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ビビりとモフモフ、冒険開始
待ちぼうけと質問、どっちが辛いか
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メリノさんが、俺のカードを四角い魔導具に入れた。
箱が光ったところで取り出すと、『冒険者・D』と刻印されてる横に『料理人・B』とある。
え、いきなりBランっすか?
「制度は基本的に、冒険者ギルドと、あまりかわりません。ただ、商業ギルドでの評価基準は、大きく『ギルドへの貢献度』と『顧客満足度』の二種類です。」
へぇ。顧客満足度かぁ。
確かに、そこ大事だよね。
「ギルドへの貢献は、今登録したレシピとかってこと?顧客満足度ってのは…実際お客様に食べてもらって、喜んでくれたかどうか?」
「はい。本来、冒険者ギルドと同様に、Bランク以上へ上がるには試験も必要なのですが…此方のご紹介状の中に、シルフィード伯爵家からの推薦状が御座いました。顧客満足度の評価として、かなりの点数になりますよ。不平を言いそうな、他の料理人達を黙らせるには、充分です。」
「マジっすか…!」
出してくれたのは、領主様かな?
対抗ラルフ、次いでアンジュちゃん…大穴でお兄さんって可能性もあるけど。
奥方様は絶対無い。
「あとは…職種について、簡単にご説明致しましょうか?」
「あ、おねがいしまーす。」
「畏まりました。職種の分類があるのは、主に『職人』と言われる職業です。先程出た器職人に鍋職人の他、大工や鍛冶師に治療師…料理人と近いモノでは、菓子職人などもあります。」
「お姉ちゃん、実はSランクの菓子職人なんだよ~♪」
「スゲーな、姉ちゃん!」
「他にもありますが…簡単に言うと手に職系は区別があり、それ以外は『商人』と一纏めにされているのです。」
成る程。
……じゃあ、ガルヴァ兄ちゃん、マジで職業『商人』なんだ…………。
「あの…料理人が受けるクエストなども、あるのですか?」
「はい。1階の受付に言っていただければ、お仕事をご紹介致します。料理人ですと…Fランクの方にご紹介できるのは食器洗いや、厨房の掃除などです。Eランクで食材を切る工程の手伝い、Dランクでは焼く,煮るなどの工程が一般的ですね。Cランクでは1品料理を作って欲しい、などが多いでしょうか。」
……板前さんの修行工程?
「今回のお茶会も、当ギルドでBランクの、指名依頼クエストとして扱うことになりました。」
「本来Cくらいの案件だけど、相手が貴族だから格上げされたってとこだね。他のBランククエストは、コース料理頼まれたり、創作料理のアドバイス求められたりするかなぁ。」
ふむふむ。
…創作はいいとして…コース料理は難しい、かな……。
「Aランクに上がると、お城の厨房入れてもらえたり…そのまま、引き抜きかけられたりね。」
「へぇ~。因みにSランクは?」
「貴族や王家から、直接指名依頼が来たりします。主に夜会,晩餐会の料理を注文されますね。」
わお、ぜってー無理。
少なくとも今は。
「それから…店を持っている場合は、Cランクに成ると、専用の証書を飾ることができるようになります。ランクアップする毎に、新しい証書が贈られますよ。」
「証書?」
「お店の信頼度を、具体的に示すためのものだと思いますよ。」
「その通りです。ミライさんも、お店を出すことになられましたら、その時にお渡し致しますので。」
ミシュ●ンの、星みてーなもんかな?
「ミライは、料理の腕だけならA~Sレベルだと思うよ。私も色々食べたいもん。後でお姉ちゃんと、何か作ろうね~♪」
「ティナさんのお墨付きなら、ランクアップも早そうですね。」
「んー、まあ気長に気ままに、頑張るよ。」
…帰ったら少し、レシピ書こうかなぁ。
───────
無事に登録を終えて、1階の売り場に降りてきた。
レナさん達は、まだもう少しかかりそうだ。
「…誰か此方来てくんないかなぁ……。」
詩音も小梅も時雨も姉ちゃんも、嬉々として服選びに参戦しちゃった。
若葉と陽向も、意外と楽しそうにしてる。
…道連れ来ないかなぁ~……。
「未來くん、男性の意見も知りたいのですが…このブラウスには此方のリボン派ですか?それとも此方でしょうか?」
いやいやいやいや、お前も男性だろ!
