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ビビりとモフモフ、冒険開始
YDKのやる気スイッチ
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浮かれ気分で宿に戻ると、詩音と陽向とディアさんが、1階で寛いでた。
キッチンから物音がするから、ファルさんが準備をしているんだろう。
『ただいま~♪』
『ただいまです♪』
「お帰りなさい。」
『おかえりー!』
「お帰り。デイヴィーに連れ去られたらしいな。」
『寝てる内にね。窓からギルドに運び込まれたっぽい。』
さあ、夕飯作り手伝おう!…と思っていたら
「ダメですよ、未來くん。他にやることあるでしょう?」
『え』
詩音がニコニコ満面の笑顔で、紅い羽根ペンと羊皮紙の束を渡してきた。
…レシピ書けってか……!
『……ちょっと用事が…』
「逃がしませんよ。」
『兄ちゃんの所に忘れ物…』
「小梅ちゃん、未來くん忘れ物しました?」
『してないです。』
「はい、行きますよ~。あ、背中の荷物預かりますね。」
首輪捕まえられて、ズルズルと部屋まで連行される。
何故詩音にこんな力が…輝きの杖か!
アレの攻撃力500アップ効果だな?!
『やぁーだぁー!今日は休む今日こそ休む遊ぶぅうううう!!』
「そんなこと言ってて、明日取りに来られたらどうするんですか!今日は充分遊んだでしょう!」
『ぎゃー!オカンが虐待するよー!助けてお父さーん!』
しーごーとーしーたーくーなーいぃいいいい!!
『お父さんって誰です?』
「……私かな。」
『しおにーちゃん、すごーい!』
「おやまぁ、ミライくんの遠吠えが聞こえたと思ったら、引き摺られてっちゃったのかいw」
「今日の手伝いは私がやろう。コウメとヒナタは、ミライの応援でもしてやりたまえ。」
「良いのかい?助かるよ!」
『応援するです!ひなくん、お部屋行くですよ。』
『おーえん!おーえん!』
───────
うぅ…書きやすい羽根ペンが憎い……
文書こうとすると、自動的にディーヴェルト語書いてるオート翻訳が憎い……
アホな俺でも、ちゃんと書けちゃうのが憎い……!
「つーかーれーたぁー……!もうやだー!」
「しっかりしてください。まだ1品目の途中ですよ。」
「ぅ~……俺行程言うから、詩音書いてぇぇ……」
「ダメです。未來くんのお仕事ですから。」
『がんばれ!がんばれ!』
『総長さん、頑張るです!』
ぐぬぬ、詩音がまたもロッテンマ●ヤーさんに…!
小梅と陽向という癒しが無ければ、とっくに放り出してる所だぜ……!
「大丈夫ですよ。お友達にお料理教えたりも、してたじゃありませんか。」
「アイツらは、実際見せて教えたんだよ!文で教えた経験なんかないの!」
『絵じゃダメなのです?』
「俺の美術の成績は、『独創性』の項目以外底辺だぞ。文より伝わらねぇ自信ある。」
「干支を紙粘土で作る授業で、戌年にケルベロス作ろうとした結果が、頭3つに足6本、耳が肩から1対生え、尻尾がまるで団扇のような怪物でしたからね。」
因みに、そのバケモンは何故か、当時4歳の妹に気に入られた。不思議ちゃんだから仕方ない。
そして妹から『ひのたん』という名を与えられ、爺バカなじいちゃんによって、床の間に飾られる事態になったんだ。だんだん思い出してきた。
確か、俺が高校入る頃には、日輪家の守り神的な扱いされてたな…。
終いにゃ詩音が、ひのたんのマスコット作って、俺と妹にくれたんだよなぁ……。
ストラップになってたから、通学鞄に着けてたハズ。
「…ハッ!ひのたんなら、俺でも描けるかもしれない…!」
「羊皮紙無駄にするつもりですか。」
『ひのたんです?』
『ひのたんってなぁに?』
「未來くんの妹さん曰く『にーちゃのペットで、さいきょーのモンスター』だそうです。」
「待って、美鈴そんな評価してたの?」
「4歳の頃は間違いなく。」
『ペット?』
『最強のモンスターですか……。』
なんでジト目なのかな小梅?
