43 / 49
本編
I am a avenger
しおりを挟む
「偶々俺の復讐する先が悪道を貫くゲス共の溜まり場だっただけで俺はヒーローではないんだよ。復讐者、アベンジャーなんだよ」
「そ、そうかもしれないですけど!それでも貴方は大勢を救った!!」
「結果でしかない。過程では助けようとはしていなかった」
「じゃあ!13年前!!所沢市で起きた街崩壊で貴方は私を助けてくれた!!それも偶々だって言うんですか!?」
「偶々だ」
「わざわざ駆けつけて助けてくれたのに!?お母さんを探して連れてきてくれたのに!?本当に偶々だと言うのですか!?」
「・・・偶々だ」
嘘だ。言葉を発するのに少しためらいがあった。頭の中で偶々だと思ってはいても心はそうは思っていないのだ。彼の心には、確かに正義の心がある。
でも、認められていないのだ。自分は復讐者だと昔に固く誓ってしまったせいで自分がヒーローだと。
「・・・貴方が自分をどう言おうが私にとっては救命のヒーローです。それだけは変わりません」
「そうか・・・・」
言い捨てるように言うと私は足早に自分の部屋へと戻っていった。その日はストロング・ソルジャーが新山さんだという事実のインパクトが強すぎてすぐに寝つく事が出来なかった。
★
「・・・やはり使い物になりませんでしたね、あの若造」
「いやー頑張った方じゃない?まだ20代でしょ?敢闘賞あげちゃう」
「あんなにどんぱちやったのに警察数十人殺害だぞ?挙げ句の果てにヤクのルートまで吐きやがって・・・おい!ブラック・ガイ!いるか!!」
「はい、ここに」
「刑務所にぶちこまれたあのガキを殺してこい。早急にな」
「それでは、バレても良いという事ですか?」
「とっくに貴様は警戒されている。今更バレても特に変わりはない」
「・・・御意」
始まりがあれば終わりがある。終わったら次は新しい始まりがある。そうして物語というのは紡がれていく。
だが、この始まりは不穏極まりないものであった─────
「そ、そうかもしれないですけど!それでも貴方は大勢を救った!!」
「結果でしかない。過程では助けようとはしていなかった」
「じゃあ!13年前!!所沢市で起きた街崩壊で貴方は私を助けてくれた!!それも偶々だって言うんですか!?」
「偶々だ」
「わざわざ駆けつけて助けてくれたのに!?お母さんを探して連れてきてくれたのに!?本当に偶々だと言うのですか!?」
「・・・偶々だ」
嘘だ。言葉を発するのに少しためらいがあった。頭の中で偶々だと思ってはいても心はそうは思っていないのだ。彼の心には、確かに正義の心がある。
でも、認められていないのだ。自分は復讐者だと昔に固く誓ってしまったせいで自分がヒーローだと。
「・・・貴方が自分をどう言おうが私にとっては救命のヒーローです。それだけは変わりません」
「そうか・・・・」
言い捨てるように言うと私は足早に自分の部屋へと戻っていった。その日はストロング・ソルジャーが新山さんだという事実のインパクトが強すぎてすぐに寝つく事が出来なかった。
★
「・・・やはり使い物になりませんでしたね、あの若造」
「いやー頑張った方じゃない?まだ20代でしょ?敢闘賞あげちゃう」
「あんなにどんぱちやったのに警察数十人殺害だぞ?挙げ句の果てにヤクのルートまで吐きやがって・・・おい!ブラック・ガイ!いるか!!」
「はい、ここに」
「刑務所にぶちこまれたあのガキを殺してこい。早急にな」
「それでは、バレても良いという事ですか?」
「とっくに貴様は警戒されている。今更バレても特に変わりはない」
「・・・御意」
始まりがあれば終わりがある。終わったら次は新しい始まりがある。そうして物語というのは紡がれていく。
だが、この始まりは不穏極まりないものであった─────
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
落花流水、掬うは散華―歴史に名を残さなかった新選組隊士は、未来から来た少女だった―
ゆーちゃ
ライト文芸
京都旅行中にタイムスリップしてしまった春。
そこで出会ったのは壬生浪士組、のちの新選組だった。
不思議な力のおかげで命拾いはしたものの、行く当てもなければ所持品もない。
あげく剣術経験もないのに隊士にされ、男装して彼らと生活をともにすることに。
現代にいた頃は全く興味もなかったはずが、実際に目にした新選組を、隊士たちを、その歴史から救いたいと思うようになる。
が、春の新選組に関する知識はあまりにも少なく、極端に片寄っていた。
そして、それらを口にすることは――
それでも。
泣いて笑って時に葛藤しながら、己の誠を信じ激動の幕末を新選組とともに生きていく。
* * * * *
タイトルは硬いですが、本文は緩いです。
事件等は出来る限り年表に沿い、史実・通説を元に進めていくつもりですが、ストーリー展開上あえて弱い説を採用していたり、勉強不足、都合のよい解釈等をしている場合があります。
どうぞ、フィクションとしてお楽しみ下さい。
この作品は、小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
「落花流水、掬うは散華 ―閑話集―」も、よろしくお願い致します。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/807996983/195613464
本編では描ききれなかった何でもない日常を、ほのぼの増し増しで書き綴っています。
透目町の日常
