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アレクサンドルはチェストから大判の布を取り出すと、誠に手渡した。誠はベッドの上に一枚敷き、そこに仰向けで寝るように伝えた。アレクサンドルは寝間着を脱ぎ、その上に寝っ転がった。
肉付きの良い体型なのは服越しでも分かっていたが、想像以上に鍛え抜かれた体で、誠は思わずゴクリと喉を鳴らした。
誠は平静を装い、アレクサンドルの体の上に布をかけた。布の上からでも分かる筋肉の凹凸。誠は部位ごとに触れていき、うつ伏せにもなってもらい、体の不調を確認した。
「やはり、足の筋肉が張ってますね。あとは背中や肩も強張っています。肩こりや頭痛はありますか?」
「あぁ、急務が続くと肩が張って、頭が痛くなりそうな感じはあるな」
「分かりました。今からエッセンシャルオイルを調合して、マッサージオイルを作りますね。因みに、苦手な香りはありますか?」
「いや、特にない。調合風景を見たいが、うつ伏せだと見れないのが残念だ」
「ふふっ、今回は我慢してください」
誠は空のガラス瓶に植物油を注ぎ、エッセンシャルオイルを数種類チョイスして、バランスよく調合した。今回は筋肉疲労軽減と鎮静を目的としたブレンドにした。パルマローザ、マジョラムスイートに、ラベンダー。誠も好きな香りのブレンドだ。
小さな布に少量垂らし、アレクサンドルの顔近くに置いた。アレクサンドルは大きく深呼吸すると、力が抜けたように息を吐く。恐らく問題はなさそうだ。
「では、施術を始めますね。力が強かったり、弱かったりしたら、教えてください」
「あぁ、分かった」
誠は上半身の布を取ると、肩や肩甲骨周り、脊柱の筋肉を中心に解した。アレクサンドルは「気持ちいい」と言ってくれ、甘い吐息を漏らす。次は足、次は仰向けになって、鼠径リンパの流れをよくするために解す。今まで体温差があった足が左右同じになった気がした。あとは、全身をやり、デコルテのリンパを優しく刺激する。再び布をかけ、足のストレッチを行ない、約一時間半の施術は終了した。
「アレクサンドル様、アレクサンドル様。終わりましたよ。だいぶお疲れだったようですよ」
「あっ、あぁ、もう終わったのか。ところで、言い難いのだが、あそこがドクドクと脈打って痛いのだが、これは治すことは可能か?」
アレクサンドルは頬を赤く染め、下着の上にある布を外した。そこには、布パンツから早く出たそうにギチギチしているアレだった。
誠は施術途中から分かっていたが、前世もこのような現象に遭遇することは多かった。施術で勃起してしまうのは男性の生理現象だから、仕方ない。
「生理現象なので、時期に治まりますよ」
「誠……。誠の手で慰めてくれはしないか? ――って、私は誠になんてことを! い、今のは忘れてくれ」
誠が愛想笑いし、片付けをしていると、いつの間にか背後にアレクサンドルが立っており、耳元に甘い声で囁き、抱き締めてくる。
「す、すまん。体が勝手に。今日の私はどうかしている」
「あ、あの。たぶんアロマ酔いだと思います。俺みたいな奴がアレクサンドル様の慰めをお手伝いするのは失礼かと……」
「いいや、そんなことない。誠みたいな魅力的で愛らしい人にしてもらいたい。誠を見た瞬間、私は君の笑顔や振る舞いで恋に落ちてしまった。頼む、お願いだ」
「えっと、急に告白ですか……。困りましたね」
「すまん、私は混乱しているようだ。アロマ酔いというのは強烈なんだな」
こういうことは前世に務めていた店でも度々あった。その都度、お断りしていたが、――ここは異世界。禁止されている訳ではない。しかも、誠の好きなイケおじ筋肉質。放っておく訳にはいかない。
肉付きの良い体型なのは服越しでも分かっていたが、想像以上に鍛え抜かれた体で、誠は思わずゴクリと喉を鳴らした。
誠は平静を装い、アレクサンドルの体の上に布をかけた。布の上からでも分かる筋肉の凹凸。誠は部位ごとに触れていき、うつ伏せにもなってもらい、体の不調を確認した。
「やはり、足の筋肉が張ってますね。あとは背中や肩も強張っています。肩こりや頭痛はありますか?」
「あぁ、急務が続くと肩が張って、頭が痛くなりそうな感じはあるな」
「分かりました。今からエッセンシャルオイルを調合して、マッサージオイルを作りますね。因みに、苦手な香りはありますか?」
「いや、特にない。調合風景を見たいが、うつ伏せだと見れないのが残念だ」
「ふふっ、今回は我慢してください」
誠は空のガラス瓶に植物油を注ぎ、エッセンシャルオイルを数種類チョイスして、バランスよく調合した。今回は筋肉疲労軽減と鎮静を目的としたブレンドにした。パルマローザ、マジョラムスイートに、ラベンダー。誠も好きな香りのブレンドだ。
小さな布に少量垂らし、アレクサンドルの顔近くに置いた。アレクサンドルは大きく深呼吸すると、力が抜けたように息を吐く。恐らく問題はなさそうだ。
「では、施術を始めますね。力が強かったり、弱かったりしたら、教えてください」
「あぁ、分かった」
誠は上半身の布を取ると、肩や肩甲骨周り、脊柱の筋肉を中心に解した。アレクサンドルは「気持ちいい」と言ってくれ、甘い吐息を漏らす。次は足、次は仰向けになって、鼠径リンパの流れをよくするために解す。今まで体温差があった足が左右同じになった気がした。あとは、全身をやり、デコルテのリンパを優しく刺激する。再び布をかけ、足のストレッチを行ない、約一時間半の施術は終了した。
「アレクサンドル様、アレクサンドル様。終わりましたよ。だいぶお疲れだったようですよ」
「あっ、あぁ、もう終わったのか。ところで、言い難いのだが、あそこがドクドクと脈打って痛いのだが、これは治すことは可能か?」
アレクサンドルは頬を赤く染め、下着の上にある布を外した。そこには、布パンツから早く出たそうにギチギチしているアレだった。
誠は施術途中から分かっていたが、前世もこのような現象に遭遇することは多かった。施術で勃起してしまうのは男性の生理現象だから、仕方ない。
「生理現象なので、時期に治まりますよ」
「誠……。誠の手で慰めてくれはしないか? ――って、私は誠になんてことを! い、今のは忘れてくれ」
誠が愛想笑いし、片付けをしていると、いつの間にか背後にアレクサンドルが立っており、耳元に甘い声で囁き、抱き締めてくる。
「す、すまん。体が勝手に。今日の私はどうかしている」
「あ、あの。たぶんアロマ酔いだと思います。俺みたいな奴がアレクサンドル様の慰めをお手伝いするのは失礼かと……」
「いいや、そんなことない。誠みたいな魅力的で愛らしい人にしてもらいたい。誠を見た瞬間、私は君の笑顔や振る舞いで恋に落ちてしまった。頼む、お願いだ」
「えっと、急に告白ですか……。困りましたね」
「すまん、私は混乱しているようだ。アロマ酔いというのは強烈なんだな」
こういうことは前世に務めていた店でも度々あった。その都度、お断りしていたが、――ここは異世界。禁止されている訳ではない。しかも、誠の好きなイケおじ筋肉質。放っておく訳にはいかない。
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