大丈夫だよ、ひのたんは皆の心の中にしか居ないから。
「はい、雑談はここまでです!続き頑張ってください。」
「うー…やる気がぁぁぁ……」
「もう……。…ちょっと、小梅ちゃんお手伝いお願いします。」
ん?どこ行くの?
ちょっと、俺の癒し減らさないでよ。
「陽向くん、未來くんが手を止めたら、左手を軽くモグモグしてください。」
『お手伝いですか?』
『はーい!』
「何その嫌がらせ?!」
…手が無くならないように、頑張るか。
───────
20分後
「あー…土鍋ご飯、よーやっと終わったぁ~……」
『おててとめたら、めー!』
「うおぉ…休憩すら挟ませてくれないとは……!」
陽向に左手を2~3回食われつつ、やっと1品目が書けた。
休ませてくれぃ。
ん?
何か紅茶のいい香りがする…蜂蜜シナモンミルクティー的な……
『総長さん、休憩なのです。』
「おー…小梅お帰り……?!」
『ただいまです♪お茶どうぞです。』
「あ、ありが、と……!」
紅茶入りの陶器のカップを、砂に乗せたトレイで給仕してくれた小梅は、白いエプロンに、黒のロングワンピース…所謂メイド服を着ていた。
フリルは少なめで、ゴテゴテしてない正統派のやつだ。
耳の間から覗くヘッドドレスも、シンプルで清楚な感じがする。
首輪を隠すように緩く結ばれたリボンが、また小梅によく似合う。
敢えて言おう、ドストライクだと!
「か、可愛い…!」
『あ、お触りはダメなのです。』
「何故に?!」
伸ばした手を砂に阻まれた。
目の前に、こんな可愛い猫が居るのに、触れるなと?!
『しおちゃんから伝言です。全部終わるまで、ナデナデモフモフ禁止なのです!』
……成る程。詩音、読めたぜお前の意図が…!
「…全部終われば…ナデナデもモフモフも、やっていいんだな……!」
───────
1時間後
「っしゃー!終わったぁー!どんなもんじゃー!!」
トマトソースハンバーグに、ポテトサラダのレシピも書き上げたぞ!
頑張った俺!よくやった俺!
「はい、誤字もありませんし…大丈夫ですね。お疲れ様でした。」
「も、もう良いよな?この可愛すぎるメイドさん、モフって良いんだよな?!」
「ええ、どうぞ存分に!」
「小梅ー!頑張ったよー!」
『よしよし、お疲れ様なのです♪』
『おめでとー!』
半ば飛び付くように、小梅を抱き締める。
我ながら動機が不純過ぎる上に、変態じみてるけど気にしない!
お預け喰らった分、しっかり堪能させてもらう!
「…本当にアレでやる気を出すとは。」
「未來くんの好みは、熟知してますからね!」
「しかし、嫌だ嫌だと言っていた割には、やり始めると早かったな。」
「1度のめり込んだら、集中力が物凄いんです。体力ありますし、本人は自覚ありませんがソコソコ頭も良いので。やればできる子なんですよ。」
なんでお前が誇らしげなのかは知らんが、集中力で言ったら裁縫中のお前も相当だぞ。
たぶんこのメイド服、仮縫いの段階から20分で仕上げたんだろ?
