になるから。

『あちちっ…あつあつ…!』
『わ、大丈夫?!』
「陽向火傷したか?!」
「ちょっと診ますね!…えーと、大丈夫だったみたいです。良かった…」
『食べるとき、冷まさないと、ダメだよ~?』
『フーフー、してあげるです。』

葉っぱ沢山で嬉しいんだろうけど、熱々のものをそんなに急いで食べたら危ないぞ?

「はふはふ…ん~♪正直、七草粥は苦い葉っぱが沢山で、苦手ですけど…コレは美味しいです♪」
「そりゃ良かったw」

バターで葉っぱを炒めて、更にトマトとチーズを絡めたことで、苦味は劇的に抑えられる。
通常の七草粥よりも、ハッキリ味付けもされてるから、より食べやすい。

『あむむ…切れないのです。』みょーん
『チーズ、伸びるね~。』
「ちょw何可愛い事してんの、ほんと可愛いなぁw」
「小梅ちゃん、毛に着いちゃいましたね…タオル何処でしたっけ…」
『コウメちゃんが汚しちゃうの、珍しいね。』
『むむ、ちょっと悔しいのです。』

濡れタオルで、拭いてあげよう。
若葉も後で、お口拭こうか。
時雨は、自分で洗い流しながら食べてるから、平気だろう。
陽向は……うん、真っ赤。丸洗い決定。
拭いてたら、タオルが足りねぇ。

「そういや、詩音に今朝届いてた小包、何だった?」
「あ、アレはお母さんからの、お年玉でした。」
『おとしだま?』
「本来は、新年に大人から子供にあげる、お小遣い程度のお金のことだよ。」

…そういえば、俺達って村の子達と、ラルフやレナさん、アンジュちゃん辺りに、お年玉渡すべき?
友達に渡すのは、変かなぁ?

『しおちゃんが受け取ったのは、お金ではないのです。でも、この時期大人から子供に贈られたものなので、お年玉という表現にしたのだと思うです。』
『そうなんだ!』
『何貰ったの~?』
「……何の味か食べるまで判らない、ゼリーの詰め合わせを……」
「待って、何作ったんだ、あの女神様。」

何その、微妙に困るお年玉。

「……こちらです。」
「……白、緑、ベージュ、焦げ茶、赤紫、黒……」

仕切りの付いた箱に、綺麗に詰められたプルプル達。
絶対、フルーツゼリーではないことだけは、確かだ。

『皆で1つずつ、食べてみるです?』
「マジ?」
『ヒナタくん、選んでいいよ~。』
『えっと…これ!』
『ヒナタくんは緑?じゃあ、ボク赤紫。』
「凄いのいきますね、若葉くん。」
『小梅は、焦げ茶にするのです。』
『私、ベージュ~♪』

おおぅ…白と黒が残った……皆度胸あるな。

「……お前白いけよ。たぶん、牛乳寒天だろ。」
「元々ゼリー状の料理という、確証はありませんよ…」
「黒の食材で思い浮かぶ物より、白で思い浮かぶ物の方が、よっぽどマシだと思わねぇ…?」
「……それは……確かに……」

つーわけで、俺は黒を選択。

赤紫は…アレはたぶん、ごま味。アルラウネ。
焦げ茶は黒ショラに色似てるから、チョコ系だと思う。
緑はきっと、陽向用のお野菜料理。
ベージュは、ちょっと判らんけど加熱した肉な気がする。
白は十中八九乳製品。
黒は…………本命(希望的観測):豆、対抗:海藻、大穴:イカスミで。

「……せーのっ!」

ぱくり ぷにゅんっ

こ、コレは…!

「あまぁー!うまぁー!小豆餡?!食感も合間って、葛饅頭みてぇ!」
「あ、コレ絶対ホイップクリームですっ!」
『あまーい♪』
『何かは判らないですが、黒ショラ味なのです♪』
『ボクのも、甘くて美味しい!』
『私の、甘くない!何かのお肉だよ~?』

そして、なんかホカホカしてる。
見た目は、冷えてそうなのに。
ホカホカしたもので、甘いものが大半で、1つだけお肉か…………

「あ…中華まん?」
「!!なるほど、それならこのラインナップも、納得です!」

あんまん、ホイップまん、チョコまん、ゴマあんまん、肉まん…緑はウグイスあんまん…もしくは、ずんだあんまんだろうな。
見た目と食感がアレだけど、味はうまうま。
最後に女神の愛情注がなければ、普通に旨い料理に成るんだろうなぁ。
この旨さは、愛情ありきかもしれんけど。

───────
──────
─────

「よし。陽向、おめめぎゅ~。」
『ぎゅー』
「流しますよ~♪」

トマトとチーズだけじゃなく、緑の甘いプルプルも絡んじゃった毛を洗う。
もっふぁもふぁで、もっこもこな陽向の毛は、水に濡れてもあまりボリュームが変わらない。
普通、ぺしょって成るもんじゃねーの?

