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最終章 探究者と門番
27話 カミングアウト
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魂をしっかりと意識したのは、3時間前の父さんが初めてだ。寧ろ、そんなに意識する人は少ないだろう。
方法を知っていたという事は、リャオさんはやる事ができたのだろう。しかし、何らかの原因でそれが不可能になった為、一縷の賭けとして俺に頼んだのだろう。
正直言って自信がない。ぶっつけ本番で成功した事はほとんどないから。
「何となく事情は分かったから、コピーの対処はあたし達に任せて、集中しな!!」
「集中・・・魔術を使う時の要領で良いのかな?」
「いや、違う。相手の心を読むんだ。心と魂は一蓮托生の存在。心を読めれば、魂をほんのりと見る事が出来る・・・」
「んな事できるわけないでしょうが!ジジイ!もっと、分かりやすい説明をしなさい!!」
「と言っても説明が難しいというか、説明するのがわし自身下手くそというか・・・」
リャオさんは、今まで人に対して師事してきた事は少ないようだ。心を読んだ事が無いからやり方が分からない。分からないが、得意な人、常にやっている人なら知っている。今、俺を守ってくれる人の中で2人もやる。彼女ならきっと上手く説明してくれるはずだ。
「シュエリ王女!!」
「は、はい!なんでしょうか!?」
どうやら、今は心を読んでいないようだ。確か、相当の集中が必要と聞いた。敵に囲まれている状況では、人の心もそう簡単には読めないだろう。
「読心魔術ってどうやってやってるの!?」
読心魔術は心を読む超高難易度の魔術。即興で出来る魔術ではないが、コツぐらいは教えてもらえるはずだ。
心を読めば、魂も読める。そういう算段だ。
「わ、わたくしが呼んだ本によりますと、読心魔術は、相手の顔を良く観察し、相手の言葉、心臓の音に耳を澄ませる。そうする事によって内に秘めた心を読む事が出来ると書いてありました」
「つまりは人間観察ってわけか・・・1人ずつ観察していく必要がありそうだ・・・」
今、宙を浮遊しているルミナの数はおよそ50体。その中から本物のルミナを探し出すとなると、至難の業かもしれない。俺は、魂の大小を判断できるのか?そもそも、心を読むコツを聞いただけで、魂を見る事が出来るのだろうか・・・。
「「「「キャハハ!!無理無理!私の心を読むなんて出来っこない!リャオや、そこのエルフのお姫様ならまだしも、ただのヒューマンが!!」」」」
「・・・いや、それは違うぞ。賢者ルミナ」
「「「「・・・何言ってるの?どう見たってただのヒューマンじゃないの」」」」
「あれ?意外と、賢者って人を見かけで判断するんだね。色んな才能持ってるくせに、誰でも出来る方法で判断しちゃうんだ」
「「「「ごめんなさい、私人間には興味なくて、見かけで判断しちゃうの!」」」」
「そっか・・・じゃあ、今まで生贄にしてきた人達も覚えていないってわけか~」
「「「「あの子達は特別♪しっかりと記憶に刻んでいるわ!得に貴方が破壊した生贄の子!凄い魔力量と才能だったわ!一瞬弟子にするか悩んだくらいだもん!!」」」」
「・・・そっか、そこまで覚えてるなら顔も勿論覚えてるよね?」
「「「「うっすらとn────ん?貴方、良く見るとその顔・・・まさか!!」」」」
今更というべきか、今まで気にしていなかったというべきか。賢者ルミナ達は俺の正体に気づいたようだ。
「でも、あり得ない!あの子を殺して生贄にしたのは20年くらい前!そして、貴方は肉体年齢的に20歳!攫った時に貴方は幼児のはず!でも、攫った時に部屋に幼児は何処にも」
「ところがどっこい!母さんは俺を知り合いの孤児院経営者に預けてたんだよ!自分の身に起きる危機を察知してな!!」
「嘘でしょ!?この私が見落とし!?ていうか、感で自分の危機を察知したってどういう事!?未来予知の能力でもあったわけ?あの子は!!」
「さあね?もう調べようがないな~あんたが殺しちゃったから」
「あぁ!なんて惜しい事をしてしまったの!!もし、その事を事前に知っていたら研究していたのに!いや、今からでも遅くないはず!遺体から遺伝子情報を採取してクローンを作ればまだ可能性が────」
「そんな可能性、もうあんたにはないよ」
「・・・へ?」
過去の自分の行動に酷く後悔しながら宙を浮遊するルミナ。その目の前には刀を大きく振りかぶりとびかかってきていた翡翠がいた。
「あっ・・・」
急いで防御魔術で身を守ろうとしたが、もう遅い。防御を完成させるよりも速い翡翠の一刀がルミナの体を斬り裂いた。
「な・・・何で?」
「何でって何が?ただ、本体を斬り裂いただけじゃん」
「違う・・・何で分かったの?」
翡翠は別に魂を見ていない。それ以前に途中で魂を見ようと試みる事を止めていた。それなのに、今ルミナを斬った。オリジナルの賢者ルミナを。
ルミナからしたら、不思議で仕方無かった。しかし、翡翠からしたら全く不思議ではなかった。何故なら・・・。
「だって、あんただけ驚いてたんだもん」
「・・・へ?」
「厳密には驚いてたけど、オリジナルであるあんたレベルでは驚いてなかったよ」
「そう、なの・・・?」
「多分だけど、クローンは記憶として持っているだけで、体験はしていないからじゃないからかな?実体験と聞いた話じゃ大きな違いがあるみたいな!」
