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三章音速の騎士
夏祭り
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「・・・・・・」
「んぬゅ・・・」
ここは・・・。目が覚めたのか?
手を見るが、夢の時のように透けてはいなかった。
不思議な体験だった。まさか自分の前世を夢で見るなんて・・・。
しかも目覚めた今でも夢の中での記憶が明瞭だ。夢という物は本来目が覚めたら曖昧になっているもの。
それをこんなにもはっきりと覚えているなんて・・・。今見た夢は本当に夢だったのか?
「ま、いっか・・・」
まだ寝たりないのか頭が冴えなかった。
窓を見てみるとまだ日が空に昇りきっていない。
起きるのが早すぎたようだ。現に今隣ですやすやと眠るシトラは起きる気配がない。
「もっかい寝るか・・・」
僕は睡眠欲に身を委ねる事にした。
★
「ふんふん、前世の夢をね・・・」
「うん、それもはっきりと今も覚えているんだ」
「夢をはっきりと覚えられている事なんて有り得るのか?」
歩とシトラは8時に帰ってきた冬馬と共に食卓を囲んでいた。
今日の朝御飯は卵の賞味期限が心許ないので、ベーコンエッグサンドにした。
ベーコンと目玉焼きの組合わせはやはり最強だ。
ベーコンエッグサンドを食べながら僕は昨夜の夢の話をした。
「前世の夢を見る事は不思議じゃないわ。アタシだって見たことあるらしいもん」
「らしいって何?覚えてないの?」
「うん、だって3歳の頃見た夢だもの。覚えていないわ。3歳のアタシがお母さんに話した内容を16歳になったアタシが聞いたわけ」
成る程、珍しい事ではあるが、有り得ない事ではないのか。
だが、謎は解けない。何故前世の記憶が思い出として見れるのだろうか?
「何で前世の記憶が夢で見れるの?僕の前世の記憶は半年前消えたはずだけど・・・」
「何でも思い入れ深い思い出は魂に刻まれるらしいわよ。ファフニール退治は英雄シグルが有名になった話だから自分でも思い入れがあったんじゃない?」
確かに。ファフニールは恐ろしい怪物だった。短い人生で1度見れるか見れないか分からない程の。
あんな怪物を倒したら魂にも刻まれるのも納得いく。
しかし、それだけではないと思うのは何故だろう?
最後に現れた謎の男が関係しているのか・・・?
「歩、どうしたの?」
「いや、何でもない。それよりも早く食べちまおう。早く開店の準備しないとな」
★
蝉が途切れなく鳴き続ける昼下がり。シトラがかき氷を食べにきた親子のお会計をしていた時の事である。
「お会計1240円です」
「はい、丁度あったわ♪」
常連客と奥様が財布から1240円丁度出す。
「ねえねえ、そういえばシトラちゃんは今日のお祭りは行くの?」
「お祭り・・・ですか・・・?」
「そうよ。夏川の夏祭りよ」
夏祭りという単語を初めて聞くシトラは頭にハテナを浮かべる。
「あら、そっちの方には夏祭りはないの?」
実は言うと、ここ『憩いの場』の常連客はシトラがラグナロクから来たエルフという種族という事は知っているのだ。
あとついでに歩と恋仲である事も。
「春祭りはありますが、夏祭りは聞いた事はないですね」
エルフは花等の植物を愛する種族。寒い冬が過ぎ、春を迎えた事を祝う。
エルフ達は桜の木の下で酒を煽り歌に合わせて踊り騒ぐ。
日本の花見にとても近い祭りだ。
「あら、そうなの。なら、歩君と行って来なさいな。夜空に咲く花火は自然の物と違ってとても綺麗よ」
「花火?何ですかそれ?」
「あら?そっちの世界には花火もないの?」
「いえ、多分極東にはあると思います。でもアタシが住んでいたエルフの国では花火という物はありませんでした」
「なら、教えて上げる。花火っていうのはね、空に一瞬だけ咲く火の花よ」
火の花と聞いたシトラは燃え盛る炎を連想する。何だか危なっかしそうな物だな。
でも、お薦めされるぐらいなのだから相当に素晴らしい物なのだろう。この世界の事はもっと知りたいし、是非ともその夏祭りに行きたい。
「何だかとても面白いそうなので歩連れて行ってきます」
「決まりね!歩君に聞けば詳しい詳細は聞けると思うから」
と言い残して常連客の女性はまだ年端もいかない少女の手を引いて店を出ていった。
