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本編
オリジン
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「その話・・・詳しく説明できるか?」
「ああ、良いぞ。もう俺には失う物はないからな」
清水正武は感情がこもっていない真剣な表情で説明し始めた。
「清水家はヤクザの家系という1面じゃなくて科学者としての1面も持っている。かくいう俺も科学者の端くれだ。博士号とかは持ってないがな」
「お前ら清水家を警察は100年近く追っていたが、お前らの家系が全員科学者だなんて記録はないぞ」
「そりゃまあ秘密裏にやってたからな。拠点のパスワードが何個もある地下の薄暗い部屋で拉致してきた子供を実験体にしてな」
「嘘っ・・・!!なんて事を・・・!!」
さらさらと語られる衝撃的な発言に2人は驚き怒り悲しむ。
月島に至っては怒りで立ち上がり清水の胸倉を掴んだら程である。
「テメェもやってたのか?子供を拐って人体実験を?」
「・・・やってたと言ったら?」
怒りで狂いそうな月島を煽る清水。しかし、月島は挑発に乗ることなく胸倉から手を離した。
「・・・やっていないんだな?」
「身体が完全に成長しきっていない幼年期の人体を使うのはあまり俺の趣味ではないんだ。だから無能な部下や志願してきた部下を使って研究を進めていた。親父はどうやらガキを使ってたらしいけどな」
「・・・まさか、清水組の元組長が拐ってきた子供を実験体にして生まれたのが─────」
「ストロング・ソルジャー・・・だと俺は踏んでいる。それならアイツの清水家に対しての私怨も納得できる」
「お前の親父さんからは聞かされていないのか?」
「聞く前に死んだからな。もう1年殺されるのが遅かったら聞けただろうな」
「殺されたって?貴方のお父さんが!?一体誰に・・・」
「ストロング・ソルジャーにだよ」
「え────」
「どうした?まさかアイツが人殺しをしていないとでも思っていたのか?圧倒的なパワーで敵を戦闘不能にさせポリに明け渡すだけのいい子ちゃんヒーローだと思っていたのか?フッ・・・だとしたら残念だな。アイツは必要ならば人を殺す所謂ダークヒーローというやつなのさ」
「そ、そんな・・・・」
そんなはずはない。ストロング・ソルジャーは罪のない人を助け、悪党を懲らしめ悔い改めさせるスーパーヒーロー。平和の象徴だ。
そうだ、月島警部補なら嘘だとはっきり言ってくれるはず。殺しなんてするはずが───。
「月島警部補・・・今のは嘘ですよね・・・?」
「・・・・・・」
「月島警部補・・・?」
「ストロング・ソルジャーが殺しを行ったというのは確かだ。こいつの言い方は悪いが否定はできない」
「そんな・・・」
幼い頃───所沢での悲劇から救ってくれた最高のヒーロー・・・という輝かしいイメージが私の頭の中で音を立てて崩れる。13年間目標にしてきた物が崩れてしまった私は放心状態と化してしまった。
「茜君・・・?おいっ!!しっかりしろ!!どうしたんだ!?茜君!!」
月島警部補の声が聞こえる。けれど言葉を返す気力が私には無かった。揺らされても耳元で問いかけられても反応できなかった。
「ういーす。月島さん茜ちゃんお疲れー・・・ってどうしたんすか?」
「ああ丁度良かった。良かったら清水正武の尋問を引き継いでくれないか?茜君の様子がおかしくなっちゃって・・・」
「はい!俺も任された尋問終わって暇できたんで丁度良かったですわ・・・・さて、俺とお話をしようか?お兄さん」
「誰でも良い。もうどうあがこうが意味はないんだから」
「ああ、良いぞ。もう俺には失う物はないからな」
清水正武は感情がこもっていない真剣な表情で説明し始めた。
「清水家はヤクザの家系という1面じゃなくて科学者としての1面も持っている。かくいう俺も科学者の端くれだ。博士号とかは持ってないがな」
「お前ら清水家を警察は100年近く追っていたが、お前らの家系が全員科学者だなんて記録はないぞ」
「そりゃまあ秘密裏にやってたからな。拠点のパスワードが何個もある地下の薄暗い部屋で拉致してきた子供を実験体にしてな」
「嘘っ・・・!!なんて事を・・・!!」
さらさらと語られる衝撃的な発言に2人は驚き怒り悲しむ。
月島に至っては怒りで立ち上がり清水の胸倉を掴んだら程である。
「テメェもやってたのか?子供を拐って人体実験を?」
「・・・やってたと言ったら?」
怒りで狂いそうな月島を煽る清水。しかし、月島は挑発に乗ることなく胸倉から手を離した。
「・・・やっていないんだな?」
「身体が完全に成長しきっていない幼年期の人体を使うのはあまり俺の趣味ではないんだ。だから無能な部下や志願してきた部下を使って研究を進めていた。親父はどうやらガキを使ってたらしいけどな」
「・・・まさか、清水組の元組長が拐ってきた子供を実験体にして生まれたのが─────」
「ストロング・ソルジャー・・・だと俺は踏んでいる。それならアイツの清水家に対しての私怨も納得できる」
「お前の親父さんからは聞かされていないのか?」
「聞く前に死んだからな。もう1年殺されるのが遅かったら聞けただろうな」
「殺されたって?貴方のお父さんが!?一体誰に・・・」
「ストロング・ソルジャーにだよ」
「え────」
「どうした?まさかアイツが人殺しをしていないとでも思っていたのか?圧倒的なパワーで敵を戦闘不能にさせポリに明け渡すだけのいい子ちゃんヒーローだと思っていたのか?フッ・・・だとしたら残念だな。アイツは必要ならば人を殺す所謂ダークヒーローというやつなのさ」
「そ、そんな・・・・」
そんなはずはない。ストロング・ソルジャーは罪のない人を助け、悪党を懲らしめ悔い改めさせるスーパーヒーロー。平和の象徴だ。
そうだ、月島警部補なら嘘だとはっきり言ってくれるはず。殺しなんてするはずが───。
「月島警部補・・・今のは嘘ですよね・・・?」
「・・・・・・」
「月島警部補・・・?」
「ストロング・ソルジャーが殺しを行ったというのは確かだ。こいつの言い方は悪いが否定はできない」
「そんな・・・」
幼い頃───所沢での悲劇から救ってくれた最高のヒーロー・・・という輝かしいイメージが私の頭の中で音を立てて崩れる。13年間目標にしてきた物が崩れてしまった私は放心状態と化してしまった。
「茜君・・・?おいっ!!しっかりしろ!!どうしたんだ!?茜君!!」
月島警部補の声が聞こえる。けれど言葉を返す気力が私には無かった。揺らされても耳元で問いかけられても反応できなかった。
「ういーす。月島さん茜ちゃんお疲れー・・・ってどうしたんすか?」
「ああ丁度良かった。良かったら清水正武の尋問を引き継いでくれないか?茜君の様子がおかしくなっちゃって・・・」
「はい!俺も任された尋問終わって暇できたんで丁度良かったですわ・・・・さて、俺とお話をしようか?お兄さん」
「誰でも良い。もうどうあがこうが意味はないんだから」
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