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ビビりとモフモフ、冒険開始

人をダメにするクジラ

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満場一致で、引き取ることになったクジラちゃんは、ずっと詩音にまとわりついている。
コレはもう、テイム済みか…?

『お姉ちゃん、好き~♪』
「お兄ちゃんですよ~?」
『お姉ちゃん♪』
「……後でリボンを外してから、言ってみたらどうだ?」
「……一か八か、そうします…。」
「え~、取っちゃうのかい?可愛くしたのに。」
「セティちゃん、男の子にリボン付けっぱは酷だよ?」
「そういう趣味だってんなら、止めねぇが…。」

あ、クジラちゃん、詩音の髪ハムハムしてる。
甘えてんのかな?

「ちょっとゴメンな、クジラちゃん。《鑑定》!」


『モンスター クラウドホエール』
 名前 名付け無し
 性別 ♀
 年齢 1歳
 従属 シオン・ユヅキ


仕事早いな詩音。
テイムに関しては、何時完了してんのか、全く解らん。


「詩音、この子の首輪あったっけ?」
「あ、テイム済みでした?ありますよ。」
「ホエール種は首が無いから、尻尾かヒレに着けることが多いよ。」
「では、尻尾にしましょうか。」

……どーやって着けるのコレ?

「えーと…小さくなれますか?」
『成れるよ~♪』

あー、そういや水分量で、大きさ変わるんだっけ。
……え?寧ろ膨らんでないか?

『『『わぁ~♪』』』
「「わぁあああっ?!」」

15体くらいに分裂したぁあああっ?!

「慌てんじゃねぇ、落ち着け。」
「『分裂』は、クラウドホエールや、スライムの基本的なスキルだ。…俺も、クラウドホエールの分裂は、初めて見たけどな。」
「へ、へぇ……」
『小さく成ったよ~。』
『コレでいい?』
『誉めて誉めて~♪』
「あ、ありがとうございます…凄いですね…!えっと……どの子に着ければ良いでしょうか…?」
『本体、私~♪』
「そ、そうなん、ですか?では、首輪を着けますからね。」
『わぁーい♪』

1体の尻尾に首輪が着けられると、分裂した子達が集まって、また馬車を引けそうな大きさの、1個体に戻った。
分裂したり、融合したり…本当に雲みたいだ。

「名前は、またミライか?」
「そうですね!未來くん、お願いします♪」
「お、いいの?」

何が良いかね~。皆、和名だからなぁ。
和風な名前で…白くてフワフワ……

『総長さんで、大丈夫です?きっとまた、おふざけするですよ?』
『おふざけ?…じんぎすか?』
『そういえば、エシャロットって何?』
「お2人共、そこはお気になさらず…。心配しなくて、大丈夫ですよ。」

エシャロットは兎も角、陽向にジンギスカンの意味は教えられねぇな。
んー…しっかし、この子もうどう見ても……

「…わたあ」
「おかしな名前にしようとしたら、私の水属性魔法がうなるだけです。」
「mゲホッゴホッ?!」

あっぶね!自らドロ●ン喰らいに行くところだった!

「し、詩音…?何その笑顔怖いんだけど…何で杖ペチペチしてんの…?」
「…フフフ♪うなるだけで~~~すよ♪」
「バーサク兎芥●か●しちゃんヤメロ…!!」

お前がやると、怖さ倍増なんだよ!
なんか、白兎っぽいから!

「わかったよ、真面目に考えるって。」
「食べ物とポケ●ンは、無しで~~すよ。」
「モノマネまだ続けんの?!」
「ちゃんと考えないと、背中に芥子味噌塗ります。」
「ヤメロクダサイ。」

詩音は意外と、やると言ったらマジでやる。
こ、ここはやっぱり、匂いで…!
失礼しまーす…

ふかぁ…っ

「…………詩音、大変だ。この子の感触、人をダメにするアレだ。」
「そうなんですよ。さっきから、倒れこみたくて仕方ないんです。」
『乗る~?』
「人をダメにする…?………コレは…確かに全身で沈みたい…!」
「そんなにかい?…………ベッドにしたくなるねぇ。探して1体テイムしようかな…」
「わ、フッカフカ!ルゥ、この手触り凄いよ!」
「ふわぁぁ…何ですかこの柔らかさ…!」
「すごーい!この子の上で、お昼寝したい!」
「確かに、持った時フッカフカしてたな。」

い、いかん!全員ダメになる前に考えねば!
うーん、この匂いは……雨?
少し冷たい雨の匂い。
そういや、さっき分裂した時…なんというか『降ってきた』って感じだったんだよなぁ。
梅雨…ってほどの雨じゃない。
こう、降ったり止んだりするような…

「『時雨しぐれ』…でどうだ?あ、煮物じゃねーぞ?!」
「解ってますよw時雨ちゃん、良いですね!」

よっしゃ!
コレでドロ●ン回避ぃ!

『シグレ~?』
「おう。時雨、よろしくな。」
『時雨ちゃん、小梅です。よろしくなのです。』
『お兄ちゃん、コウメちゃん、よろしく♪』
『ボク、ヒナタ~!』
『ワカバだよ!』
『わぁーい、よろしく~♪』

うんうん、仲良くなれそうだ。
善きかな善きかな。

『時雨ちゃん、1つだけ言っておくです。』
『なぁに?』
『総長さんは、小梅の番なのです。甘えるのは良いですが、あんまりベッタリは、ダメなのです。』
『うん、わかったぁ!』

女の子来たから、牽制しとるw
そんな事せんでも、詩音にベッタリなのにね?
右前肢ピッと突きつけて、可愛いなぁw

『総長さんもですよっ!』
「え、俺?」
『ナデナデ、モフモフは良いです。でも、チューは小梅だけなのです!』
「イエスマァームッ!!」

あーーーっ!嫁が可愛いよぉー!

「…ミライ、今のスピードを兄弟喧嘩でも出せたら、お兄ちゃんから逃げ切れるかもよ。」
「俺でも追えねぇ速度で抱き上げて、よく怪我させねぇな。」
「マジ?俺今、そんな速かった?」
「愛の力、というやつかな?w」

───────
──────

さてさて、今回は忘れない内に

「時雨のステータス、確認してもいいかな?」
『いいよ~。』
「ありがとうございます。では、《ステータス》!」

成体はワイバーンでも落とすらしいけど…どんなんかな~♪


☆☆☆☆☆
【ステータス】

名前  シグレ(時雨)
年齢  1歳
性別  ♀
種族  クラウドホエール Lv17
状態  健康,水量7分目

HP  2800
MP  300
攻撃力  510
防御力  140
魔攻力  600
魔防力  370
魔回力  0
運  99999

称号:未來の家族,詩音の家族,創造神の寵愛,お仕え鯨,人をダメにするクジラ,はぐれホエール,天衣無縫

ユニークスキル:青天之霹靂せいてんのへきれき

スキル:浮遊,水泳,水属性魔法,雷属性魔法,帯電,分裂,融合,すり抜け回避,濃霧

耐性:病気無効,毒無効,水属性吸収(HP,水量増加),雷属性吸収(反射)


☆☆☆☆☆


「人をダメにするクジラて、シェープ様…!」

俺の『魔性の毛並み』に次ぐ、謎称号(人災)付けないであげて…!
言っちゃったの俺だけど!
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