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ビビりとモフモフ、冒険開始
期限は君が反省するまで
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俺に飛び付いてきたエデンくんは、アンジュちゃんを見付けてジタバタしてる。
白とピンクのタキシードにシルクハットが、よく似合ってるよ。
はいはい、ご主人様の所に行こうね~。
『あーちゃのとこ、いく!』
「はいよ。」
「かっわいいっ!!アンジュ、そんな可愛い子隠してたの?」
「もう少し落ち着いてから、呼ぶつもりでしたの。エデン、いらっしゃい。」
「ほら、ご主人様だよ~。」
『あーちゃ!チクタク、すぎたの!まだマテ?』
チクタク…って時計か?
時計が過ぎた…?
「呼ばれる筈の時間が過ぎた」ってことかな。
「もう…エデン、呼ぶまでは『待て』です、と言ったでしょう?」
『ごめにゃしゃい…』
「さっきまで、ちゃんと我慢してたもんなー?アンジュちゃん、エデンくんに予定の時間教えてた?」
此処で、エデンくんの可愛さで盛り上がってたご令嬢方が、静まり返った。らしい。
エデンくんに意識行ってて、気付かなかったんだ。俺のアホ。
「教えましたわ…まさか、時間に成っても呼ばれないから…?」
「時計が言われた時間より過ぎても、『待て』のままだから、何かあったのかな?って、心配に成っちゃったらしいよ。」
「それで、走って私の元へ…!通訳ありがとう、ミライ殿。」
「ん。あんま、叱らないでやってね。」
エデンくん、ご主人様想いだね。よしよし。
さーて、今度こそ退室しよう。
一礼して、ドアクロ~ズ。
詩音とラルフと一緒に、時間までゴブ退治の作戦会議しながら、モフモフしてよー。
「…ミライ、気を抜き過ぎだ。」
「アンジュなら、誤魔化せるとは思うけどね。」
「ん?何かマズッた?」
「「タメ口と愛称呼び。」」
「……やっちまった!」
あぅ、2人の呆れた視線が痛い。
迷惑かけるアンジュちゃんに、後で謝れって事ですね、解ります。
そして狼イヤーが、女子達の会話を拾ってくる。
「アンジュさん、あの料理人の方、どういったご関係?!」
「やはり、何処かの貴族の御子息ですの?!」
「違いますわ。彼の家に爵位はありませんもの。同じ狼なら、エデンの気持ちも解るかと、相談している内に仲良くなっただけですわ。」
「本当にそれだけですの?」
「お友達であること以外には、何もありませんわ。それに、彼も婚約者が居りますのよ。」
「おっきな、可愛いにゃんこですけどね♪」
「「猫と婚約……?!」」
「…獣人なら、あり得るのかしら……?」
ああ、お茶会の議題が俺の事に成ってる……
えーと、すんません…?
───────
※萎縮中(?)の男爵令嬢視点
この私に、人殺せそうな視線向けてきた男の婚約者が…猫……?!
え、何それ?私、猫に負けた訳?
……ああ、でもそれなら納得だわ。
性癖がそっちなら、人間はそりゃ範囲外よね……。
ロラン様も、魅了が効くかどうかは、好感度次第って言ってたもの。
「……パンケーキ美味しい…」
久々のパンケーキ…可愛いし美味しい。イン●タ上げたい。
ミルクティーも、今まで飲んでたのは一体何?ってレベルで美味しいわ。
料理人としての腕は、確かみたいね。
ちょっと落ち着いてきたかな。
はぁー、焦ったぁ~…ロラン様より上位の神様に、手出しちゃったかと思った。
基本、神様から貰った能力の威力は、神様の序列で決まるらしいのよね。
だから、ロラン様より上位の神様には、私のスキルは絶対効かないの。
ロラン様は賢神様。序列は6位。
能力は『解析』と『改造』。
この世界に存在するモノは、外見や能力値、スキルなんかもデータ化して『解析』できるんですって。
そして『解析』したデータは、好きなように『改造』できる。
その能力で、私が望んだスキルをくれたし、外見をかなり可愛くしてくれた。
お陰で人生イージーモードよ。
私をこの世界に呼んでくれた理由は『面白そうだから』っていう、賢神様らしからぬ適当なものだったけどね。
「ね、アルファストさん、それでいい?」
「えっ?」
「ドレスの色。アルファストさんは赤より、大人っぽい紺色が似合うんじゃない?って話してたんだけど。」
「あ、ああ、ドレス……そうね。…解りましたわ。」
やだ、暫くはあの狼くんの話だろうと思って、聞いてなかったわ。
あーあ…赤のドレスで王子に言い寄れば、お優しいロゼ様(笑)の化けの皮を、ひっぺがせるかと思ったんだけどなぁ~。
あの善人ぶった顔が醜く歪む所、王子に見せてやりたかったのに。
「ドレスと言えば…アンジュさんのフェザーウルフのお洋服、ドレスに合わせてお作りに成られたのね。」
『きゅーん♪』
「ええ。ラルフお兄様のご友人に、腕の良い仕立て屋さんがいらっしゃるの。本日もいらしてますわ。彼も夕方から、お兄様と一緒にモンスター退治へ行かれますの。」
あら…それどころじゃなくて、よく見てなかったけど……センス良いわね。
仕立て屋さん、男性なの?本当に?