「ぁ~……頭使ったらお腹空いてきた。」
「夕飯なら、既にできてる頃だな。食べに降りるか?」
『ごはん!』
「そうですね。小梅ちゃん、お洋服どうします?」
『着て行くです!』
「解りました。汚れちゃっても、洗えば大丈夫なので気にしないでくださいね。」
『はいなのです♪』
んじゃ、このまま抱っこして行くか。
「夕飯何だろうな~?」
『楽しみです~♪』
賑わう宿の食堂にて、侍女の服を着たデザートキャットは、大注目を浴びることになるのだった。
キッチンから物音がするから、ファルさんが準備をしているんだろう。
『ただいま~♪』
『ただいまです♪』
「お帰りなさい。」
『おかえりー!』
「お帰り。デイヴィーに連れ去られたらしいな。」
『寝てる内にね。窓からギルドに運び込まれたっぽい。』
さあ、夕飯作り手伝おう!…と思っていたら
「ダメですよ、未來くん。他にやることあるでしょう?」
『え』
詩音がニコニコ満面の笑顔で、紅い羽根ペンと羊皮紙の束を渡してきた。
…レシピ書けってか……!
『……ちょっと用事が…』
「逃がしませんよ。」
『兄ちゃんの所に忘れ物…』
「小梅ちゃん、未來くん忘れ物しました?」
『してないです。』
「はい、行きますよ~。あ、背中の荷物預かりますね。」
首輪捕まえられて、ズルズルと部屋まで連行される。
何故詩音にこんな力が…輝きの杖か!
アレの攻撃力500アップ効果だな?!
『やぁーだぁー!今日は休む今日こそ休む遊ぶぅうううう!!』
「そんなこと言ってて、明日取りに来られたらどうするんですか!今日は充分遊んだでしょう!」
『ぎゃー!オカンが虐待するよー!助けてお父さーん!』
しーごーとーしーたーくーなーいぃいいいい!!
『お父さんって誰です?』
「……私かな。」
『しおにーちゃん、すごーい!』
「おやまぁ、ミライくんの遠吠えが聞こえたと思ったら、引き摺られてっちゃったのかいw」
「今日の手伝いは私がやろう。コウメとヒナタは、ミライの応援でもしてやりたまえ。」
「良いのかい?助かるよ!」
『応援するです!ひなくん、お部屋行くですよ。』
『おーえん!おーえん!』
───────
うぅ…書きやすい羽根ペンが憎い……
文書こうとすると、自動的にディーヴェルト語書いてるオート翻訳が憎い……
アホな俺でも、ちゃんと書けちゃうのが憎い……!
「つーかーれーたぁー……!もうやだー!」
「しっかりしてください。まだ1品目の途中ですよ。」
「ぅ~……俺行程言うから、詩音書いてぇぇ……」
「ダメです。未來くんのお仕事ですから。」
『がんばれ!がんばれ!』
『総長さん、頑張るです!』
ぐぬぬ、詩音がまたもロッテンマ●ヤーさんに…!
小梅と陽向という癒しが無ければ、とっくに放り出してる所だぜ……!
「大丈夫ですよ。お友達にお料理教えたりも、してたじゃありませんか。」
「アイツらは、実際見せて教えたんだよ!文で教えた経験なんかないの!」
『絵じゃダメなのです?』
「俺の美術の成績は、『独創性』の項目以外底辺だぞ。文より伝わらねぇ自信ある。」
「干支を紙粘土で作る授業で、戌年にケルベロス作ろうとした結果が、頭3つに足6本、耳が肩から1対生え、尻尾がまるで団扇のような怪物でしたからね。」
因みに、そのバケモンは何故か、当時4歳の妹に気に入られた。不思議ちゃんだから仕方ない。
そして妹から『ひのたん』という名を与えられ、爺バカなじいちゃんによって、床の間に飾られる事態になったんだ。だんだん思い出してきた。
確か、俺が高校入る頃には、日輪家の守り神的な扱いされてたな…。
終いにゃ詩音が、ひのたんのマスコット作って、俺と妹にくれたんだよなぁ……。
ストラップになってたから、通学鞄に着けてたハズ。
「…ハッ!ひのたんなら、俺でも描けるかもしれない…!」
「羊皮紙無駄にするつもりですか。」
『ひのたんです?』
『ひのたんってなぁに?』
「未來くんの妹さん曰く『にーちゃのペットで、さいきょーのモンスター』だそうです。」
「待って、美鈴そんな評価してたの?」
「4歳の頃は間違いなく。」
『ペット?』
『最強のモンスターですか……。』
なんでジト目なのかな小梅?