「お姉ちゃん、じゃあね!」
「また来てね~」
少女が笑顔で手を振るとシトラも笑顔で手を振り返した。
「・・・さて」
店を見回してみる。
誰もいない。お客の足は一旦止まったようだ。
ならば────。
「歩~、ちょっと相談があるんだけど───」
彼女は愛しい男のいる厨房へと姿を消した。
★
「花火ね・・・」
「佐々木さんがあんなにお薦めするんだからきっと面白いに決まってるわ!歩、連れてって!」
シトラの目は磨いた宝石のようにキラキラしていた。その瞳がとても眩しい。
興味津々のようだ。だったら恋人として願いを叶えなければならない。
「うん、行こっか!」
「やたー!」
シトラは跳ねて喜ぶ。その笑顔は無邪気そのものだ。
「じゃあ、父さんにも言っておかないと───」
早速父に了承を貰いに行こうと後ろを振り向いた歩の口が止まる。
いつの間にか冬馬は壁に寄っ掛かってどや顔を決めていた。
「話は聞いたぜ、歩・・・」
「・・・盗み聞きは良くないよ父さん」
「たまたまだよ、タマタマ。それに盗み聞きではない。お前の様子を見に来たら夏祭りの話が耳に入ったからこっそり聞いていただけさ」
それを世間では盗み聞きと言う。父ではなかったらおでこにデコピンを喰らわせていた。実際危ないからやった事はないが。
普通の人がやったデコピンはそこまで威力は出ないだろう。だが、ステータスカード所有者である僕がデコピンをやったら首の骨は確実に折れる。
「でもこれなら話が早い。行って良いかな夏祭り」
「勿論、良いぜ。・・・それにしても懐かしいなぁ、花火」
「そういえば父さんが逆プロポーズされたのって・・・」
「そう、人生初めての花火を美和子と見に行った時さ」
カッコつけていた冬馬の顔が急変し、暗い顔になる。
「初めて?花火は極東の伝統みたいな物じゃないの?」
「そういえばシトラちゃんには話していなかったな。良いだろう、この際話しておこう」
冬馬は少し間を空けると真面目な顔をして話した。
「俺には昔の・・・美和子に会う前の記憶がない」
シトラは衝撃の言葉に唾を飲む。
歩の顔からも笑顔が消えている。
「ちょっと長い話になるけど、イライラせずに聞いてくれ」
「んぬゅ・・・」
ここは・・・。目が覚めたのか?
手を見るが、夢の時のように透けてはいなかった。
不思議な体験だった。まさか自分の前世を夢で見るなんて・・・。
しかも目覚めた今でも夢の中での記憶が明瞭だ。夢という物は本来目が覚めたら曖昧になっているもの。
それをこんなにもはっきりと覚えているなんて・・・。今見た夢は本当に夢だったのか?
「ま、いっか・・・」
まだ寝たりないのか頭が冴えなかった。
窓を見てみるとまだ日が空に昇りきっていない。
起きるのが早すぎたようだ。現に今隣ですやすやと眠るシトラは起きる気配がない。
「もっかい寝るか・・・」
僕は睡眠欲に身を委ねる事にした。
★
「ふんふん、前世の夢をね・・・」
「うん、それもはっきりと今も覚えているんだ」
「夢をはっきりと覚えられている事なんて有り得るのか?」
歩とシトラは8時に帰ってきた冬馬と共に食卓を囲んでいた。
今日の朝御飯は卵の賞味期限が心許ないので、ベーコンエッグサンドにした。
ベーコンと目玉焼きの組合わせはやはり最強だ。
ベーコンエッグサンドを食べながら僕は昨夜の夢の話をした。
「前世の夢を見る事は不思議じゃないわ。アタシだって見たことあるらしいもん」
「らしいって何?覚えてないの?」
「うん、だって3歳の頃見た夢だもの。覚えていないわ。3歳のアタシがお母さんに話した内容を16歳になったアタシが聞いたわけ」
成る程、珍しい事ではあるが、有り得ない事ではないのか。
だが、謎は解けない。何故前世の記憶が思い出として見れるのだろうか?
「何で前世の記憶が夢で見れるの?僕の前世の記憶は半年前消えたはずだけど・・・」
「何でも思い入れ深い思い出は魂に刻まれるらしいわよ。ファフニール退治は英雄シグルが有名になった話だから自分でも思い入れがあったんじゃない?」
確かに。ファフニールは恐ろしい怪物だった。短い人生で1度見れるか見れないか分からない程の。
あんな怪物を倒したら魂にも刻まれるのも納得いく。
しかし、それだけではないと思うのは何故だろう?