感性は女子ですってか?!
えっと、白いブラウスに、紺のリボンか濃いピンクのリボンか?
「…んーーーー…俺が好きなのは、紺かなぁ。」
「あー、無難なのはそっちですよねぇ。ただ、レナさんに合わせるとなると、赤系の方が…」
じゃあ聞くんじゃねぇぇえええええ!!
…という叫びは、心の内に留めといて……
「ソッカー、オレソーユーノワカンネーワ。」
「…桜を練り込んだパンケーキに添えるなら、イチゴですか?ブルーベリーですか?」
「その2択ならイチゴだな…ホイップクリームも乗せたい。俺のおすすめは、つぶ餡と白玉だけど。」
「似たような感じで、考えてみてください。」
「俺の美的センス、料理以外はポンコツなの解ってるよな?!」
美術の成績2だぞ?!
評価されてんの、独創性と意欲だけって知ってるよな?!なぁ?!
「レナさんをパンケーキと考えて、トッピングにブラウスを足してください。さて、更にブラウスへ付け足すトッピングは?」
「待って、その例え俺の頭じゃ理解できない!」
あー、うー……ココア生地に、ホワイトチョコレート…?
映えるのはイチゴだけど、赤すぎるとイチゴばっか目が行くから……
「……暗めのラズベリーは?」
「ラズベリーと言いますと…コレとかでしょうか?」
「そーそー、そんくらいの。ワインレッドっぽいやつ。」
「ありがとうございます!レナさんにお見せして来ますね!」
来なくていいから、後はそっちで決めてくれぃ。
取り敢えず…正解に近い答え出せて良かった。
「ねぇねぇ、ミライ。」
「今度は姉ちゃん?どしたの。」
「コウメちゃんが、ミライの色のピアスしてるじゃない?それ見て、レナちゃんに、青い小物選んであげようかな~って、思ったんだけど~。」
「あー、あの2人両思いっぽいしな。良いんでない?」
「男の子的に、好きな子が何処に自分の色着けてたら嬉しい?」
「はいっ!?」
また、難しい質問来たなおい。
詩音に聞いてくれ、詩音に。
「シオンちゃん、感性此方寄りなんだもん。」
「くっ…見た目も中身も可愛いからなアイツ…!」
うぉぉ…なんて答えりゃ良いんだコレは…!
「……末端?」
「末端って言うと…指先とか?」
「うん。耳とか指とかに、さりげな~く…『あっ、こんなとこに俺の色あった!』って、会って暫くしてから気付くくらいの、さりげなさで。」
「成る程~、それは嬉しいかもね!ありがと、ミライ♪」
おぅ?!
…姉ちゃん、オデコにチューしてった。
別に嫌じゃないし、可愛がられてるだけなんだろーけど。
小梅、今のは不可抗力なんだ、ゴメン。
「はぁー……ラルフ来いラルフ来いラルフ来い来い来い来い…こ~いこいこい、こいこいこい♪みーなでって~こいこいこい♪」
なんだっけ、コレ。
小さい頃、母さんが歌ってくれたんだけど…
「あ…ミライ、もう登録終わっ…………すまん、忘れ物g」
「逃がすかこの野郎ぉおおお……っ!!頼む一緒に居てくれっ!!」
「ぅ…ま、まあ、2人ならまだ、マシ…か。」
その後、詩音と姉ちゃんからの困る質問全3問に、2人でどうにか答え……
「ごめんごめん、待った?あ、ラルフも合流してたんだ!」
「「……大丈夫。」」
「すみません、未來くん…レナさんのお洋服、そこそこ重く成っちゃって…その…」
「持つよもうっ!そうなるだろうと、思ってたよ!」
「……半分俺が持つ。1人はミライでもキツイだろ。」
「あ、じゃあお姉ちゃんのも、お願いしていい?」
「姉ちゃん、アイテムボックスあるよね?!」
テンプレ通り、荷物持ちまですることになった。
男の宿命ってやつなんだろーか。
箱が光ったところで取り出すと、『冒険者・D』と刻印されてる横に『料理人・B』とある。
え、いきなりBランっすか?
