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ビビりとモフモフ、冒険開始

猫と羊のお仕置き部隊

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※小梅視点です

『わぁ~!』
『ひなくんっ!?』

あわわわっ!
ひなくんが、階段で滑ったのです!
ポヨンポヨンって、跳ねながら落ちて行くです!

『受け止めるのですっ!』

砂で大きな手を作って、ひなくんが跳ねた所でゲットです!

『びっくりしたぁ~……!』
『ひなくん、お怪我無いですか?』 
『ん、けがしてない!コウメおねーちゃん、ありがと~♪』

ふぅ…お怪我が無いなら、良かったです。
きっと、フカフカな綿毛のお陰ですね。

シッカリしないとです。
小梅はひなくんの、お姉ちゃんなのです!

『小梅、肉球で滑らないから、忘れてたです。スベスベ石の床は、蹄だと滑るです。』
『ツルツルで、あるくのむずかしいの。』

只でさえ滑るスベスベ石を、こんなに磨いたのは誰ですか!
綺麗は大事ですが、危ないのです!
とりあえず、今は砂で階段を埋めて、坂を作るです。
下に小さなお山を作れば、転げ落ちても安全なのです。

『ゆっくり行くのです。下に着いたら、赤い所を歩くです。』
『はーい。』

あの赤いの、きっとカーペットっていう、滑らないやつです。
階段にも、同じの付けることを、おすすめするです。

『わーい、したついた!』
『やれやれです。この階段、このままだと死人を出すのです。』

仕方ないですね。
小梅の力で、擬似的にカーペット作ってあげるです。

『えっと、ディーさんから貰った種子が…あったのです♪』

フィールドグラスっていう、その辺の草原にある、一般的な野草の種子です。
苦いですけど、人も食べれる植物なのです。

しおちゃんが作ってくれたお洋服、ポケットが沢山あって、其々小梅の顔くらいの物なら入るのです。

『それなぁに?どーするの?』
『階段に、草原を作るのです。』
『そーげん!』

砂に種子を満遍なく混ぜて、薄く階段を覆うように伸ばすです。

『植物さん、成長するのです!』

植物育成のスキルで、種子から一気に成長させたです。
……しおちゃんの身長くらいまで、ぐーんと伸びたのです。
伸びすぎなのです!切り揃えるです!

『わぁ~♪』
『んっと…鉄鉱石があるです!』
『てっこせき?』
『人間は、コレで武器とか作るのです。』
『へぇ~。』

鉄鉱石を砂で磨いて、少し不恰好ですが、ナイフの刃みたいにできたのです。
フィールドグラスなら、充分切れるです。
砂で水平に支えて、段毎に切るのです。
スパパパパー♪

あ、誰か此方に来たのです。
執事さんですか?

「おや、これはこれは…」
『こんばんわです。』
『こんばんわー!』

ピシッとしたお洋服の、おじさんなのです。
調度切り終えたので、危ない鉄鉱石はしまうです。

「なんと前衛的な階段…以前より上り下りが格段に安全そうな…って、感心してる場合か!何てことをしてくれるんだ、駄猫に駄羊ぃいいいい!!」
『捕獲なのです!』
「のわぁーっ?!」

ビックリしたです。
ノリツッコミから、急に襲ってきたのです。
危うく、砂でプチッてするところですよ。
脅かすのは、辞めてほしいのです。

「く、この…っ!」
『ひなくん、お仕置きです!』
『おしおきー!』

ひなくんの目が光ると、すぐにおじさんは寝てしまったのです。

『鳥さんが鳴くまで、お休みなさいです!』
『なくまで、おやすみっ!』

ひなくんは黒い毛になって、ペシペシおじさんの頭を叩いたです。
おじさんが魘され出したので、お仕置きはコレで完了ですが…床で寝かせとくと、風邪をひくのです。
…そうです!
砂の中は暖かいのです。
お顔だけ出して、包んであげるです。

『コレで風邪ひかないです。次は、お金使っちゃうお嫁さんです!』
『おー!』

お嫁さんは、2階なのです。
上りやすくなった階段で、安全に行くのです♪

『コウメおねーちゃん。おちてるはっぱ、たべていい?』
『拾い食いはダメですよ。ひなくん用に、フワリの葉があるので、此方を食べるのです。』
『わーい♪』

ひなくん、食いしん坊なのです。
切って落ちた葉っぱさんは…砂で運ぶです。
何かに使えるかもなのです。

『ウィリアムさんへの懲罰完了を確認。これより、安全領域まで護送を開始します。』
『わっ…ゴーレムさん、お疲れ様なのです!』
『おつかれー!』
『個体識別…コウメ様、ヒナタ様。ここはお任せください。』
『解ったのです。お任せするです。』
『がんばってね~!』

わぁ、凄いです!
おじさんを、軽々運んで行っちゃったのです!