その人、私のドレス作ってくれないかしら。
皆、ヴァールフラン商会の恋の電撃や、服飾専門のシャネール商会に依頼するから、オーダーメイドでも絶対似た感じのドレスがあるのよね。
…今から頼めば、ロゼ様(笑)の誕生日に間に合うわ。
王子やそのご友人達も来るし…今日のウサを晴らしてやらなくちゃ。
そのための準備なら、少し面倒でもやる価値はあるわ。
───────
──────
─────
さて、と。
お手洗いを理由に抜け出して、メイドを撒いたは良いけど…流石辺境伯の屋敷、部屋多過ぎて笑えてくるわ。
仕立て屋さんはどこかしら。
客室の辺りをウロウロしてると、さっき聞いたばかりの声が聞こえてきた。
ラルフ様だわ。どうしよっかな…婚約者は居ないって噂だけど。
…考えるまでもないわね。
落として、傷心の私を癒して貰いましょう♪
序でに、お友達の仕立て屋さんについても、聞いちゃえばいいわね。
「そっちじゃない、こっちだ。ほら、手。」
「す、すみません…。」
え、女の声?
……ショタって可能性もあるかしら。
確認しておきましょう。
廊下の角を曲がると、バッチリ目が合った。
ラルフ様と手を繋いでいる…真っ白な天使と。
「!貴女は…」
「ひゃっ…こ、こんに、ちは……?」
……可愛い…学園の令嬢達なんて目じゃないくらいに…
私でも勝てない…作り物じゃない、天然の可愛らしさ。
少しラルフ様の背に隠れる姿さえ、様に成ってる。
そこらの女がやっても、イライラするだけなのに。
成る程、彼女は全く『打算が無い』のね。
ああ…きっと『ヒロイン』ってこういう子なんだわ…
ロラン様…『面白そう』って……私は『当て馬役』ってこと…?!
…ふざけんじゃないわ……!
「あ、あの…?大丈夫、ですか…?」
「……大…丈夫……なんかじゃないわよっ!!」
「ひぃっ?!」
「シオンっ!?」
怯えながらも、目の前までやって来た彼女に向けて、護身用にもなる扇子を振りかぶった。
特別なのは『私』…!
目の前の女じゃなくて、『私』なの…!
そうでしょ?!私は『神様に選ばれた』んだからっ!!
パキンッ……
何かが割れる音がして、景色にヒビが入った。
驚いて手が止まる。
そして、それが直ったと思った時には
「やあ、いらっしゃい。可愛い子が来てくれて、とても嬉しいよ♪」
目の前の天使は消えて、ラベンダー色の魔女が現れた。
───────
──────
─────
※詩音視点
ど、どどどどどどうしましょうっ?!
「わ、わわわ私、見知らぬ女の子を…消しちゃいました……っ!?」
「落ち着け、シオン。恐らく、お前のリボンの効果だ。」
「え………」
……あ、成る程。
お母さんの仕業ですかぁ~。
…って、ヤバくないですか?!
「…見知らぬ女の子が、ロリータ服着せ替え10パターンの刑に…!」
「その程度で済めば良いけどな……」
[やあやあ、ボクの可愛い白百合ちゃん。]
「は、はいっ!」
[君を襲ったご令嬢、お仕置きは終わったから、今そっちに返すよ。大丈夫、もう君に鉄芯の入った扇子を叩き付けようなんて、考えれない状態にしたからね。]
何をしたんですか?!
[それは、返してのお楽しみさ。まあ、害は無いから、可愛がってあげたまえ♪]
あの、ナチュラルに心読まないでください。
少しだけ空間が裂けて、そこから…
『…きゅ……?』
「……やられたな。」
「わ、わぁ………可愛いです…ね…」
『きゅきゅっ?!』
フリフリのお洋服を着て、耳にリボンが付いている、とっても可愛いウサギさんが出てきました。
……本当に何してるんですか、お母さぁーーーんっ!?
