71 / 117
第七章:ピエトラスの村にいる穢れた少年
7-10:可愛い嫉妬
しおりを挟む
「まず、一つ目」
「えっ、何個もあんの!」
「無理ならいいんだぞ。無理しなくて」
「無理してない!」
「まず、一つ目。俺の目の前で着替えろ。その代わり、俺が良いと言うまでシャツは着るな」
「そ、それ位なら全然平気」
希空はシャツをテーブルに置くと、ワンピースを脱ぎ、下着一枚になった。
フィディスは顎に手を当て、下から上へ舐めるように見た。希空は恥ずかしくなり、両手で前を隠した。
「前を隠すな。手は後ろで組め」
「えっ……、あ、……はい」
「色白で綺麗な肌をしているな。下着のシルクのように滑らかで、水を弾きそうだ。桃色の小さな果実も可愛らしくて、小鳥がついばみたくなるような美味しそうな形をしているな」
希空は至近距離で自分の裸をまじまじと見られ、フィディスの比喩表現に、顔から火が出そうだった。フィディスをチラ見しようとしたら、バチッと目が合ってしまった。大浴場や野営地で告白してきた時の目では無かった。完全に獲物を吟味している男の目だった。
「じゃ、次は後ろを向け」
「う、後ろもなの!」
「当たり前じゃないか」
希空は仕方なく後ろを向いた。手は前にしろと追加注文があった。見られてるのはなんとなく視線で伝わってくる。
「背中の真ん中を指で上から下へとゆっくりと滑らせたいな。腰のラインもとても素敵だ。思わず手を添えたくなるな。お前も想像してみろ。どんな感じがすると思う?」
「……く、く、くすぐったいと思います」
希空はフィディスの思う壺だとは知らず、フィディスに触られるイメージをし、体をゾクゾクッとさせた。
「尻も適度な大きさと綺麗な形。俺の手に丁度収まりそうだな。ゆっくりと撫でて、優しく揉むと、どんな感じがするんだろうな。弾力があって、手を外した瞬間、ゼリーのように可愛らしく揺れるんだろうな。お前はどう思う?」
「ど、どうって……。実際に触らないと分かりません」
「それは触ってもいいって事か? ま、触らんがな」
(ど、どうしよう! ただ見られてるだけなのに、色んなとこがキュンキュンするよぉ)
希空は吐息を漏らしながら、頬を赤くし、とろんとした目でフィディスを見た。フィディスは満更でもない表情を浮かべ、希空にシャツを着るように伝えた。
希空は緩慢な動きでシャツを着て、ソファに座った。顔というより、体が熱い。
「無防備に裸を晒すお前が悪いんだ。お前も今日、団員達と一緒に風呂に入って分かっただろ。これからは団員達が出た後に入浴するか、難しい場合は俺と入れ」
「す、すみません……」
目を潤わせ、反省の色を見せる希空に、フィディスはため息をつき、希空の元へ行くと、突然、希空を横抱きし、隣のベッドルームへ連れていき、ベッドの上に下ろした。
「最後だ。俺と添い寝しろ」
「え? なんで?」
目を点にする希空を見て、フィディスは照れくさそうに頭を掻き、頬を赤くした。
「お前、荷馬車で雫と随分と近い距離で仲良く寝ていただろう?」
「うん。ま、狭かったしね」
「雫とは……そういう関係なのか? 前いた世界からの仲なんだろ?」
「違うよ! 雫さんは良き相談相手であって、普通に友達だよ。……あっ、もしかして、雫さんに嫉妬したの?」
「馬鹿か! お、俺があの程度で嫉妬するか!」
「嘘だぁ。顔赤いもん」
いつもクールで人当たりが強いフィディスがあんな程度で嫉妬するとは思っていなかったし、いつもは見せない照れ顔が可愛くて、希空はなんだか嬉しかった。
「……いいよ。一緒に寝よ」
「いいのか!」
「交換条件なんでしょ? なんでそんな嬉しそうな顔をしてる訳?」
「万が一、お前を襲うかもしれないぞ?」
「それは無いでしょ。聖女の魔力について知ってるフィディスが僕を襲う訳無いでしょ。聖女じゃないってのは誰にも証明できないし、僕は一応、『名ばかりの聖女』だしね」
希空は素知らぬ顔でベッドへ入った。やはり、団長クラスだけあって、寝心地がいい。完全に気を抜いている希空に困惑しながら、フィディスもベッドへ入った。二人は向かい合わせになり、お互いの顔を見つめ合った。
フィディスは希空に腕を回し、体を引き寄せた。フィディスは代謝がいいのか、少しだけしっとりしていた。フィディスの汗の匂いとシャツの香りが混ざり合い、希空にとって最高の癒やしとなった。
「ねぇ、キスは良いんだよね? 要は子供作らなければいいでしょ?」
「まぁ、そうなるが……。お前はそれで足りるのか?」
「うーん、フィディスの事は六割くらい好きだから、キスなら足りるかもね」