四十九院紙縞
ライト文芸
日常と非日常が隣り合い混ざり合う町。
なんにも起きなくてなんでも起こる田舎町。
そんな町で起こる「私」の日常。
※一話完結型の短編集ですので、気になったタイトルからお読みください。
猫縁日和
景綱
ライト文芸
猫を介していろんな人たちと繋がるほっこりストーリー。
(*改稿版)
はじまりは777の数字。
小城梨花。二十五歳独身、ちょっとめんどくさがり屋のダメな女子。
仕事を辞めて数か月。
このままだと、家賃も光熱費も食費もままならない状況に陥ってしまうと、気が焦り仕事を探そうと思い始めた。
梨花は、状況打破しようと動き始めようとする。
そんなとき、一匹のサバトラ猫が現れて後を追う。行き着く先は、老夫婦の経営する花屋だった。
猫のおかげというべきか、その花屋で働くことに。しかも、その老夫婦は梨花の住むアパートの大家でもあった。そんな偶然ってあるのだろうか。梨花は感謝しつつも、花屋で頑張ることにする。
お金のためなら、いや、好きな人のためなら、いやいや、そうじゃない。
信頼してくれる老婦人のためなら仕事も頑張れる。その花屋で出会った素敵な男性のことも気にかかり妄想もしてしまう。
恋の予感?
それは勝手な思い込み?
もしかして、運気上昇している?
不思議な縁ってあるものだ。
梨花は、そこでいろんな人と出会い成長していく。
君だけの作家でいたかった
鬼怒川 美葵=ミリー
ライト文芸
「夢を追う姿は美しいことを最後に君は教えてくれた」
ただ絵を描くことが好きなだけで夢も決まっていなかった青年・月島朝陽。
命のタイムリミットが近い少女・花崎椿。
1人のイラストレーターと彼の仲間だけが知る小説家の物語。
そーゆーのー
スエット02
ライト文芸
gooブログに掲載している、お気に入り曲を聴きながらのポエムです。 詩集。
( gooブログの掲載ページのリンクをフリースペースに貼っています)
(Reference Music)
Another Brick In The Wall, Part 2 - Pink Floyd
Neo STARGATE - MOMOIRO CLOVER Z
I'm Only Sleeping - The Beatles
Fake Plastic Trees - Radiohead
コトバテニス - Batten Girls
Iris - Goo Goo Dolls
Just mean it! - Batten Girls
Englishman in New York - Sting
One More Time - Daft Punk
Everybody's Got To Learn Sometime - Korgis
Shout - Tears For Fears
Everybody Wants to Rule the World - Tears For Fears
Cold As Ice - Foreigner
Too Many Hands - Eagles
New Frontier - Donald Fagen
The Boys of Summer - Don Henley
Captain Jack - Billy Joel
One More Time - AMEFURASSHI
Alice - Avril Lavigne
The Needle and the Damage Done - Neil Young
Tomorrow - Avril Lavigne
I Shot the Sheriff - Eric Clapton (song written by Bob Marley)
エイリアンズ - Non (Music by KIRINJI )
Boat On The River - Styx
Moonchild - King Crimson
ハイスペすぎて全てをつまらなく感じていた俺が狂人系女子達になつかれて新しい扉を開いた件~狂ってなければ全員アイドル級なのに~
司真 緋水銀
ライト文芸
何でもできるが故に全てがつまらない、やれやれ系主人公 響木 一斗(ヒビキ・カズト)はこれから新生活を始める高校一年生。
しかし一斗は期待も希望もなく、これからも中学時代と同様に無味乾燥な日々を送るのだろうと達観していた。
そんな中友人に変な部活があると聞いた一斗は興味本位で足を踏み入れる。
そこには狂気に染まった変人系女子の巣窟だった…
----------------------------
※
シュールで狂気なラブコメです。
テンポを重視しているため時折会話部分は台本形式になります。
【閲覧注意】な下ネタパロディネタ多数あります。
作者も何を書いているのかわかりません。
恋もバイトも24時間営業?
鏡野ゆう
ライト文芸
とある事情で、今までとは違うコンビニでバイトを始めることになった、あや。
そのお店があるのは、ちょっと変わった人達がいる場所でした。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中です※
※第3回ほっこり・じんわり大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます。※
※第6回ライト文芸大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます。※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる