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第十二章:Side Shizuku <人狼わんこの手懐け方>
12-1:★Side Shizuku <可愛いわんこの手懐け方①>
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雫達は酔い止めの薬を受け取るために、エミュの部屋へ立ち寄った。
「私もお酒が強い方ではありませんので、ああいう席の前にはよく飲んでるんです。今、棚から出しますんで、椅子にお掛けください」
雫は酔い止めの薬と言われて、雫は錠剤かコンビニによく置いてある栄養ドリンクサイズのものだと思っていた。
しかし、エミュが薬品棚の奥から出したものは緑色の液体だった。エミュはグラスに一杯注ぐと、雫が座っている席の前に置いた。
「こ、これは……」
「酔い止めの薬ですよ。少し癖がありますが、日々改良して、だいぶ飲みやすくなりましたよ。速効性抜群ですよ」
エミュが自慢気に語っており、半信半疑でグラスを口に近付けた。しかし、近付けた瞬間に、雑草を刈り取った時の臭いと鼻に抜けるようなミントの臭いがして、雫は苦虫を噛み潰したような顔をして、咄嗟にグラスを置いた。
「――うわっ! くっさ!」
「臭いが独特ですよね……。ですが、本当にすぐ効くので、頑張って飲んでください」
雫はグラスを見つめ、自分は飲めると自己暗示をかけた。そして、気合を入れて、薬をグイッと一気飲みした。
「はぁはぁ……。やっぱ、俺がいた世界は恵まれてたんだな……」
「雫様、また酔い止めの薬が必要になったら、是非お声掛けください」
「エミュ、ありがとう。……こうならないように気を付ける。じゃ、おやすみなさい」
雫はげっそりした顔で、アレックスの肩を借り、エミュの部屋を後にした。そして、自室へ戻ると、台所に置いてあったレモンを半分に切り、一目散に洗面所へ行き、レモン水を作ると、口の中を何度も漱いだ。
「こ、これで口の中がすっきりしたはず……」
「主、大丈夫か?」
「うん、口の中が凄くて、うがいをしただけ。アレックス、ごめんね。……って、あれ? もう気持ち悪いの無くなってる。凄いな、あの薬は」
雫はあの薬の凄さに感動したが、もう二度と飲まないと決めた。洗面所から戻ると、アレックスが服を脱ぎ、下着姿で立っていた。
「うわっ、ビックリした。アレックスは服着るの嫌って言ってたもんな。……あっ、そう言えば、替えの服持って帰るの忘れてた。明日でいっか。アレックスにはもうちょっとゆったりとした服が良いよなぁ」
雫はブツブツと独り言を言いながら、床に脱ぎ捨てられたアレックスの服を拾った。そして、雫が洗濯かごに服を入れようと立ち上がった時、アレックスが後ろから抱きついてきた。
「ちょっと、アレックス。服片付けられないから、離しなよ」
「嫌だ、離したくない」
「我儘言うなよ。そこの洗濯かごに入れるだけ。――だぁ! ちょ、ちょっとアレックス!」
アレックスは雫が抱えていた服を払い除け、雫のシャツをたくし上げて、有無を言わさず、脱がせた。雫がアレックスの方を向き、怒ろうとしたら、再び抱き締めてきた。
「もうなんだよ、アレックス。お前、おかしいぞ」
「主がアレックスをおかしくしてる」
「おかしくしてるって……。――うわぁ!」
真剣な表情で見つめてくるアレックス。雫はなんとなく察したが、アレックスのプライドを傷付けたくなかったため、アレックスから視線を逸らした。
アレックスは雫の体をすくい上げ、横抱きすると、ベッドへ寝かせた。そして、雫の上に覆い被さった。
「主、好き。好きだから、一つになる。主はアレックスの事……まだ好きか?」
(旅出る時に、俺が隣に居ながらも、「子作りする」って意気込んでたのに……。そんな切なそうな顔しちゃって)
アレックスは耳を垂らし、不安げな顔で雫を見つめる。雫は自信なさげなアレックスの様子を見て、優しく微笑した。
「俺もアレックスの事、好きだよ。アレックスに出会えて良かったって思ってるよ。出会いに感謝だね」
雫は白い歯を見せ、人差し指でアレックスの鼻を突っついた。アレックスは耳をピクンと立たせ、鼻先がむず痒かったのか、目を瞑り、顔を横に振った。そして、アレックスが目を開けると、頬を赤く染め、色っぽく笑う雫の姿があった。
