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ビビりとモフモフ、冒険開始

お見舞いと薬草収集

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やたら大慌てだった2人をどうにか宥めて、ロゥミアさんにも紹介した。
あの慌て様…ラルフもレナさんも、なんて聞いて此処に……
いや、待て。よく考えたら、小梅と会話できないよね?
…どうやって伝えたの小梅?
斬られて倒れるジェスチャーでもした?

「…2人の中で、俺そんなヤバい状況だったの?」
「ええ。てっきりベッドで、グッタリしてるものだと思ってたわ。」
「手術したって聞いたからな。普通に起きていて、驚いたぞ。」
「聞いたって、小梅から?…どうやって?」
『紙に書いたのです♪』

紙に?

「コレだ。」
「どれどれ。」

『そうちょうさん きられておおけが しゅじゅつした りょうようちゅう』

…嘘は書いてない…書いてないけど……!
コレは心配させるわ!
ってか、てっきりイラストかと思ったら、小梅文字書けんの?!

『おねーちゃん、じょーず!』
「読めるのは知っていましたが、書くこともできるんですね!」
『頑張ったのです!』
「うん…純粋にスゲーよ、よく頑張ったな。」

撫でると、尻尾が腕に巻き付いてくる。
そんな可愛いことされると、放し難くなっちゃうんだが。

「お見舞いに、ママがマンドラゴラの滋養強壮薬持たせてくれたの。元気そうだけど、一応渡しておくわ。」
「「マンドラゴラ?!」ですか?!」

あの、悲鳴聞いたら死ぬ有名なやつ?!
薬になるんだ…ってか、実在するんだぁ……

「何を驚いてる、一般的な薬だぞ?マンドラゴラ自体は、珍しいけどな。」
「そ、そうなんですか……その辺に居られても、怖いですけど…。」
「マンドラゴラは、成長するのに濃い障気が必要でな。家の次男でも栽培に難儀して、最終的に専用の亜空間を作った程育てにくいのだ。」
「デイヴィーさんも、植物栽培で苦労する事あるんだ…。」

一晩で更地を森にする人がなぁ……。
スッゲー意外。

「野生だと、魔族の国の森に生息していますよ。マンドラゴラの滋養強壮薬は、主に魔族の国からの輸出品です。」
「魔族の国ですか。」
「行ってみたいな~♪」

たぶん、レヴァンさんの故郷だよね?

「俺からは、ホワイトアップルとブラッドベリーを。栄養価が高くて、病み上がりにいいらしい。」
「おお、美味しそう!ありがと!」

わーい、見たこと無い真っ白なリンゴと、俺の毛色に近い色のベリーだ~♪
何か作ろうかなぁ~でも、今日は料理とかしたら怒られるかな?

『りんごー♪』
「待て待て、まだダメな?後で皆で食べよう。」
『わかったー♪』
「ウフフwヒナタくん、リンゴが好きなのですね♪」

とりあえず、詩音に預けるか。
陽向は食べ盛りなのかねぇ。

「ね、ミライくん思ってたより元気そうだし、簡単な依頼ちょっとやってみない?」
「依頼?」
「薬草採集の依頼は、常時出ていて冒険者なら誰でも受注できるの。受付要らずで、ギルドが開いてる時なら何時持ち込んでもいいのよ。」
「薬草採集ですか…この村周辺で、できますかね?」
「ええ。できると思いますよ。」
「依頼内容は、栄養補給ができるフィールドグラスと、下級の毒消しになるハートリーフだ。少し森に入れば、そこら中にある。」
『フィールドグラス、要るのです?いっぱいあるですよ!』
「ん?…おお?!小梅、そんなに葉っぱ、どこに隠し持ってたの?」
『砂に入れてたのです。』

砂に…その割りには、新鮮そうだ。

「おや、育ててみたのか。」
『コレで階段を安全にしたのです♪』
「か、階段ですか?」
『ひろいぐい、ダメなやつ!』

草で階段を安全に?
どういうことだろ…後で詳しく聞いてみよ。
あと、拾い食いは、その草じゃなくてもダメだからな?