大丈夫だよ、ひのたんは皆の心の中にしか居ないから。
「はい、雑談はここまでです!続き頑張ってください。」
「うー…やる気がぁぁぁ……」
「もう……。…ちょっと、小梅ちゃんお手伝いお願いします。」
ん?どこ行くの?
ちょっと、俺の癒し減らさないでよ。
「陽向くん、未來くんが手を止めたら、左手を軽くモグモグしてください。」
『お手伝いですか?』
『はーい!』
「何その嫌がらせ?!」
…手が無くならないように、頑張るか。
───────
20分後
「あー…土鍋ご飯、よーやっと終わったぁ~……」
『おててとめたら、めー!』
「うおぉ…休憩すら挟ませてくれないとは……!」
陽向に左手を2~3回食われつつ、やっと1品目が書けた。
休ませてくれぃ。
ん?
何か紅茶のいい香りがする…蜂蜜シナモンミルクティー的な……
『総長さん、休憩なのです。』
「おー…小梅お帰り……?!」
『ただいまです♪お茶どうぞです。』
「あ、ありが、と……!」
紅茶入りの陶器のカップを、砂に乗せたトレイで給仕してくれた小梅は、白いエプロンに、黒のロングワンピース…所謂メイド服を着ていた。
フリルは少なめで、ゴテゴテしてない正統派のやつだ。
耳の間から覗くヘッドドレスも、シンプルで清楚な感じがする。
首輪を隠すように緩く結ばれたリボンが、また小梅によく似合う。
敢えて言おう、ドストライクだと!
「か、可愛い…!」
『あ、お触りはダメなのです。』
「何故に?!」
伸ばした手を砂に阻まれた。
目の前に、こんな可愛い猫が居るのに、触れるなと?!
『しおちゃんから伝言です。全部終わるまで、ナデナデモフモフ禁止なのです!』
……成る程。詩音、読めたぜお前の意図が…!
「…全部終われば…ナデナデもモフモフも、やっていいんだな……!」
───────
1時間後
「っしゃー!終わったぁー!どんなもんじゃー!!」
トマトソースハンバーグに、ポテトサラダのレシピも書き上げたぞ!
頑張った俺!よくやった俺!
「はい、誤字もありませんし…大丈夫ですね。お疲れ様でした。」
「も、もう良いよな?この可愛すぎるメイドさん、モフって良いんだよな?!」
「ええ、どうぞ存分に!」
「小梅ー!頑張ったよー!」
『よしよし、お疲れ様なのです♪』
『おめでとー!』
半ば飛び付くように、小梅を抱き締める。
我ながら動機が不純過ぎる上に、変態じみてるけど気にしない!
お預け喰らった分、しっかり堪能させてもらう!
「…本当にアレでやる気を出すとは。」
「未來くんの好みは、熟知してますからね!」
「しかし、嫌だ嫌だと言っていた割には、やり始めると早かったな。」
「1度のめり込んだら、集中力が物凄いんです。体力ありますし、本人は自覚ありませんがソコソコ頭も良いので。やればできる子なんですよ。」
なんでお前が誇らしげなのかは知らんが、集中力で言ったら裁縫中のお前も相当だぞ。
たぶんこのメイド服、仮縫いの段階から20分で仕上げたんだろ?
「ぁ~……頭使ったらお腹空いてきた。」
「夕飯なら、既にできてる頃だな。食べに降りるか?」
『ごはん!』
「そうですね。小梅ちゃん、お洋服どうします?」
『着て行くです!』
「解りました。汚れちゃっても、洗えば大丈夫なので気にしないでくださいね。」
『はいなのです♪』
んじゃ、このまま抱っこして行くか。
「夕飯何だろうな~?」
『楽しみです~♪』
賑わう宿の食堂にて、侍女の服を着たデザートキャットは、大注目を浴びることになるのだった。
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