「……痛くするなよ」
「主が嫌な事しない。だから、主の好きな、嬉しい場所言って」
「まずは、キスしよ」
アレックスはポカンとしていた。恐らくキスがどういう行為か分からない様子だった。雫は起き上がり、アレックスと向かい合わせになった。雫はアレックスの体に手を回し、自分の方へ引き寄せた。そして、アレックスの唇に自分の唇を重ねた。
「主の唇、柔らかい。主はキス……好きか?」
「うん、好きだよ。でもね、もっと好きなキスがあるんだ。でも、その前に――」
何度かお互いの唇を重ねると、雫はアレックスを押し倒した。そして、クスリと笑うと、ズボンを脱ぎ捨てた。そして、アレックスの体に密着しながら、移動し、アレックスの耳を甘噛みした。甘噛みした瞬間、アレックスはビクッと体を震わせた。
「キャンッ! 主、そこゾクゾクした」
「アレックスは耳弱いんだね。可愛い」
「んっ! 主、気持ちいい」
アレックスは体をぷるぷる震わせながら、感じてくれた。雫も楽しくて、つい両耳を堪能してしまった。気付くと、アレックスは涙目になっており、頬を赤くしていた。
(いつも受け身だったけど、こうやって教育していくのも新鮮でゾクゾクする)
「あ、あるじぃ……。耳がべちゃべちゃ酷い」
「ごめん、つい。で、キスなんだけど。アレックス、舌を出して」
「こう?」
雫に言われた通り、アレックスは舌を突き出した。人狼だからだろうか、人間より舌が長い気がした。そして、雫も舌を出し、アレックスの舌同士でキスをした。そして、少しずつ舌を絡ませた。アレックスは舌をビクビクと震わせ、吐息を漏らした。
「気持ちいい?」
「んっ、ビクビクする。主は気持ちいいか?」
「うん、気持ちいいよ。アレックスの舌好きだよ」
雫はもう一度、アレックスの舌に自身の舌を絡ませ、舌を口で吸った。アレックスも真似をしながら、雫の舌に絡ませようとした。そして、唇同士を重ね、口内で激しく舌を絡めたり、吸ったりした。
「主、息継ぎ出来ない。気持ちいい」
「アレックスは上手だから、少しずつ慣れようね」
「うん。主、優しい」
(うぅっ。……アレックスは見た目イケメンなんだけど、こういう時に従順で可愛さを出されると、ギャップ萌えして、キュンキュンする)
雫は雫で心の中で悶えながら、アレックスに抱きついた。アレックスも雫の体をギュッと抱き締めた。
「私もお酒が強い方ではありませんので、ああいう席の前にはよく飲んでるんです。今、棚から出しますんで、椅子にお掛けください」
雫は酔い止めの薬と言われて、雫は錠剤かコンビニによく置いてある栄養ドリンクサイズのものだと思っていた。
しかし、エミュが薬品棚の奥から出したものは緑色の液体だった。エミュはグラスに一杯注ぐと、雫が座っている席の前に置いた。
「こ、これは……」
「酔い止めの薬ですよ。少し癖がありますが、日々改良して、だいぶ飲みやすくなりましたよ。速効性抜群ですよ」
エミュが自慢気に語っており、半信半疑でグラスを口に近付けた。しかし、近付けた瞬間に、雑草を刈り取った時の臭いと鼻に抜けるようなミントの臭いがして、雫は苦虫を噛み潰したような顔をして、咄嗟にグラスを置いた。
「――うわっ! くっさ!」
「臭いが独特ですよね……。ですが、本当にすぐ効くので、頑張って飲んでください」
雫はグラスを見つめ、自分は飲めると自己暗示をかけた。そして、気合を入れて、薬をグイッと一気飲みした。
「はぁはぁ……。やっぱ、俺がいた世界は恵まれてたんだな……」
「雫様、また酔い止めの薬が必要になったら、是非お声掛けください」
「エミュ、ありがとう。……こうならないように気を付ける。じゃ、おやすみなさい」
雫はげっそりした顔で、アレックスの肩を借り、エミュの部屋を後にした。そして、自室へ戻ると、台所に置いてあったレモンを半分に切り、一目散に洗面所へ行き、レモン水を作ると、口の中を何度も漱いだ。
「こ、これで口の中がすっきりしたはず……」
「主、大丈夫か?」
「うん、口の中が凄くて、うがいをしただけ。アレックス、ごめんね。……って、あれ? もう気持ち悪いの無くなってる。凄いな、あの薬は」
雫はあの薬の凄さに感動したが、もう二度と飲まないと決めた。洗面所から戻ると、アレックスが服を脱ぎ、下着姿で立っていた。