『コウメおねーちゃん、どっちー?』
『此方なのです。…ドアの向こうに、お嫁さんが居るのです。』

コレは…渡り廊下っていうのだと思うです。
ドアを開けないと、進めないのです。

小梅は、最近また賢くなったです。
ドアの仕組み、ちょっと解るのです。
丸い出っ張りを右に90度くらい回すと、突っかかりが引っ込むです。
この蝶番の感じだと…こっち側に開くです。

『…砂なら、下の隙間通れるです。』

解ったのです!
小梅が出っ張りを回して、砂で向こうから押せば開けれるのです!

『えいっ!…開いたのです♪』
『おねーちゃん、すごーい!』

さあ、どんどん行くですよ!

───────

※金遣い荒い嫁視点

あぁ…もう嫌っ!なんなのよ!
さっきの物音、結局何も無かったって旦那様は言ってたけど、なら幽霊でも居るわけ?!
外では神兵と鳥の化け物が大騒ぎしてるし、執事もメイドも来ないし、旦那様は暗くてジメジメしてる地下室逃げ込んじゃうしっ!!
あの鳥…屋敷壊したりしないわよね……?

「ぅ~……なんでこんな事に…」

屋敷でこんな事件が起きたなんて、世間の信用がた落ちよっ!
只でさえ、最近商売が上手くいかないのに!

こ、こうなったら、旦那様と一緒に、私の実家に匿ってもらう?
貧乏男爵家だけど、宝石とか持てるだけ持って行けば、当面は面倒見てもらえるハズ…!
我が儘言って買ってもらった、高価なドレスも…こんな体じゃ着れないから、一部は売って何着かお母様への手土産にしましょう。
私と旦那様の命には変えられないわ。
あの妙に豪華な杖なんかも、売りに出せば相当な値がつくだろうし…うん、悪いようにはされないわね!

私たちは一文無しになるけど…暫くは昔みたいに、庶民に溶け込んでどうにか稼げばいいわ。
大丈夫よ、私だって結婚前は食堂で働いてたんだし…あの頃ファルおばさんに教えてもらった、料理のレシピだって覚えてる。
当分我慢して、ほとぼりが冷めたら商会の復興を…

ギィ………

「ひっ……?!」

ど、ドアが…開く……!
ノックしないってことは、執事?
でも、こんなゆっくり開けたりしないハズ…

『めー』
「…………え?」
『にゃーん』
「…え、えっ?!」

な、何この可愛い子達…
変な服…でも、そこがまた良いって言うか…
そんな場合じゃ無いのに、和むんだけど……。

『にゃー!』
『めー!』
「きゃっ?!な、なになになに?!」

砂が巻き付いてきて…!
何よコレぇっ?!

『めー!』
「きゃぁああああっ?!」

黒い羊の目が怪しく光ると、私はそのまま、気を失った。

───────

※小梅視点

『お仕事、完了です!』
『かんりょー!』

ひなくんと、ハイタッチなのです♪

お嫁さんは、調度ベッドに倒れたのです。
大きなお嫁さんです…ブラックベアかと思ったのです。
風邪をひいたらダメなので、お布団かけてあげるです。

『奥様への懲罰完了を確認。これより、安全領域まで護送を開始します。』
『ゴーレムさん、お願いするのです♪』
『おねがいするの~♪』
『お任せください。』

ふぅ…後は、総長さん達か、ディーさんのお手伝いですね。
ディーさんはお外です。窓から見るのです。

『ひゃっ…!コウメおねーちゃん、おっきなとりさん!』
『グリフォンです!凄く怒ってるです!』

ディーさん、あんなに大きなの相手して、大丈夫なのです?
えーと…………

『わぁ…………神兵さん達、死屍累々なのです……。』
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