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六章2つの世界

魔族の国でうごめく影

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「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

 失敗だった。なんでくじ引きで2人1組を決めてしまったのだろうか?

 もっとマシな理由があっただろうに。

 いや、もしかしたらどんな方法を使ってもこの人と一緒になっていたかもしれない。

「うう・・・なんで私がこんな男なんかと・・・」

「仕方ないでしょ?運の話なんですから」

 僕の相方は亮一や葵やシトラでもなく、プリクル女王だった。

 先程からぶつぶつと文句を垂れている。

 周りの目もとても気になるからやめてほしい。

 正体がバレたら色々と面倒だからとプリクル女王はフードを被っているが、何だかとても怪しい。それに加えてぶつぶつと僕に文句言っているせいで怪しさが増している気がする。

「て言うか僕に対して何だか当たりが強くないですか?」

「そんなことないですっ!」

 いやいやいや。他の人と話しているときは完全に言葉がつまって上手く話せていないのに僕の時だけ言葉をつまらせずにバンバン文句言ってきてるじゃありませんか。

 その事を指摘しようとしたが、後々面倒な事になりそうなのでやめておく。

「まだ僕の事を認めてくれないんですか?」

「当たり前でしょう!?」

 余程シトラの事が好きなのだろう。頑なに僕が婚約者だということを認めてはくれない。

「話は変わりますが、そちらの世界にも裂け目が出現したのですか?」

 180度変わった話題に少々戸惑うが、しっかりと答える。

「はい。しかも僕が住んでいる国のかなり大きな都市に」

 一体どれほどの犠牲者が出たのだろうか?1週間以上経った今でも犠牲者の正確な人数は分かっていないらしい。

「それは大変でしたね。でも別の世界に裂け目を作る事ができるのかしら?」

「さあ?僕も分かりません。専門の研究者でもないので」

「でしょうね。貴方のような平凡な男に分かるわけがありません」

 本当に一言一言が余計な人だなこの人は。悪口を言わなければただの美人なのに。

 正直に言ってしまおう。プリクル女王はフードを深く被っていても分かる程顔が整っている。

 目は琥珀色かつ肌は薄い紫色だが、人間が見ても惚れてしまうだろう。

「今何を考えていました?」

「えっ?いえ、何も・・・」

「いいえ!今絶対に私の悪口を頭の中で言っていたでしょう!?良いから白状しなさい!」

 そしてとても勘が良い。ラグドさんもびっくり物だ。

 またこのまま言わなければねちねちと文句を呪文の如く言われるだけだ。素直にいっておこう。

「僕はただ、悪口言わなければ美人なのになって思っただけです」

「なっ!び、美人!?だだだ誰が美人だっていうのよ!」

 やっぱり。この人僕に対しては露骨に強気だが、コミュニケーション能力が低いから誉め言葉には滅法弱いな。これはある意味チャンスかもしれない。

「貴女の事ですよプリクル女王。種族が違う僕ですが、そんな僕から見ても貴女は美しい。琥珀ように綺麗な瞳、卵のような肌。美人と呼ぶには十分な条件じゃないですか!」

 プリクルが顔を真っ赤にしながら焦り始める。効果は抜群のようだ。

 強気な態度は完全に消え、蚊のような声で話す。

「ででででも、長年働いている執事やメイド達は誰も私の事を美人なんかと・・・」

「元々小さい頃から可愛かったからなのでは?」

「かわっ!!───もう!何なのですか貴方は・・・」

 恥ずかしいそうに顔を真っ赤にするプリクルだが、満更でもない様子。

 歩はプリクルとの話に夢中になりながら歩く。するとあまり前の事をきにかけていなかったせいか、歩達が向かっている方向の人とぶつかってしまう。

 ぶつかった人が歩よりもガタイの良い人だった為、歩は尻餅をついてしまう。

「ちょっ!貴方何やっているのよ!」

 プリクルも我に返って、歩に手を差し伸べる。プリクルの優しさに甘えてプリクルの手を握って立ち上がる。

 そしてすぐさまぶつかってしまった人に謝った。

「すみません。お怪我はありませんでしたか?」

「いや・・・大丈夫だ・・・」

 歩がぶつかったのは全身黒ずくめの巨漢だった。肌が紫色でない所からすると、人間だろうか?

