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本編

I am a avenger

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「偶々俺の復讐する先が悪道を貫くゲス共の溜まり場だっただけで俺はヒーローではないんだよ。復讐者、アベンジャーなんだよ」

「そ、そうかもしれないですけど!それでも貴方は大勢を救った!!」

「結果でしかない。過程では助けようとはしていなかった」

「じゃあ!13年前!!所沢市で起きた街崩壊で貴方は私を助けてくれた!!それも偶々だって言うんですか!?」

「偶々だ」

「わざわざ駆けつけて助けてくれたのに!?お母さんを探して連れてきてくれたのに!?本当に偶々だと言うのですか!?」

「・・・偶々だ」

 嘘だ。言葉を発するのに少しためらいがあった。頭の中で偶々だと思ってはいても心はそうは思っていないのだ。彼の心には、確かに正義の心がある。

 でも、認められていないのだ。自分は復讐者だと昔に固く誓ってしまったせいで自分がヒーローだと。

「・・・貴方が自分をどう言おうが私にとっては救命のヒーローです。それだけは変わりません」

「そうか・・・・」

 言い捨てるように言うと私は足早に自分の部屋へと戻っていった。その日はストロング・ソルジャーが新山さんだという事実のインパクトが強すぎてすぐに寝つく事が出来なかった。



「・・・やはり使い物になりませんでしたね、

「いやー頑張った方じゃない?まだ20代でしょ?敢闘賞あげちゃう」

「あんなにどんぱちやったのに警察数十人殺害だぞ?挙げ句の果てにヤクのルートまで吐きやがって・・・おい!ブラック・ガイ!いるか!!」

「はい、ここに」

「刑務所にぶちこまれたあのガキを殺してこい。早急にな」

「それでは、バレても良いという事ですか?」

「とっくに貴様は警戒されている。今更バレても特に変わりはない」

「・・・御意」

 始まりがあれば終わりがある。終わったら次は新しい始まりがある。そうして物語というのは紡がれていく。

 だが、この始まりは不穏極まりないものであった─────
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