「ろ、六割って……」
「フィディスはなんか爆発しそうだから、キスだけじゃ済まないんだろうな……」
「ああ、それは自分でも自覚している」
「じゃ、やめとこ」
フィディスは残念そうな顔をして、ため息をついた。希空はフィディスの行動が可愛過ぎて、誂いたくなった。でも、こんな自分にしょうもない嫉妬をしてくれるのは正直嬉しかった。こんなに自分の事を考えてくれる人なんて、前いた世界には居なかった。
「フィディスが運命の人なのかな?」
「ん? なんか言ったか?」
「ううん、何でもない。フィディス、おやすみなさい」
「ああ。……希空、おやすみ」
「えっ、何個もあんの!」
「無理ならいいんだぞ。無理しなくて」
「無理してない!」
「まず、一つ目。俺の目の前で着替えろ。その代わり、俺が良いと言うまでシャツは着るな」
「そ、それ位なら全然平気」
希空はシャツをテーブルに置くと、ワンピースを脱ぎ、下着一枚になった。
フィディスは顎に手を当て、下から上へ舐めるように見た。希空は恥ずかしくなり、両手で前を隠した。
「前を隠すな。手は後ろで組め」
「えっ……、あ、……はい」
「色白で綺麗な肌をしているな。下着のシルクのように滑らかで、水を弾きそうだ。桃色の小さな果実も可愛らしくて、小鳥がついばみたくなるような美味しそうな形をしているな」
希空は至近距離で自分の裸をまじまじと見られ、フィディスの比喩表現に、顔から火が出そうだった。フィディスをチラ見しようとしたら、バチッと目が合ってしまった。大浴場や野営地で告白してきた時の目では無かった。完全に獲物を吟味している男の目だった。
「じゃ、次は後ろを向け」
「う、後ろもなの!」
「当たり前じゃないか」
希空は仕方なく後ろを向いた。手は前にしろと追加注文があった。見られてるのはなんとなく視線で伝わってくる。
「背中の真ん中を指で上から下へとゆっくりと滑らせたいな。腰のラインもとても素敵だ。思わず手を添えたくなるな。お前も想像してみろ。どんな感じがすると思う?」
「……く、く、くすぐったいと思います」
希空はフィディスの思う壺だとは知らず、フィディスに触られるイメージをし、体をゾクゾクッとさせた。
「尻も適度な大きさと綺麗な形。俺の手に丁度収まりそうだな。ゆっくりと撫でて、優しく揉むと、どんな感じがするんだろうな。弾力があって、手を外した瞬間、ゼリーのように可愛らしく揺れるんだろうな。お前はどう思う?」
「ど、どうって……。実際に触らないと分かりません」
「それは触ってもいいって事か? ま、触らんがな」
(ど、どうしよう! ただ見られてるだけなのに、色んなとこがキュンキュンするよぉ)
希空は吐息を漏らしながら、頬を赤くし、とろんとした目でフィディスを見た。フィディスは満更でもない表情を浮かべ、希空にシャツを着るように伝えた。
希空は緩慢な動きでシャツを着て、ソファに座った。顔というより、体が熱い。
「無防備に裸を晒すお前が悪いんだ。お前も今日、団員達と一緒に風呂に入って分かっただろ。これからは団員達が出た後に入浴するか、難しい場合は俺と入れ」
「す、すみません……」
目を潤わせ、反省の色を見せる希空に、フィディスはため息をつき、希空の元へ行くと、突然、希空を横抱きし、隣のベッドルームへ連れていき、ベッドの上に下ろした。
「最後だ。俺と添い寝しろ」
「え? なんで?」
目を点にする希空を見て、フィディスは照れくさそうに頭を掻き、頬を赤くした。
「お前、荷馬車で雫と随分と近い距離で仲良く寝ていただろう?」
「うん。ま、狭かったしね」
「雫とは……そういう関係なのか? 前いた世界からの仲なんだろ?」
「違うよ! 雫さんは良き相談相手であって、普通に友達だよ。……あっ、もしかして、雫さんに嫉妬したの?」
「馬鹿か! お、俺があの程度で嫉妬するか!」
「嘘だぁ。顔赤いもん」
いつもクールで人当たりが強いフィディスがあんな程度で嫉妬するとは思っていなかったし、いつもは見せない照れ顔が可愛くて、希空はなんだか嬉しかった。
「……いいよ。一緒に寝よ」
「いいのか!」
「交換条件なんでしょ? なんでそんな嬉しそうな顔をしてる訳?」
「万が一、お前を襲うかもしれないぞ?」
「それは無いでしょ。聖女の魔力について知ってるフィディスが僕を襲う訳無いでしょ。聖女じゃないってのは誰にも証明できないし、僕は一応、『名ばかりの聖女』だしね」