「うわっ、ビックリした。アレックスは服着るの嫌って言ってたもんな。……あっ、そう言えば、替えの服持って帰るの忘れてた。明日でいっか。アレックスにはもうちょっとゆったりとした服が良いよなぁ」
雫はブツブツと独り言を言いながら、床に脱ぎ捨てられたアレックスの服を拾った。そして、雫が洗濯かごに服を入れようと立ち上がった時、アレックスが後ろから抱きついてきた。
「ちょっと、アレックス。服片付けられないから、離しなよ」
「嫌だ、離したくない」
「我儘言うなよ。そこの洗濯かごに入れるだけ。――だぁ! ちょ、ちょっとアレックス!」
アレックスは雫が抱えていた服を払い除け、雫のシャツをたくし上げて、有無を言わさず、脱がせた。雫がアレックスの方を向き、怒ろうとしたら、再び抱き締めてきた。
「もうなんだよ、アレックス。お前、おかしいぞ」
「主がアレックスをおかしくしてる」
「おかしくしてるって……。――うわぁ!」
真剣な表情で見つめてくるアレックス。雫はなんとなく察したが、アレックスのプライドを傷付けたくなかったため、アレックスから視線を逸らした。
アレックスは雫の体をすくい上げ、横抱きすると、ベッドへ寝かせた。そして、雫の上に覆い被さった。
「主、好き。好きだから、一つになる。主はアレックスの事……まだ好きか?」
(旅出る時に、俺が隣に居ながらも、「子作りする」って意気込んでたのに……。そんな切なそうな顔しちゃって)
アレックスは耳を垂らし、不安げな顔で雫を見つめる。雫は自信なさげなアレックスの様子を見て、優しく微笑した。
「俺もアレックスの事、好きだよ。アレックスに出会えて良かったって思ってるよ。出会いに感謝だね」
雫は白い歯を見せ、人差し指でアレックスの鼻を突っついた。アレックスは耳をピクンと立たせ、鼻先がむず痒かったのか、目を瞑り、顔を横に振った。そして、アレックスが目を開けると、頬を赤く染め、色っぽく笑う雫の姿があった。
「……痛くするなよ」
「主が嫌な事しない。だから、主の好きな、嬉しい場所言って」
「まずは、キスしよ」
アレックスはポカンとしていた。恐らくキスがどういう行為か分からない様子だった。雫は起き上がり、アレックスと向かい合わせになった。雫はアレックスの体に手を回し、自分の方へ引き寄せた。そして、アレックスの唇に自分の唇を重ねた。
「主の唇、柔らかい。主はキス……好きか?」
「うん、好きだよ。でもね、もっと好きなキスがあるんだ。でも、その前に――」
何度かお互いの唇を重ねると、雫はアレックスを押し倒した。そして、クスリと笑うと、ズボンを脱ぎ捨てた。そして、アレックスの体に密着しながら、移動し、アレックスの耳を甘噛みした。甘噛みした瞬間、アレックスはビクッと体を震わせた。
「キャンッ! 主、そこゾクゾクした」
「アレックスは耳弱いんだね。可愛い」
「んっ! 主、気持ちいい」
アレックスは体をぷるぷる震わせながら、感じてくれた。雫も楽しくて、つい両耳を堪能してしまった。気付くと、アレックスは涙目になっており、頬を赤くしていた。
(いつも受け身だったけど、こうやって教育していくのも新鮮でゾクゾクする)
「あ、あるじぃ……。耳がべちゃべちゃ酷い」
「ごめん、つい。で、キスなんだけど。アレックス、舌を出して」
「こう?」
雫に言われた通り、アレックスは舌を突き出した。人狼だからだろうか、人間より舌が長い気がした。そして、雫も舌を出し、アレックスの舌同士でキスをした。そして、少しずつ舌を絡ませた。アレックスは舌をビクビクと震わせ、吐息を漏らした。
「気持ちいい?」
「んっ、ビクビクする。主は気持ちいいか?」
「うん、気持ちいいよ。アレックスの舌好きだよ」
雫はもう一度、アレックスの舌に自身の舌を絡ませ、舌を口で吸った。アレックスも真似をしながら、雫の舌に絡ませようとした。そして、唇同士を重ね、口内で激しく舌を絡めたり、吸ったりした。
「主、息継ぎ出来ない。気持ちいい」
「アレックスは上手だから、少しずつ慣れようね」
「うん。主、優しい」
(うぅっ。……アレックスは見た目イケメンなんだけど、こういう時に従順で可愛さを出されると、ギャップ萌えして、キュンキュンする)
雫は雫で心の中で悶えながら、アレックスに抱きついた。アレックスも雫の体をギュッと抱き締めた。
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