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本編
3人の悪魔
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日本某所 〇〇時〇〇分。2つの大きな袋を持った黒ずくめの男は3人のご主人の前に現れるとゆっくりと瀬戸物を扱うように2つの大きな袋を床に置いた。
「ただいま帰りました」
「ご苦労。君の活躍、見ていたよ。素晴らしいね。だが、何故監視は殺さなかった?」
「意味が無かったからです。気絶させられるのだったら意味なく殺す必要はないかと」
「そうかそうか。君は相変わらず合理的だね~・・・いや、更に合理的になったというべきかな?」
「お褒め頂きありがとうございます。では、こちらを見納め下さいませ」
2つの大きな袋の口を塞ぐ紐をほどくと、片方からは2人の男が、もう片方からは大柄の男の死体が出てきた。
「左から剛腕の吉田、ジャックナイフ所、そして新清水組組長清水正武の死体でございます。間違っていないかどうかその目でご確認下さい」
「いいや、確認しなくても分かる。これはあの3
3馬鹿の死体だ。良くぞ持ってきてくれた。では早速準備に取りかかろう!」
3人のうちの1人が指パッチンをすると、何処からともなく数人のペストマスクで顔を隠した男が現れ、再び袋に3人をしまい、何処かへと連れていった。
「・・・今更になって不安になってきたのだが、本当にあの薬は効果があるのかね?何世代もかけて作りあげた超人化と怪物化の薬。とても魅力的なのは確かなのだが、実験も大してしてないのに使うのはやはり肝心できないね」
「だから用済みとなったあの3人の死体を使う事になったんだろう?あの3人ならそれなりに鍛えているだろうし、きっと良い素材となってくれる」
「それに実験の成功例なら我々の前にいるだろう?───なあ、ブラック・ガイ」
「はい。完成品の実用テスト、私を含めて過去に2回しか行っていませんが、いずれも成功しています。1度目は生者に、2度目は死者に投薬し、その効果を発揮させました」
「1度目は吉田、2度目はブラック・ガイ、君か・・・まあ、物は試しようだ。駄目元で打ってみるとしよう」
「りょうかーい───じゃあ、研究者の皆~よろしくー」
3人が見つめる画面。そこには先程ペストマスクをつけた数人が持っていった3人の死体が手首と首を拘束された状態で全裸で寝かされていた。
どの死体にも外傷のような物はなく、どうやらブラック・ガイは薬物で殺したようだ。
「例え首を絞められて殺されようが、胸を刺されて殺されようがあの薬で甦る。間違いないかい?」
「はい。あの薬は1つの欠陥以外は完璧な薬です。蘇生もできる上に身体能力を異常と言わしめるまで上げる事が可能です」
「で、その欠陥というのが、人格の喪失で間違いないんだよな?」
「はい・・・私を見ていただければ分かると思います」
そう言ってブラック・ガイは表情を隠す仮面を外してその素顔を見せる。素顔は能面と言っても差し控えのないくらい無表情だった。
「記憶は残りますが、人格と喜怒哀楽等の記憶は消え失せます。貴殿方もそちらの方が都合良いでしょう」
「そうだな!そっちの方がコントロールが楽だし!お前みたいにな!」
「さて、まず誰から投薬してやろうか・・・」
まず、剛腕の吉田だけは避けておきたい。ヤツは1度身体能力向上の薬を使っている。2度目はどうなるかは分からない。
となると必然的に所か清水になる。身体の丈夫さで選ぶなら絶対に所だろう。清水も良い方だが、所には劣る。だが、今はどうしても清水に投薬してみたかった。
これといった合理的な理由はない。ただただ生意気こいていたガキがどんなバケモノになるのかが楽しみで仕方ないのだ。
自分だけだと思いながら2人の目を見る。だが、その心配はいらなかったようだ。2人共とても楽しそうな顔をしていたのだ。なら、後聞くのはこれだけで良い。
「なあ、2人共。身体能力向上の薬と怪物化の薬、どっちの方が面白いと思う?」
「「それは勿論─────」」
いっせーのーせっ!で自分の意見を言い合う。3人共同じ薬を言い合い、ハイタッチする。