「制度は基本的に、冒険者ギルドと、あまりかわりません。ただ、商業ギルドでの評価基準は、大きく『ギルドへの貢献度』と『顧客満足度』の二種類です。」
へぇ。顧客満足度かぁ。
確かに、そこ大事だよね。
「ギルドへの貢献は、今登録したレシピとかってこと?顧客満足度ってのは…実際お客様に食べてもらって、喜んでくれたかどうか?」
「はい。本来、冒険者ギルドと同様に、Bランク以上へ上がるには試験も必要なのですが…此方のご紹介状の中に、シルフィード伯爵家からの推薦状が御座いました。顧客満足度の評価として、かなりの点数になりますよ。不平を言いそうな、他の料理人達を黙らせるには、充分です。」
「マジっすか…!」
出してくれたのは、領主様かな?
対抗ラルフ、次いでアンジュちゃん…大穴でお兄さんって可能性もあるけど。
奥方様は絶対無い。
「あとは…職種について、簡単にご説明致しましょうか?」
「あ、おねがいしまーす。」
「畏まりました。職種の分類があるのは、主に『職人』と言われる職業です。先程出た器職人に鍋職人の他、大工や鍛冶師に治療師…料理人と近いモノでは、菓子職人などもあります。」
「お姉ちゃん、実はSランクの菓子職人なんだよ~♪」
「スゲーな、姉ちゃん!」
「他にもありますが…簡単に言うと手に職系は区別があり、それ以外は『商人』と一纏めにされているのです。」
成る程。
……じゃあ、ガルヴァ兄ちゃん、マジで職業『商人』なんだ…………。
「あの…料理人が受けるクエストなども、あるのですか?」
「はい。1階の受付に言っていただければ、お仕事をご紹介致します。料理人ですと…Fランクの方にご紹介できるのは食器洗いや、厨房の掃除などです。Eランクで食材を切る工程の手伝い、Dランクでは焼く,煮るなどの工程が一般的ですね。Cランクでは1品料理を作って欲しい、などが多いでしょうか。」
……板前さんの修行工程?
「今回のお茶会も、当ギルドでBランクの、指名依頼クエストとして扱うことになりました。」
「本来Cくらいの案件だけど、相手が貴族だから格上げされたってとこだね。他のBランククエストは、コース料理頼まれたり、創作料理のアドバイス求められたりするかなぁ。」
ふむふむ。
…創作はいいとして…コース料理は難しい、かな……。
「Aランクに上がると、お城の厨房入れてもらえたり…そのまま、引き抜きかけられたりね。」
「へぇ~。因みにSランクは?」
「貴族や王家から、直接指名依頼が来たりします。主に夜会,晩餐会の料理を注文されますね。」
わお、ぜってー無理。
少なくとも今は。
「それから…店を持っている場合は、Cランクに成ると、専用の証書を飾ることができるようになります。ランクアップする毎に、新しい証書が贈られますよ。」
「証書?」
「お店の信頼度を、具体的に示すためのものだと思いますよ。」
「その通りです。ミライさんも、お店を出すことになられましたら、その時にお渡し致しますので。」
ミシュ●ンの、星みてーなもんかな?
「ミライは、料理の腕だけならA~Sレベルだと思うよ。私も色々食べたいもん。後でお姉ちゃんと、何か作ろうね~♪」
「ティナさんのお墨付きなら、ランクアップも早そうですね。」
「んー、まあ気長に気ままに、頑張るよ。」
…帰ったら少し、レシピ書こうかなぁ。
───────
無事に登録を終えて、1階の売り場に降りてきた。
レナさん達は、まだもう少しかかりそうだ。
「…誰か此方来てくんないかなぁ……。」
詩音も小梅も時雨も姉ちゃんも、嬉々として服選びに参戦しちゃった。
若葉と陽向も、意外と楽しそうにしてる。
…道連れ来ないかなぁ~……。
「未來くん、男性の意見も知りたいのですが…このブラウスには此方のリボン派ですか?それとも此方でしょうか?」
いやいやいやいや、お前も男性だろ!