「そっか・・・クローンの欠点、見つかっちゃった☆」
賢者ルミナ撃破。敗北理由、クローンの弱点&20年越しの衝撃のカミングアウト。
方法を知っていたという事は、リャオさんはやる事ができたのだろう。しかし、何らかの原因でそれが不可能になった為、一縷の賭けとして俺に頼んだのだろう。
正直言って自信がない。ぶっつけ本番で成功した事はほとんどないから。
「何となく事情は分かったから、コピーの対処はあたし達に任せて、集中しな!!」
「集中・・・魔術を使う時の要領で良いのかな?」
「いや、違う。相手の心を読むんだ。心と魂は一蓮托生の存在。心を読めれば、魂をほんのりと見る事が出来る・・・」
「んな事できるわけないでしょうが!ジジイ!もっと、分かりやすい説明をしなさい!!」
「と言っても説明が難しいというか、説明するのがわし自身下手くそというか・・・」
リャオさんは、今まで人に対して師事してきた事は少ないようだ。心を読んだ事が無いからやり方が分からない。分からないが、得意な人、常にやっている人なら知っている。今、俺を守ってくれる人の中で2人もやる。彼女ならきっと上手く説明してくれるはずだ。
「シュエリ王女!!」
「は、はい!なんでしょうか!?」
どうやら、今は心を読んでいないようだ。確か、相当の集中が必要と聞いた。敵に囲まれている状況では、人の心もそう簡単には読めないだろう。
「読心魔術ってどうやってやってるの!?」
読心魔術は心を読む超高難易度の魔術。即興で出来る魔術ではないが、コツぐらいは教えてもらえるはずだ。
心を読めば、魂も読める。そういう算段だ。
「わ、わたくしが呼んだ本によりますと、読心魔術は、相手の顔を良く観察し、相手の言葉、心臓の音に耳を澄ませる。そうする事によって内に秘めた心を読む事が出来ると書いてありました」
「つまりは人間観察ってわけか・・・1人ずつ観察していく必要がありそうだ・・・」
今、宙を浮遊しているルミナの数はおよそ50体。その中から本物のルミナを探し出すとなると、至難の業かもしれない。俺は、魂の大小を判断できるのか?そもそも、心を読むコツを聞いただけで、魂を見る事が出来るのだろうか・・・。
「「「「キャハハ!!無理無理!私の心を読むなんて出来っこない!リャオや、そこのエルフのお姫様ならまだしも、ただのヒューマンが!!」」」」
「・・・いや、それは違うぞ。賢者ルミナ」
「「「「・・・何言ってるの?どう見たってただのヒューマンじゃないの」」」」
「あれ?意外と、賢者って人を見かけで判断するんだね。色んな才能持ってるくせに、誰でも出来る方法で判断しちゃうんだ」
「「「「ごめんなさい、私人間には興味なくて、見かけで判断しちゃうの!」」」」
「そっか・・・じゃあ、今まで生贄にしてきた人達も覚えていないってわけか~」
「「「「あの子達は特別♪しっかりと記憶に刻んでいるわ!得に貴方が破壊した生贄の子!凄い魔力量と才能だったわ!一瞬弟子にするか悩んだくらいだもん!!」」」」
「・・・そっか、そこまで覚えてるなら顔も勿論覚えてるよね?」
「「「「うっすらとn────ん?貴方、良く見るとその顔・・・まさか!!」」」」
今更というべきか、今まで気にしていなかったというべきか。賢者ルミナ達は俺の正体に気づいたようだ。
「でも、あり得ない!あの子を殺して生贄にしたのは20年くらい前!そして、貴方は肉体年齢的に20歳!攫った時に貴方は幼児のはず!でも、攫った時に部屋に幼児は何処にも」
「ところがどっこい!母さんは俺を知り合いの孤児院経営者に預けてたんだよ!自分の身に起きる危機を察知してな!!」
「嘘でしょ!?この私が見落とし!?ていうか、感で自分の危機を察知したってどういう事!?未来予知の能力でもあったわけ?あの子は!!」
「さあね?もう調べようがないな~あんたが殺しちゃったから」
「あぁ!なんて惜しい事をしてしまったの!!もし、その事を事前に知っていたら研究していたのに!いや、今からでも遅くないはず!遺体から遺伝子情報を採取してクローンを作ればまだ可能性が────」
「そんな可能性、もうあんたにはないよ」
「・・・へ?」
過去の自分の行動に酷く後悔しながら宙を浮遊するルミナ。その目の前には刀を大きく振りかぶりとびかかってきていた翡翠がいた。
「あっ・・・」
急いで防御魔術で身を守ろうとしたが、もう遅い。防御を完成させるよりも速い翡翠の一刀がルミナの体を斬り裂いた。
「な・・・何で?」
「何でって何が?ただ、本体を斬り裂いただけじゃん」
「違う・・・何で分かったの?」
翡翠は別に魂を見ていない。それ以前に途中で魂を見ようと試みる事を止めていた。それなのに、今ルミナを斬った。オリジナルの賢者ルミナを。
ルミナからしたら、不思議で仕方無かった。しかし、翡翠からしたら全く不思議ではなかった。何故なら・・・。
「だって、あんただけ驚いてたんだもん」
「・・・へ?」
「厳密には驚いてたけど、オリジナルであるあんたレベルでは驚いてなかったよ」
「そう、なの・・・?」
「多分だけど、クローンは記憶として持っているだけで、体験はしていないからじゃないからかな?実体験と聞いた話じゃ大きな違いがあるみたいな!」
「そっか・・・クローンの欠点、見つかっちゃった☆」
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