『兄ちゃん、お父さんとお母さん来たよ~!』
『リゾット食べたいって~♪』
「はい?」

俺、リゾット作るなんて、おとーさん達に言ってたっけ?

「ミライ、シオン。」
「こんにちは。あら、ヒナタくんお風呂ですか?」
「やっほー。もう後は、乾かすだけだよ。」
「こんにちは。元旦以来ですね。」

おかーさんを片腕で抱っこした、おとーさんが悠々と歩いて来た。
新年も仲睦まじくて何より。



もうね、2人の世界出来上がってるよね。

「もしかして、朝からずっとイチャイチャしてた?」
「正しくは、昨晩からだな。」
「あらー…………」
「っ、もうっ…!」

おいコラ、おかーさん真っ赤じゃねーか。
さては、抱っこの理由、そういうこと・・・・・・だな?
そして、詩音も真っ赤なのは何故。

「デイヴィーから、お前が『蕪と大根と、グリンスならその辺の森で採れる薬草,野草を5種類も注文してきた』と聞いてな。」
「薬草は、お腹の調子を整えるものみたいですが…どんなお料理にしたんですか?」

なるほど、それは気になるか。

「リゾットにしたんだよ。…土鍋一杯しか作らなかったから、あんま残ってないけど、食べる?」
「うむ。気になるのでな。」
「良いんですか?」
「私達は、お腹いっぱい食べましたから。」

どぞどぞ~♪

「因みにそれ、ボクも食べれたりするかい?」
「ふぁっ?!お、お母さん…!」
「やあ♪ボクからのお年玉、美味しかったかな~?♪」
「は、はい!とても!」
『美味しかったよ!』
『セティお姉さん、ありがとう~♪』
「あ、俺もちょーだーい♪ヒナタくんと引き換えでどおー?w」
『わぁ~!』
『ああっ!ひなくんが、ロランさんに捕まったのです!』

なんか続々来た?!

「そんなにねぇーよ!!つか、お年玉くれたセレスティアさんは兎も角、おめーはダメだ駄神!忘れてた、あけおめ!!」
「え~、セティちゃんに中華まんの作り方教えたの、俺なんですけどぉ~?あ、そういや新年お初だったねwあけおめことよろw」
「それが罷り通るなら、俺はまず、デイヴィー兄ちゃんにあげに行く!!ことよろは要らねぇ!」
「あ、うんwごもっともwえ~、よろしくしようよぉ~www」

つーわけで、陽向を解放しやがれ!

「はいはーいwヒナタくん、おどかしてゴメンね~。」
「陽向くん、大丈夫ですか?」
『うん♪』
「来るなり、か弱き羊を質に取るとは、盗賊と変わらんな。」
「ちょーっと、からかっただけじゃーん。」

この野郎。
態度によっては、追加でリゾット作ってやろーかと思ったけど、やめとく。

「はい、おとーさんとおかーさんと、ギリギリセレスティアさんの分もあったわ。駄神てめーはコレな。」
「おお、ありがとう。」
「美味しそうですね♪」
「ボクも良いのかい?ありがたくいただくよ♪」
「ちょwwwwwwやっぱスゲェわ、ミライくんw娘の彼氏に『お茶だ』って言って『お茶の葉』を湯呑みに入れて出す国出身とはいえ、まさか『お椀に入れた生米と七草』渡されるとはwwwwww」

うるせぇ、大根ぶつけんぞ。
この大根凄いんだぞ。
人を撲っても折れないし、そこそこ威力出るんだぞ。
兄ちゃん曰く、今『護身用武器』として、メイドさんからの需要増加中らしい。

「仕方ないなぁ、シオンちゃんのほっぺ堪能して帰るわw」
「むにゅっ?!ひ、ひっひゃらふぁひへふふぁひゃぁああい!?」
「そーゆーとこだぞ駄神ぃいいいい!!」
「あっはっはっはっwさあ、かかっておいで豆柴くん♪」

この後、俺から逃げきった駄神の野郎は、セレスティアさんの魔法陣トラップをも掻い潜り、詩音にネズミっぽくデコったシュークリームを投げつけ、去って行こうとしたところでビルムさんに取っ捕まった。
ざまぁ。

「…新年早々、こんだけ神様に逢ってりゃ、今年は良いことありそうじゃね?」
「私は既に悪いこと起きてますけど……?」

あ、投げられたシュークリームは、詩音の顔に当たる直前で若葉がキャッチしたため、スタッフ俺達が美味しくいただきました。
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