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小魚、聖堂に行く

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 3人で何処に行くか話あったが、アリスのアイディアで聖堂? に行くことなった。
 さっきアリスは1人でそこで狩りをしていたらしいが、かなり強いモンスターが現れるらしい。

 堕天使を聖堂に連れて行って大丈夫か気になるが、何かのデバフが掛かってリズが死んだら死んだで仕方ない。

 供養してやろう。
 もしかしたら何か発見があるかもしれない。

「聖堂ってどんな感じで戦うんだ?」

「普通に中で戦うんだよ。中には像みたいなのがあるけど、間違えて攻撃すると目からビームぶっぱなしてくるから気を付けてね」

「へぁっ!? 聖堂じゃなくて悪魔の神殿か何かじゃないのか? 仕掛けがひどすぎる」

「分かんないけど、しゃべるしうるさいしで変な像だよ。ただ、何か言ってるけど理解できない言葉なの」

 日本語じゃない……ってことなのか?
 単純にアリスの頭がポンコツな可能性もあるけど、それを言ったらひどい目に合いそうだ。
 この子、見た目は清楚な感じなのに結構当たりがきつい。

「とりあえずその像に話しかけて何かしらのアクションを起こしてみるのが良さそうね。面白そうだわ」

「まぁ、そうしかないよな」

 そこまで手の込んだ像がビームを出してくるだけためにそこにいるとは到底思えない。
 何かしらの仕掛けがしてあって、それを解くことで何かが起きる可能性がある。

「私にはさっぱりだったのでそれは任せます。まずは聖堂に案内しますね」

 ◇

 アリスの案内に従って、道を進んでいくと、木々に囲まれる中に真っ白な聖堂が現れた。
 どんな外見をしているのかと思っていたが、離れた位置から見ても聖堂だというのが分かる。

 森にたたずむ聖堂というだけで、なんとなく雰囲気も出ている。
 サイズもかなり大きく、高さは10メートル近くあるように思えた。

「すごいな。これ、周りにモンスターいないけど中はどうなってるんだ?」

「中にも最初はモンスターはいないです。像を攻撃したらモンスターが出てきます」

 この子1人で何やってたの!?
 さっきは間違えて像に攻撃しちゃったから運悪く像から反撃を受けたのかと思ってたけど、俺の思っていたことと全く違ったらしい。

 先制攻撃で像に攻撃をぶっぱなすなんて、アリスは結構やばい奴なのかもしれない。

「ちなみに、なんで攻撃したんだ?」

「部屋の中心にいてなんとなく邪魔だったんです。片足で立ってたので折ったらどうなるのか試したのが間違いでした」

「「えぇ……」」

 リズすらドン引きである。
 リズの顔を見てみると、頬を引きつらせながらアリスのことを見ていた。

「と、とりあえず中に入ろうぜ」

 聖堂の扉を押すとギギギときしむ音を立てながら開かれる。
 アリスが言っていた通り、中には一匹たりともモンスターがいない。

 中央に巨大な像が置かれているだけだ。
 奥は全面スタンドグラスで彩られており、美しい。

 が、それだけだ。

「まじで何もないけど、ここでどうするつもりなの?」

「攻撃すればモンスター出てくるって言いましたよね。像を破壊しに行くんです」

「ま、マジでやるのか」

 真っ白な像は聖堂の雰囲気も相まって神聖なものに見える。
 正直、攻撃するのは罪悪感がある。

「まぁ、ここまで来て何も収穫を得ずに帰るのもバカらしいし、一度やってみるわよ」

「お、おう。俺がやっても効果なさそうだし、とりあえず離れて待機してる」

「アリスも離れてて。私の攻撃に巻き込まれても面倒だからね」

「わ、分かりました!!」

 俺とアリスが場を離れると、リズが魔法を発動させる。

「蒼炎-大蛇」

 いつ見ても巨大な大蛇は一直線に像へと進み、鼻を弾き飛ばした。

 コロン、カラン。

 硬い物が地面を転がる音が聖堂に響き渡る。
 すると、鼻を折られた像の目が赤く光り、辺りに大量のモンスターが湧きだしてきた。

「こいつ、神の使いじゃなくて悪魔の使いなんじゃないか!?」

 現れたモンスターはアンデッド系の見た目があまりよろしくないゾンビ達だ。
 とてもじゃないが、聖堂にいて良いようなモンスターではない。

「御託はいいからさっさと戦いの準備を整えなさい! やるわよ!」

「分かったよ! 陸上に上がった俺の力、見せてやるぜ!」

「ふふっ! 一緒に戦闘するの楽しみですぅ!」


「「ぐぁあああああああああああ!!!」」

 地面から現れたゾンビ達は大声で泣きわめく。
 そして、俺たちのことをジッと睨むとゆっくりと俺たちに歩み寄ってきた。

 アリスを含め、初めての戦闘が始まった。
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