最後に現れた謎の男が関係しているのか・・・?
「歩、どうしたの?」
「いや、何でもない。それよりも早く食べちまおう。早く開店の準備しないとな」
★
蝉が途切れなく鳴き続ける昼下がり。シトラがかき氷を食べにきた親子のお会計をしていた時の事である。
「お会計1240円です」
「はい、丁度あったわ♪」
常連客と奥様が財布から1240円丁度出す。
「ねえねえ、そういえばシトラちゃんは今日のお祭りは行くの?」
「お祭り・・・ですか・・・?」
「そうよ。夏川の夏祭りよ」
夏祭りという単語を初めて聞くシトラは頭にハテナを浮かべる。
「あら、そっちの方には夏祭りはないの?」
実は言うと、ここ『憩いの場』の常連客はシトラがラグナロクから来たエルフという種族という事は知っているのだ。
あとついでに歩と恋仲である事も。
「春祭りはありますが、夏祭りは聞いた事はないですね」
エルフは花等の植物を愛する種族。寒い冬が過ぎ、春を迎えた事を祝う。
エルフ達は桜の木の下で酒を煽り歌に合わせて踊り騒ぐ。
日本の花見にとても近い祭りだ。
「あら、そうなの。なら、歩君と行って来なさいな。夜空に咲く花火は自然の物と違ってとても綺麗よ」
「花火?何ですかそれ?」
「あら?そっちの世界には花火もないの?」
「いえ、多分極東にはあると思います。でもアタシが住んでいたエルフの国では花火という物はありませんでした」
「なら、教えて上げる。花火っていうのはね、空に一瞬だけ咲く火の花よ」
火の花と聞いたシトラは燃え盛る炎を連想する。何だか危なっかしそうな物だな。
でも、お薦めされるぐらいなのだから相当に素晴らしい物なのだろう。この世界の事はもっと知りたいし、是非ともその夏祭りに行きたい。
「何だかとても面白いそうなので歩連れて行ってきます」
「決まりね!歩君に聞けば詳しい詳細は聞けると思うから」
と言い残して常連客の女性はまだ年端もいかない少女の手を引いて店を出ていった。
「お姉ちゃん、じゃあね!」
「また来てね~」
少女が笑顔で手を振るとシトラも笑顔で手を振り返した。
「・・・さて」
店を見回してみる。
誰もいない。お客の足は一旦止まったようだ。
ならば────。
「歩~、ちょっと相談があるんだけど───」
彼女は愛しい男のいる厨房へと姿を消した。
★
「花火ね・・・」
「佐々木さんがあんなにお薦めするんだからきっと面白いに決まってるわ!歩、連れてって!」
シトラの目は磨いた宝石のようにキラキラしていた。その瞳がとても眩しい。
興味津々のようだ。だったら恋人として願いを叶えなければならない。
「うん、行こっか!」
「やたー!」
シトラは跳ねて喜ぶ。その笑顔は無邪気そのものだ。
「じゃあ、父さんにも言っておかないと───」
早速父に了承を貰いに行こうと後ろを振り向いた歩の口が止まる。
いつの間にか冬馬は壁に寄っ掛かってどや顔を決めていた。
「話は聞いたぜ、歩・・・」
「・・・盗み聞きは良くないよ父さん」
「たまたまだよ、タマタマ。それに盗み聞きではない。お前の様子を見に来たら夏祭りの話が耳に入ったからこっそり聞いていただけさ」
それを世間では盗み聞きと言う。父ではなかったらおでこにデコピンを喰らわせていた。実際危ないからやった事はないが。
普通の人がやったデコピンはそこまで威力は出ないだろう。だが、ステータスカード所有者である僕がデコピンをやったら首の骨は確実に折れる。
「でもこれなら話が早い。行って良いかな夏祭り」
「勿論、良いぜ。・・・それにしても懐かしいなぁ、花火」
「そういえば父さんが逆プロポーズされたのって・・・」
「そう、人生初めての花火を美和子と見に行った時さ」
カッコつけていた冬馬の顔が急変し、暗い顔になる。
「初めて?花火は極東の伝統みたいな物じゃないの?」
「そういえばシトラちゃんには話していなかったな。良いだろう、この際話しておこう」
冬馬は少し間を空けると真面目な顔をして話した。
「俺には昔の・・・美和子に会う前の記憶がない」
シトラは衝撃の言葉に唾を飲む。
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「ちょっと長い話になるけど、イライラせずに聞いてくれ」
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