感性は女子ですってか?!
えっと、白いブラウスに、紺のリボンか濃いピンクのリボンか?
「…んーーーー…俺が好きなのは、紺かなぁ。」
「あー、無難なのはそっちですよねぇ。ただ、レナさんに合わせるとなると、赤系の方が…」
じゃあ聞くんじゃねぇぇえええええ!!
…という叫びは、心の内に留めといて……
「ソッカー、オレソーユーノワカンネーワ。」
「…桜を練り込んだパンケーキに添えるなら、イチゴですか?ブルーベリーですか?」
「その2択ならイチゴだな…ホイップクリームも乗せたい。俺のおすすめは、つぶ餡と白玉だけど。」
「似たような感じで、考えてみてください。」
「俺の美的センス、料理以外はポンコツなの解ってるよな?!」
美術の成績2だぞ?!
評価されてんの、独創性と意欲だけって知ってるよな?!なぁ?!
「レナさんをパンケーキと考えて、トッピングにブラウスを足してください。さて、更にブラウスへ付け足すトッピングは?」
「待って、その例え俺の頭じゃ理解できない!」
あー、うー……ココア生地に、ホワイトチョコレート…?
映えるのはイチゴだけど、赤すぎるとイチゴばっか目が行くから……
「……暗めのラズベリーは?」
「ラズベリーと言いますと…コレとかでしょうか?」
「そーそー、そんくらいの。ワインレッドっぽいやつ。」
「ありがとうございます!レナさんにお見せして来ますね!」
来なくていいから、後はそっちで決めてくれぃ。
取り敢えず…正解に近い答え出せて良かった。
「ねぇねぇ、ミライ。」
「今度は姉ちゃん?どしたの。」
「コウメちゃんが、ミライの色のピアスしてるじゃない?それ見て、レナちゃんに、青い小物選んであげようかな~って、思ったんだけど~。」
「あー、あの2人両思いっぽいしな。良いんでない?」
「男の子的に、好きな子が何処に自分の色着けてたら嬉しい?」
「はいっ!?」
また、難しい質問来たなおい。
詩音に聞いてくれ、詩音に。
「シオンちゃん、感性此方寄りなんだもん。」
「くっ…見た目も中身も可愛いからなアイツ…!」
うぉぉ…なんて答えりゃ良いんだコレは…!
「……末端?」
「末端って言うと…指先とか?」
「うん。耳とか指とかに、さりげな~く…『あっ、こんなとこに俺の色あった!』って、会って暫くしてから気付くくらいの、さりげなさで。」
「成る程~、それは嬉しいかもね!ありがと、ミライ♪」
おぅ?!
…姉ちゃん、オデコにチューしてった。
別に嫌じゃないし、可愛がられてるだけなんだろーけど。
小梅、今のは不可抗力なんだ、ゴメン。
「はぁー……ラルフ来いラルフ来いラルフ来い来い来い来い…こ~いこいこい、こいこいこい♪みーなでって~こいこいこい♪」
なんだっけ、コレ。
小さい頃、母さんが歌ってくれたんだけど…
「あ…ミライ、もう登録終わっ…………すまん、忘れ物g」
「逃がすかこの野郎ぉおおお……っ!!頼む一緒に居てくれっ!!」
「ぅ…ま、まあ、2人ならまだ、マシ…か。」
その後、詩音と姉ちゃんからの困る質問全3問に、2人でどうにか答え……
「ごめんごめん、待った?あ、ラルフも合流してたんだ!」
「「……大丈夫。」」
「すみません、未來くん…レナさんのお洋服、そこそこ重く成っちゃって…その…」
「持つよもうっ!そうなるだろうと、思ってたよ!」
「……半分俺が持つ。1人はミライでもキツイだろ。」
「あ、じゃあお姉ちゃんのも、お願いしていい?」
「姉ちゃん、アイテムボックスあるよね?!」
テンプレ通り、荷物持ちまですることになった。
男の宿命ってやつなんだろーか。
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