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裏側の惨劇
確信
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side黒島
ドンドンドンドンドン…。
強行突破しよう。
狸塚梨佳さんの誘拐、および虐待。
佐狐直哉の母親の話を聞いて、疑惑が確信へと変わった。
やはり鍵は閉まっていた。
器用な手で、仲間の一人が鍵を開ける。
カチャッ。
静かにドアノブを回した。
side梨佳
玄関の扉が開いた。
直哉くん、帰ってきちゃった…。
あれ?
でも、さっき手で扉を叩いていたよね?
ああ、そうか。
あれは私が誰かに助けを求めないか、試してたんだ…。
次は、何処を殴られるんだろう。
毎日毎日、疲れたよ…。
誰かがこちらへやってくる。
視界がぼやけていて、よく見えないが、直哉くんの仲間だろう。
「やめてください、もう、殴らないで…。私を、こ、殺してもいいから…。毎日殴られて辛いのより、殺してもらった方が、楽になれるから…。でも、直哉くんがもし私をころしちゃったら殺人を犯した人になっちゃうから、私のこと殺せないの…?でも、もう殴るのはやめて…。何でも言うこと聞くから!」
えっ?
あれれ?
殴らない。
何で?
手を出してきたのに、私を殴らない。
ぼろぼろになってしまった顔をあげた。
そこには警察の人がいた。
私に手を差し伸べてくれていた。
「狸塚梨佳さん、ですか?」
「はい、そうです…」
警察の人が私の手に縛ってあった紐を取ってくれた。
久しぶりに自由に動いた。
「おい、てめぇーら、俺の家で何してやがんだよ」
直哉くんの声だ。
でも、もう、直哉くんから解き放たれたんだ。
えっ、ちょっと待って。
直哉くんが手に持っているのって、もしかして包丁?
そのせいで、警察の人も身動きを自由に取る事ができていない。
私の一番近くにいる警察官を目指して走ってきた。包丁をしっかり持って。
とても鋭い包丁だ。
あれで刺されたら、ひとたまりもないだろう。
ダメ。
私のせいで人が殺されちゃう。
私が蒔いた種なのに…。
黒島っていう警察官が亡くなっては、後先が無いと思った。
何故かは分からない。
でも、私の体は勝手に動いていた。
「おい、何でだよ?何で俺が梨佳を殺さないといけないんだよ?!」
直哉くんが持っていた包丁が私の身体を貫いた。
「佐狐直哉、確保しました」
「おい、急いで救急車と応援を呼んでくれ」
薄れゆく意識の中、黒島さんという人が、私に伝えてきた。
知成くんはずっと私を信じて待ってくれていること。
この何ヶ月もの間、私だけを待っていてくれた。
でも、知成くんは病気が見つかってしまい、余命はあと少しらしい。
「く、黒島さん。知成くんに伝えてください…。ありがとう、大好き。あなたに会えて、私は幸せですって。お願いします…」
私の意識は暗い闇の中へと沈んでいった。
ドンドンドンドンドン…。
強行突破しよう。
狸塚梨佳さんの誘拐、および虐待。
佐狐直哉の母親の話を聞いて、疑惑が確信へと変わった。
やはり鍵は閉まっていた。
器用な手で、仲間の一人が鍵を開ける。
カチャッ。
静かにドアノブを回した。
side梨佳
玄関の扉が開いた。
直哉くん、帰ってきちゃった…。
あれ?
でも、さっき手で扉を叩いていたよね?
ああ、そうか。
あれは私が誰かに助けを求めないか、試してたんだ…。
次は、何処を殴られるんだろう。
毎日毎日、疲れたよ…。
誰かがこちらへやってくる。
視界がぼやけていて、よく見えないが、直哉くんの仲間だろう。
「やめてください、もう、殴らないで…。私を、こ、殺してもいいから…。毎日殴られて辛いのより、殺してもらった方が、楽になれるから…。でも、直哉くんがもし私をころしちゃったら殺人を犯した人になっちゃうから、私のこと殺せないの…?でも、もう殴るのはやめて…。何でも言うこと聞くから!」
えっ?
あれれ?
殴らない。
何で?
手を出してきたのに、私を殴らない。
ぼろぼろになってしまった顔をあげた。
そこには警察の人がいた。
私に手を差し伸べてくれていた。
「狸塚梨佳さん、ですか?」
「はい、そうです…」
警察の人が私の手に縛ってあった紐を取ってくれた。
久しぶりに自由に動いた。
「おい、てめぇーら、俺の家で何してやがんだよ」
直哉くんの声だ。
でも、もう、直哉くんから解き放たれたんだ。
えっ、ちょっと待って。
直哉くんが手に持っているのって、もしかして包丁?
そのせいで、警察の人も身動きを自由に取る事ができていない。
私の一番近くにいる警察官を目指して走ってきた。包丁をしっかり持って。
とても鋭い包丁だ。
あれで刺されたら、ひとたまりもないだろう。
ダメ。
私のせいで人が殺されちゃう。
私が蒔いた種なのに…。
黒島っていう警察官が亡くなっては、後先が無いと思った。
何故かは分からない。
でも、私の体は勝手に動いていた。
「おい、何でだよ?何で俺が梨佳を殺さないといけないんだよ?!」
直哉くんが持っていた包丁が私の身体を貫いた。
「佐狐直哉、確保しました」
「おい、急いで救急車と応援を呼んでくれ」
薄れゆく意識の中、黒島さんという人が、私に伝えてきた。
知成くんはずっと私を信じて待ってくれていること。
この何ヶ月もの間、私だけを待っていてくれた。
でも、知成くんは病気が見つかってしまい、余命はあと少しらしい。
「く、黒島さん。知成くんに伝えてください…。ありがとう、大好き。あなたに会えて、私は幸せですって。お願いします…」
私の意識は暗い闇の中へと沈んでいった。
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