白とピンクのタキシードにシルクハットが、よく似合ってるよ。
はいはい、ご主人様の所に行こうね~。
『あーちゃのとこ、いく!』
「はいよ。」
「かっわいいっ!!アンジュ、そんな可愛い子隠してたの?」
「もう少し落ち着いてから、呼ぶつもりでしたの。エデン、いらっしゃい。」
「ほら、ご主人様だよ~。」
『あーちゃ!チクタク、すぎたの!まだマテ?』
チクタク…って時計か?
時計が過ぎた…?
「呼ばれる筈の時間が過ぎた」ってことかな。
「もう…エデン、呼ぶまでは『待て』です、と言ったでしょう?」
『ごめにゃしゃい…』
「さっきまで、ちゃんと我慢してたもんなー?アンジュちゃん、エデンくんに予定の時間教えてた?」
此処で、エデンくんの可愛さで盛り上がってたご令嬢方が、静まり返った。らしい。
エデンくんに意識行ってて、気付かなかったんだ。俺のアホ。
「教えましたわ…まさか、時間に成っても呼ばれないから…?」
「時計が言われた時間より過ぎても、『待て』のままだから、何かあったのかな?って、心配に成っちゃったらしいよ。」
「それで、走って私の元へ…!通訳ありがとう、ミライ殿。」
「ん。あんま、叱らないでやってね。」
エデンくん、ご主人様想いだね。よしよし。
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一礼して、ドアクロ~ズ。
詩音とラルフと一緒に、時間までゴブ退治の作戦会議しながら、モフモフしてよー。
「…ミライ、気を抜き過ぎだ。」
「アンジュなら、誤魔化せるとは思うけどね。」
「ん?何かマズッた?」
「「タメ口と愛称呼び。」」
「……やっちまった!」
あぅ、2人の呆れた視線が痛い。
迷惑かけるアンジュちゃんに、後で謝れって事ですね、解ります。
そして狼イヤーが、女子達の会話を拾ってくる。
「アンジュさん、あの料理人の方、どういったご関係?!」
「やはり、何処かの貴族の御子息ですの?!」
「違いますわ。彼の家に爵位はありませんもの。同じ狼なら、エデンの気持ちも解るかと、相談している内に仲良くなっただけですわ。」
「本当にそれだけですの?」
「お友達であること以外には、何もありませんわ。それに、彼も婚約者が居りますのよ。」
「おっきな、可愛いにゃんこですけどね♪」
「「猫と婚約……?!」」
「…獣人なら、あり得るのかしら……?」
ああ、お茶会の議題が俺の事に成ってる……
えーと、すんません…?
───────
※萎縮中(?)の男爵令嬢視点
この私に、人殺せそうな視線向けてきた男の婚約者が…猫……?!
え、何それ?私、猫に負けた訳?
……ああ、でもそれなら納得だわ。
性癖がそっちなら、人間はそりゃ範囲外よね……。
ロラン様も、魅了が効くかどうかは、好感度次第って言ってたもの。
「……パンケーキ美味しい…」
久々のパンケーキ…可愛いし美味しい。イン●タ上げたい。
ミルクティーも、今まで飲んでたのは一体何?ってレベルで美味しいわ。
料理人としての腕は、確かみたいね。
ちょっと落ち着いてきたかな。
はぁー、焦ったぁ~…ロラン様より上位の神様に、手出しちゃったかと思った。
基本、神様から貰った能力の威力は、神様の序列で決まるらしいのよね。
だから、ロラン様より上位の神様には、私のスキルは絶対効かないの。
ロラン様は賢神様。序列は6位。
能力は『解析』と『改造』。
この世界に存在するモノは、外見や能力値、スキルなんかもデータ化して『解析』できるんですって。
そして『解析』したデータは、好きなように『改造』できる。
その能力で、私が望んだスキルをくれたし、外見をかなり可愛くしてくれた。
お陰で人生イージーモードよ。
私をこの世界に呼んでくれた理由は『面白そうだから』っていう、賢神様らしからぬ適当なものだったけどね。
「ね、アルファストさん、それでいい?」
「えっ?」
「ドレスの色。アルファストさんは赤より、大人っぽい紺色が似合うんじゃない?って話してたんだけど。」
「あ、ああ、ドレス……そうね。…解りましたわ。」
やだ、暫くはあの狼くんの話だろうと思って、聞いてなかったわ。
あーあ…赤のドレスで王子に言い寄れば、お優しいロゼ様(笑)の化けの皮を、ひっぺがせるかと思ったんだけどなぁ~。
あの善人ぶった顔が醜く歪む所、王子に見せてやりたかったのに。
「ドレスと言えば…アンジュさんのフェザーウルフのお洋服、ドレスに合わせてお作りに成られたのね。」
『きゅーん♪』
「ええ。ラルフお兄様のご友人に、腕の良い仕立て屋さんがいらっしゃるの。本日もいらしてますわ。彼も夕方から、お兄様と一緒にモンスター退治へ行かれますの。」
あら…それどころじゃなくて、よく見てなかったけど……センス良いわね。
仕立て屋さん、男性なの?本当に?