希空は素知らぬ顔でベッドへ入った。やはり、団長クラスだけあって、寝心地がいい。完全に気を抜いている希空に困惑しながら、フィディスもベッドへ入った。二人は向かい合わせになり、お互いの顔を見つめ合った。
フィディスは希空に腕を回し、体を引き寄せた。フィディスは代謝がいいのか、少しだけしっとりしていた。フィディスの汗の匂いとシャツの香りが混ざり合い、希空にとって最高の癒やしとなった。
「ねぇ、キスは良いんだよね? 要は子供作らなければいいでしょ?」
「まぁ、そうなるが……。お前はそれで足りるのか?」
「うーん、フィディスの事は六割くらい好きだから、キスなら足りるかもね」
「ろ、六割って……」
「フィディスはなんか爆発しそうだから、キスだけじゃ済まないんだろうな……」
「ああ、それは自分でも自覚している」
「じゃ、やめとこ」
フィディスは残念そうな顔をして、ため息をついた。希空はフィディスの行動が可愛過ぎて、誂いたくなった。でも、こんな自分にしょうもない嫉妬をしてくれるのは正直嬉しかった。こんなに自分の事を考えてくれる人なんて、前いた世界には居なかった。
「フィディスが運命の人なのかな?」
「ん? なんか言ったか?」
「ううん、何でもない。フィディス、おやすみなさい」
「ああ。……希空、おやすみ」
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
【騎士とスイーツ】異世界で菓子作りに励んだらイケメン騎士と仲良くなりました
尾高志咲/しさ
BL
部活に出かけてケーキを作る予定が、高校に着いた途端に大地震?揺れと共に気がついたら異世界で、いきなり巨大な魔獣に襲われた。助けてくれたのは金髪に碧の瞳のイケメン騎士。王宮に保護された後、騎士が昼食のたびに俺のところにやってくる!
砂糖のない異世界で、得意なスイーツを作ってなんとか自立しようと頑張る高校生、ユウの物語。魔獣退治専門の騎士団に所属するジードとのじれじれ溺愛です。
🌟第10回BL小説大賞、応援していただきありがとうございました。
◇他サイト掲載中、アルファ版は一部設定変更あり。R18は※回。
🌟素敵な表紙はimoooさんが描いてくださいました。ありがとうございました!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
異世界転移したら何故か獣化してたし、俺を拾った貴族はめちゃくちゃ犬好きだった
綾里 ハスミ
BL
高校生の室谷 光彰(むろやみつあき)は、登校中に異世界転移されてしまった。転移した先で何故か光彰は獣化していた。化物扱いされ、死にかけていたところを貴族の男に拾われる。しかし、その男は重度の犬好きだった。(貴族×獣化主人公)モフモフ要素多め。
☆……エッチ警報。背後注意。
BLが蔓延る異世界に転生したので大人しく僕もボーイズラブを楽しみます~愛されチートボーイは冒険者に溺愛される~
はるはう
BL
『童貞のまま死ぬかも』
気が付くと異世界へと転生してしまった大学生、奏人(かなと)。
目を開けるとそこは、男だらけのBL世界だった。
巨根の友人から夜這い未遂の年上医師まで、僕は今日もみんなと元気にS〇Xでこの世の窮地を救います!
果たして奏人は、この世界でなりたかったヒーローになれるのか?
※エロありの話には★マークがついています
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
異世界でひとりぼっちのSub ~拾ったDomを育てたら執着されてしまいました~
てんつぶ
BL
ヨウスケは大魔法使いとして異世界に召喚され、仲間と共に無事に「瘴気」を封じて早数年経った。
森の中で一人暮らしているヨウスケだったが、自分の魔力でSubとしての欲求を抑える日々が続いている。
日本ではもはや周知されきっていたDom/Subユニバースという第三の性は、この異世界には存在しない。つまり、ヨウスケはこの世界でたった一人のSubであり、ただただ身体の不調と不安感を押し殺すだけだった。
そんな中、近くの廃村で一人の少年と出会う。少年は異質な容貌――頭に獣の耳のようなものを付けて、寒空の下座っている。そして何より彼はヨウスケに「命令」を与えたのだ。
Subとしての本能は自然とそれに従った。少年は、この世界でただ一人のDomだった――?
そしてその少年の正体は――
メインは19歳✕26歳、攻めの小年時代は一瞬です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる