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ビビりとモフモフ、冒険開始
明日に備えてギリまで遊ぼう
しおりを挟むピロン♪
『コカトリスの手羽先トマト煮込み』のレシピを記憶しました。
『ジャガイモのビシソワーズ』のレシピを記憶しました。
……ビシソワーズ?
やっぱ、ビシソワーズなんだ?
「ビシソワーズなんて、久々に食べました!」
『冷たいスープ、美味しいです♪』
『ジャガイモ、とろとろ~♪』
「ファルさん、このスープ俺らの故郷にもあったよ!」
「おや、そうなのかい?ソレは、ディアドルフさんが作ってくれたんだよ。」
「へぇ~」
「そうなんですか。ディアドルフさんが……」
「…………マジでっ?!」
「本当ですか?!」
嘘だぁー?!
絶対亭主関白だろうし、家事とかできなさそうなのに!
「そんなに意外かね。」
「意外っつーか、ディアさんが家事してるイメージができない。」
「家ではそれなりにするぞ?子供が小さい内など、生活費は貯金を崩して、家事と子育てを妻と日替わり交代でやっていた。」
ああ、ディアさんの稼ぎなら、それでも余裕で生活できるよね。
何なのこの人。
イケメンで億単位の稼ぎがあって、更にスパダリ?2次元か。2次元の住人なのか。
イケメン爆発しろ、どうせイオナ●ンやマダ●テくらいじゃ、死なないしょ?
「奥さん、助かったでしょうね。」
『ディーさん、何でもできるのです!』
「はっはっはっw何でもではないさ。できないこともある。」
「例えば?」
「流石に、時を戻すことはできないな。未來視と、遠視もできん。」
『そうなんだー。』
成る程。
バイツァダ●トで過去に戻ったり、エピ●フ使って先を見たり、ハーミットパー●ルでガシャンして、「貴様見ているな」と言わせたりはできないと。
「ご馳走さまでした!」
「ご馳走さま~、なんか悔しいなぁ。料理だけは、ディアさんに勝てると思ってた。」
「何を言うか。日頃から作っている君の方が、レシピも豊富で上手いに決まってるだろう。」
『総長さんのご飯は、世界一です!』
『おにーちゃんのおりょーり、だいすきー!』
「そ、そう?いやぁ、そう言われると照れるなw」
「大丈夫です、未來くん。料理もそうですが、可愛さでも、間違い無く大勝利ですよ!」
「喧嘩売ってんのかおい。」
同性内可愛さランキングなら、人間部門優勝者はお前だろ。
動物込みなら陽向。
───────
夕飯の後は風呂へ直行。
狼に戻ると同時に、身体制御で仔犬サイズになった。
火属性の俺は、果たして泳げるんだろーかって疑問を解消しようと思ってね。
まあ、その前に
「未來くん、待ってくださーい!」
『ぜってーヤダ!俺に酷いことするつもりだろ、エロ同人みたいにぃー!』
「そんなことしませんから!せめて、せめて抱っこだけでもー!」
俺を「ハスキー犬のぬいぐるみ」と称し、モフりたいゲージが振り切れた詩音を、どうにかせねば!
「お願いします!その可愛いぬいぐるみフォルムで、モフらせてください!」
『お前のモフりに付き合ってたら、風呂入るの遅くなるからダメっ!』
「そこをなんとかぁ~!」
詩音との鬼ごっこが、こんなに長引いたことがコレまでにあっただろうか。
チートステータスのお陰だな。
元の世界なら、今頃詩音がゼーハーしながら倒れてる。
いつもの速度でチョロチョロ動いてるから、捕まりはしないけど…短い脚をいつもの3倍速で回転させてるもんで、そろそろ辛い。
『総長さん、まだですか?』
『しおにーちゃん、はやくー。』
「なんだ、まだ遊んでいたのか。」
『3人とも、コイツどーにかしてー!』
もう、このまま浴槽へダイブしてやろうか!
「やれやれ…おいでミライ。」
おふっ?!ディアさん、首輪掴むのヤメテ。
おえってなるから。
「存分に泳ぎたまえ。」
『ほわぁっ?!』
「あっ?!そんなちっちゃい子を投げて……!」
ポイッと放られて、湯船に頭から突っ込んだ。
ちょ、待て、俺まだ泳げるか解らないんだけど……?!
『がぼぼぼぼぼ……』
『総長さんっ!』
『おぼれたー!』
「わー?!未來くん、今助けますー!」
「おや…少々雑過ぎたか。」
すぐに引き上げて貰えたんで、風呂で溺死とかいう、サスペンスじみた死に方は免れた。
───────
救助後、まずは俺達獣3体が入ることになった。
小梅と陽向だけなら、泳ぐ練習の邪魔にならないからね。
『ふぃ~…お湯気持ちいい~。』
「浮くことはできるんですね。」
『うん。犬かき全然進めないけど。』
『総長さん、小梅の背中乗るです?』
『いや~、もうちょい練習するわ。』
ディアさんのアドバイスで、肺の中の空気を暖めたら浮けたよ。
熱い空気は上に行くらしい。気球の原理だね。
ただ、バシャバシャと犬かきに挑戦してるけど、一向に進まない。
どーすりゃいいんだろ?
小梅は泳げないから、砂で移動するらしい。
陽向は……毛がお湯吸いまくって、ペショッてしてる……!
すげー重そう…ありゃ泳ぐのは無理だな。
うーん…全力で頑張り続けてみるか。
『うぉおおおおお!!』
「面白いくらいに、進みませんねぇ。」
『ぬぐぐぐ…アダッ?!つ、つった!左後肢つった!』
「えぇぇ…!」
『だいじょうぶ?』
『あわわ、足場作るです!』
「何をしているのかね…。」
溺れる前に、小梅が砂で支えてくれた。
うむむ、準備運動を怠ったせいか…?
良い子の皆は、泳ぐ前に屈伸とアキレス腱伸ばしくらいはやろうねっ!
「揉みますよ~?」
『あだだだ…ありがと、ちょっと楽。』
『大丈夫ですか?』
『大丈夫だよー。…しっかし、どうしたもんかなぁ。』
「…いっそ、口からブレスを吐けば、後ろ向きになら進めるのではないか?」
『それだ!』
全く移動手段が無いよりは良い!
よーし、練習を…
「コラ。足つっちゃったんですから、今日はもうダメですよ。私も入りますね。」
『ぇ~…練習ぅ~!』
「私が君と一緒に入っている状態でなら、構わんぞ?直ぐに助けられる。」
『それ、練習スペース無いじゃん……。』
あと、大人の色気にやられそうなんで、慎んで遠慮しとくよ。
★★★
更新停滞して申し訳ありません。
少々仕事が修羅場りました。
今日からまた頑張ります。
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