 プリクルのようにフードを深く被っているせいでよく顔は見えない。

 巨漢は歩とぶつかったことなど無かったかのように歩とプリクルの横を歩いていった。

「・・・なんだったんだあの人・・・?」

 思わず歩もキョトンと顔である。だが、プリクルは違った。まるで獲物を見つけた虎のような目差しで歩達の歩いてきた道を歩く巨漢を睨み付けていた。

「ダメですよ!しらない人をそんなジロジロ見たら!」

 人とのコミュニケーションがないから常識が出来ていないのかと思った歩はプリクルに睨み付けるのも止めるよういうが、全くやめようとしない。

「プリクル女王!───」

「怪しくない?」

「えっ?」

「あの男の人・・・スッゴい怪しい」

 致命的に語彙力が無いが、言いたい事は分かった。

 つまりだ───。

「尾行したいんですね?」

「そう!意外と勘が良いのね貴方も」

 ニヤリと厭らしそうに笑うプリクル。

 プリクル女王が尾行したいのなら従うが、この人の性格上ドジを踏みそうな気がする。

 かと言ってここで待ってろと言ったら駄々をこねそうだ。

 ヘマしてもフォローできるように構えておこう。



 プリクル女王の勘はみごとにあたっていた。

 巨漢の男を追って数分。辿り着いたのは古い誰も住んでいさなそうな屋敷だった。

 壁にはツタが生え、窓ガラスは割れ、建物を形成するレンガは所々割れている。

 そんなボロ屋敷に巨漢の男は入っていった。

 扉は古びており、軋む音でバレる可能性があったので、割れた窓から入ることにした。

 一回巨漢を見失ってしまったが、別の部屋から話し声が聞こえてきたので、すぐに場所が分かった。

 巨漢が入っていったのは食事場所だった。壁に空いた穴から見ると、蜘蛛の糸が張ってあったり、ネズミが普通に床を歩いているところを見ると、やはり誰も住んではいないようだ。

 プリクル女王曰く、私が生まれる前に没落した貴族の屋敷なのだとか。

 食事場所にいたのは巨漢だけではなく、背がひょろりと高く、爪楊枝のように細い身体の男もいた。こちらも肌が紫ではない所から人間・・・いや、耳が異様に長い所からしてエルフだろう。

 全く体格の違う2人は厳格な顔で話し合いをしている。

「それで、結果はどうだった?」

「あまりよろしくないようでして・・・ゴブリンが数体しか出てきませんでした」

「やはりあの結界が問題か・・・もっと出力を上げて、大胆な調整をしてみるとしよう」

 プリクル女王の勘はやはり光る物がある。まさか本当に黒だとは思わなかった。

 凄く自慢気にこちらを見て厭らしくニヤけているが。

 見たところ、ガリガリの男の方が立場的には上らしい。

 脅迫して聞き出すにはガリガリの方を捕らえたほうが良いかもしれない。

 いや、待てよ。もしあの巨漢が構わずこちらに突進してこないだろうか?可能性としては少しあり得る。

 『サーチ』を発動して巨漢とガリガリのレベルとステータスを確認。

 巨漢の方がレベル42の筋力と耐久力が高い近接型のタイプでガリガリの方はレベル44の魔力が高めの魔術師タイプ。

 どちらも侮れないレベルだ。ガリガリの方を捕らえて脅して情報を聞き出すのは至難の業かもしれない。

 ならば、プリクル女王に頼んで牢獄にぶちこんだ後に尋問にかけるか・・・。

「プリクル女王、今から僕があいつらをコテンパンにします。そしたら牢獄にぶちこんでその後に尋問を────」

「ふぁふぁった、ふぁふぁった」

 なぜかいきなり滑舌が悪いプリクル女王何か我慢をしているようだ。

 歩にはすぐに分かった。くしゃみだ。

「良いですか!?ここでぶっぱなしたら僕らの存在即バレですよ!?鼻の下を押してみて下さい。次第にくしゃみが───」

「ハァッックショョョイ!!」

 そのくしゃみはボロ屋敷全体に響くまでそう時間はかからなかった。

 ネズミもくしゃみに驚いてしまったのだろうか、チュウチュウと鳴いて巣に戻っていった。

 そして、始まる1秒間の沈黙。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・ごめんなさい」

 この人と絶対に潜伏はしない。そう心に誓った歩であった。

「誰じゃあ!いるのは今のくしゃみで分かってんだよぉ!」 

「落ち着きなさい用心棒君。そんな声出さなくても敵は逃げられないようにしていますから───バリア展開!」

 ガリガリの男が宣言すると、ボロ屋敷を半透明の青い結界が囲んだ。

 籠の中の鳥状態になってしまった。

「さあ、これでネズミは駆除されるしかなくなりましたね。用心棒君、やってしまいさない!」

「金をもらってるからにはしっかりと働かなければな!!」

 壁に立て掛けていた歩の身体ぐらいはあるであろう大剣を軽々と持ち上げると、そこらじゅうのテーブルや暖炉を壊して挑発してくる。

「・・・はぁ、仕方ない」

 剣を持ってきておいて良かった。無かったら素手であの大剣使いの巨漢と戦わなければいけないところだった。

 レベルの差は開いてはいるが、流石に素手で大剣と戦うのは少々面倒だ。

 プリクル女王は武器を持っているだろうか?

 歩がプリクルに目を向けると、理解したようで、腰に取りつけていた15センチの棒を手に取った。

 最初はよく分からなかったが、プリクル女王が手に取った棒には魔力が込められている。葵が使う杖と同じだ。

 準備ができたところで食事場所のドアを開いて正体を巨漢とガリガリの男に見せる。

「はっ!どんなヤツかと思ったらただのガキか!笑わせてくれる!」

「ガキだと思って甘く見るなよ?ちなみに僕はもう20歳だ!!」

 もう、ガキではない。そこは拘らせてくれ。
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