「やっぱ俺達って」「やっぱ僕達って」「やっぱ私達って」
「「「気が合うよな~~」」」
和やかな雰囲気とは裏腹に今最悪の生物が生まれようとしていた。
「ただいま帰りました」
「ご苦労。君の活躍、見ていたよ。素晴らしいね。だが、何故監視は殺さなかった?」
「意味が無かったからです。気絶させられるのだったら意味なく殺す必要はないかと」
「そうかそうか。君は相変わらず合理的だね~・・・いや、更に合理的になったというべきかな?」
「お褒め頂きありがとうございます。では、こちらを見納め下さいませ」
2つの大きな袋の口を塞ぐ紐をほどくと、片方からは2人の男が、もう片方からは大柄の男の死体が出てきた。
「左から剛腕の吉田、ジャックナイフ所、そして新清水組組長清水正武の死体でございます。間違っていないかどうかその目でご確認下さい」
「いいや、確認しなくても分かる。これはあの3
3馬鹿の死体だ。良くぞ持ってきてくれた。では早速準備に取りかかろう!」
3人のうちの1人が指パッチンをすると、何処からともなく数人のペストマスクで顔を隠した男が現れ、再び袋に3人をしまい、何処かへと連れていった。
「・・・今更になって不安になってきたのだが、本当にあの薬は効果があるのかね?何世代もかけて作りあげた超人化と怪物化の薬。とても魅力的なのは確かなのだが、実験も大してしてないのに使うのはやはり肝心できないね」
「だから用済みとなったあの3人の死体を使う事になったんだろう?あの3人ならそれなりに鍛えているだろうし、きっと良い素材となってくれる」
「それに実験の成功例なら我々の前にいるだろう?───なあ、ブラック・ガイ」
「はい。完成品の実用テスト、私を含めて過去に2回しか行っていませんが、いずれも成功しています。1度目は生者に、2度目は死者に投薬し、その効果を発揮させました」
「1度目は吉田、2度目はブラック・ガイ、君か・・・まあ、物は試しようだ。駄目元で打ってみるとしよう」
「りょうかーい───じゃあ、研究者の皆~よろしくー」
3人が見つめる画面。そこには先程ペストマスクをつけた数人が持っていった3人の死体が手首と首を拘束された状態で全裸で寝かされていた。
どの死体にも外傷のような物はなく、どうやらブラック・ガイは薬物で殺したようだ。
「例え首を絞められて殺されようが、胸を刺されて殺されようがあの薬で甦る。間違いないかい?」
「はい。あの薬は1つの欠陥以外は完璧な薬です。蘇生もできる上に身体能力を異常と言わしめるまで上げる事が可能です」
「で、その欠陥というのが、人格の喪失で間違いないんだよな?」
「はい・・・私を見ていただければ分かると思います」
そう言ってブラック・ガイは表情を隠す仮面を外してその素顔を見せる。素顔は能面と言っても差し控えのないくらい無表情だった。
「記憶は残りますが、人格と喜怒哀楽等の記憶は消え失せます。貴殿方もそちらの方が都合良いでしょう」
「そうだな!そっちの方がコントロールが楽だし!お前みたいにな!」
「さて、まず誰から投薬してやろうか・・・」
まず、剛腕の吉田だけは避けておきたい。ヤツは1度身体能力向上の薬を使っている。2度目はどうなるかは分からない。
となると必然的に所か清水になる。身体の丈夫さで選ぶなら絶対に所だろう。清水も良い方だが、所には劣る。だが、今はどうしても清水に投薬してみたかった。
これといった合理的な理由はない。ただただ生意気こいていたガキがどんなバケモノになるのかが楽しみで仕方ないのだ。
自分だけだと思いながら2人の目を見る。だが、その心配はいらなかったようだ。2人共とても楽しそうな顔をしていたのだ。なら、後聞くのはこれだけで良い。
「なあ、2人共。身体能力向上の薬と怪物化の薬、どっちの方が面白いと思う?」
「「それは勿論─────」」
いっせーのーせっ!で自分の意見を言い合う。3人共同じ薬を言い合い、ハイタッチする。
「やっぱ俺達って」「やっぱ僕達って」「やっぱ私達って」
「「「気が合うよな~~」」」
和やかな雰囲気とは裏腹に今最悪の生物が生まれようとしていた。
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