「フィールドグラス…こんなに大きいの沢山、どうしたの?」
「昨日育てたみたいです。」
「育てた……?まあ、お前らの猫だしな…状態もそれなりに良いな。これだけあるなら、探すのはハートリーフだけでいいか。」

一種類だけか、更に難易度下がったね。
一応、保護者に了承は取るかな…

「ディアさん、薬草探し行ってもいい?」
「そうだな…決して走らないことと、戦闘になっても参加しないことを約束できるか?」
「ん、頑張る。」
「頑張るような事ですか…?」

だって、俺的には充分元気だし。
森に入ったら、駆け回りたくなる可能性もあるからさぁ。

「あと、攻撃魔法は、まだ使わないことだ。明日から扱いを教えてやろう。」
「わかった。」
「そうそう、あまり遠くへは行くな。この森は奥へ行くとベア種の巣窟だ。君が負ける相手ではないが、囲まれれば怪我をしない保証は無い。それと…」
「ま、待って待って!まだあんの?!」

もー…ディアさんも心配性っていうか、過保護っていうか…
シェープ様のこと言えないよ?

「コレで最後だ。体に違和感や不調を感じたら、コウメの空間転移ですぐに戻ること。その時はベッドに運ぶから、諦めて寝なさい。」
「えー!」
「えー、じゃない。君は元気なつもりだろうが、体には相応に負担が掛かっているのだ。無理をして倒れなどしたら、布団に縛り付けるぞ。」
「ぅー…。」

マジで縛られかねない…ってか、陽向の強制睡眠やられそう。
あぅ、ほっぺむにってすんの、やめてぇ~!

「約束だからな?」
「わ、わひゃっはふぁやぁ解ったから~!」
「よし。」

ふぃ~、放してくれた。
ディアさんの、お父さん度が増してる気がする…

「気を付けて行くんですよ?」
「うん、行ってくる。」
「シオンくん、ラルフくん、レナちゃん、ミライをお願いしますね。」
「はい!」
「任せてくれ。」
「しっかり護りますね!」

…そういや、ロゥミアさん俺だけ呼び捨て……?
マジでお母さんポジ狙ってんのかな。

まあいいや、出発~!

「コウメとヒナタは、ミライの警護に付いてくれ。」
『お任せなのです♪』
『がんばるー!』
「警護て。」

そこまでしなくても…ちゃんと大人しくするってば。

「ハートリーフの見分けは、アタシとラルフで教えるからね♪」
「よろしくお願いします。」
『小梅も解るですよ♪』
「お、頼もしいね!」
『おいしーはっぱ、あるかなー?』
「…ヒナタに、その辺の草は食べさせない方がいいよな?」
「勿論です。」
「抱っこしとくわ。」

ラルフ、だんだん羊語理解してきてない?
動物愛の成せる技かな。

「ちょっと柵越えると、いきなり森っていいね。」
「そうか?」
「私達の故郷も、これくらい森が近かったので。」
「へぇ…ミライくんはわかるけど、シオンちゃんも森が近い方がいいの?」
「この方が、馴れてはいるので。」

奥へ行けば熊が居るとか、まんま俺らの村の辺りだよねw
『熊出没立入禁止』なんてフェンス無いだろうから、気を付けないと。

「お、綺麗な花咲いてる!バラかな?」
「不用意に触るなよ、ミライ。食人植物モンスターなんかは、綺麗な花を咲かせて人を誘き寄せるからな。」
「マジか、小梅アレ鑑定できる?」
『はいなのです。アレは、ポールローズです。5メートル以上まで育つお花です。』
「モンスターでは、ないんですね?」
『触っても大丈夫です。でも、トゲトゲに気を付けるのです。』

へぇ~、5メートル以上育つバラかぁ。
そんなんあるんだねぇ。

『そこのキノコは、モンスターなのです。胞子に気を付けるです。』
「キノコ?」
『キノコー?』
「どうしたミライ?」
「小梅が、キノコのモンスターが居るって言うんだけど…………」
「キノコモンスター?どこ?」
「み、見当たりませんが…」

…ん?足元に何か……

『ムー』
「…居た。」

可愛い顔した、足と手があるキノコ発見。
えーと……食材にしてもいいのかな?←
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