その人、私のドレス作ってくれないかしら。
皆、ヴァールフラン商会の恋の電撃や、服飾専門のシャネール商会に依頼するから、オーダーメイドでも絶対似た感じのドレスがあるのよね。
…今から頼めば、ロゼ様(笑)の誕生日に間に合うわ。
王子やそのご友人達も来るし…今日のウサを晴らしてやらなくちゃ。
そのための準備なら、少し面倒でもやる価値はあるわ。
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さて、と。
お手洗いを理由に抜け出して、メイドを撒いたは良いけど…流石辺境伯の屋敷、部屋多過ぎて笑えてくるわ。
仕立て屋さんはどこかしら。
客室の辺りをウロウロしてると、さっき聞いたばかりの声が聞こえてきた。
ラルフ様だわ。どうしよっかな…婚約者は居ないって噂だけど。
…考えるまでもないわね。
落として、傷心の私を癒して貰いましょう♪
序でに、お友達の仕立て屋さんについても、聞いちゃえばいいわね。
「そっちじゃない、こっちだ。ほら、手。」
「す、すみません…。」
え、女の声?
……ショタって可能性もあるかしら。
確認しておきましょう。
廊下の角を曲がると、バッチリ目が合った。
ラルフ様と手を繋いでいる…真っ白な天使と。
「!貴女は…」
「ひゃっ…こ、こんに、ちは……?」
……可愛い…学園の令嬢達なんて目じゃないくらいに…
私でも勝てない…作り物じゃない、天然の可愛らしさ。
少しラルフ様の背に隠れる姿さえ、様に成ってる。
そこらの女がやっても、イライラするだけなのに。
成る程、彼女は全く『打算が無い』のね。
ああ…きっと『ヒロイン』ってこういう子なんだわ…
ロラン様…『面白そう』って……私は『当て馬役』ってこと…?!
…ふざけんじゃないわ……!
「あ、あの…?大丈夫、ですか…?」
「……大…丈夫……なんかじゃないわよっ!!」
「ひぃっ?!」
「シオンっ!?」
怯えながらも、目の前までやって来た彼女に向けて、護身用にもなる扇子を振りかぶった。
特別なのは『私』…!
目の前の女じゃなくて、『私』なの…!
そうでしょ?!私は『神様に選ばれた』んだからっ!!
パキンッ……
何かが割れる音がして、景色にヒビが入った。
驚いて手が止まる。
そして、それが直ったと思った時には
「やあ、いらっしゃい。可愛い子が来てくれて、とても嬉しいよ♪」
目の前の天使は消えて、ラベンダー色の魔女が現れた。
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※詩音視点
ど、どどどどどどうしましょうっ?!
「わ、わわわ私、見知らぬ女の子を…消しちゃいました……っ!?」
「落ち着け、シオン。恐らく、お前のリボンの効果だ。」
「え………」
……あ、成る程。
お母さんの仕業ですかぁ~。
…って、ヤバくないですか?!
「…見知らぬ女の子が、ロリータ服着せ替え10パターンの刑に…!」
「その程度で済めば良いけどな……」
[やあやあ、ボクの可愛い白百合ちゃん。]
「は、はいっ!」
[君を襲ったご令嬢、お仕置きは終わったから、今そっちに返すよ。大丈夫、もう君に鉄芯の入った扇子を叩き付けようなんて、考えれない状態にしたからね。]
何をしたんですか?!
[それは、返してのお楽しみさ。まあ、害は無いから、可愛がってあげたまえ♪]
あの、ナチュラルに心読まないでください。
少しだけ空間が裂けて、そこから…
『…きゅ……?』
「……やられたな。」
「わ、わぁ………可愛いです…ね…」
『きゅきゅっ?!』
フリフリのお洋服を着て、耳にリボンが付いている、とっても可愛いウサギさんが出てきました。
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