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2章 Aを目指せ
69話 頭脳で倒す
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「とりあえず、ここいらの魔物は全部殺す?殺して良いよね?アタシとファルコの思い出の場所を汚したんだから」
「そしたら、今度は魔物の血でここが汚れますよ、ヘリナ先輩」
この温度なら、血なんかすぐに凍ってしまう。凍った血を落とすのは一筋縄では行かないぞ・・・。
「じゃあ、どうすんの?このまま奥にいるかもしれない魔族を直接叩きに行くの?」
「それもあんまり良い案ではないですね。魔族は魔物を操ります。魔族にここにいる魔物を呼ばれたらひとたまりもありません」
「じゃあ、なんか良い案はある?頭の回転が良いアンタなら良い解決案があるんでしょう?」
「はい。まず、魔物達を誘き寄せます。そして、外へと誘導する。そしたら────」
「デビン洞窟を汚さずに魔物が殺せるってわけね」
「洞窟を汚さないが、結局戦うのかよ・・・面倒くさ」
「そんな事言わないの。ほら、さっさと始めるよ」
これは推測に過ぎないが、デビン洞窟に入った時点で魔族には存在を気づかれていると思う。洞窟に入った時、痛くはなかったが、体がピリッと痺れた。しかも、俺だけでなく他の3人も感じたという。
恐らく、入り口に出入りを管理する結界のようなものを張っていたのだろう。用意周到だ。
なので、気づかれたく無いから小さな音でというのはしない。しっかりと大音を立てて魔物達の注目を引く。しかし、大きな音が出る道具なんか持っていない。かと言って、叫ぶのもなんか違うような気がする。
そんな気がしたので。
「『ファイア』」
1番近くにいた魔物を燃やしてみせた。するとどうだろう?熱さに耐え斬れなくなった魔物がゴロゴロと悶え苦しみ、絶叫し始めたではないか。
数分後、魔物の体から燃える部分は失われ、残ったのはかつて生き物だった黒焦げた物体。それを見た他の魔物達は────。
「キェェエエエエエ!!」「キュアン!キュアン!」「フロォオオオオオ!!」
怒った。その怒りが侵入に気づいたことによるものなのか、仲間を殺されたことによるものなのかは定かではないが、周辺の魔物達が一斉に襲いかかってきた。
全魔物が、だ。誰1人として洞窟の奥へは行こうとしなかった。普通なら侵入者の報告する状況だが、それを魔物達は行わなかったのだ。
普段、魔物の中には天敵から身を守る為に、天敵の出現を仲間達に伝える連絡係という役割が存在する今、洞窟に集まっている魔物の中にも連絡係が種の習性として身についている種族がいる。
それをやらないという事は、つまり自由を奪われているという事。つまりこの奥に魔族がいることは確定だ。
「『スパーク』ッ!!」
デビン洞窟には全体に氷が張っている。その為、電気を流して電気を走らせる事が可能となっている。
「「「ウビビビビビビ・・・!!」」」
こちらに向かってきていた魔物の方へと向かい、魔物達を感電死させた。因みに電気の魔法を使ったのはファルコでも無ければ、パルスでもない。
ラーバさんだ。
「これなら、一体ずつ倒さずに楽に討伐できるでしょ?」
「・・・ちょっと頭が固かったかもしれません」
この機転の速さは俺も見習わなくては。
魔物を倒しきった事を確認した俺達は、奥へと進むことにした。
「そしたら、今度は魔物の血でここが汚れますよ、ヘリナ先輩」
この温度なら、血なんかすぐに凍ってしまう。凍った血を落とすのは一筋縄では行かないぞ・・・。
「じゃあ、どうすんの?このまま奥にいるかもしれない魔族を直接叩きに行くの?」
「それもあんまり良い案ではないですね。魔族は魔物を操ります。魔族にここにいる魔物を呼ばれたらひとたまりもありません」
「じゃあ、なんか良い案はある?頭の回転が良いアンタなら良い解決案があるんでしょう?」
「はい。まず、魔物達を誘き寄せます。そして、外へと誘導する。そしたら────」
「デビン洞窟を汚さずに魔物が殺せるってわけね」
「洞窟を汚さないが、結局戦うのかよ・・・面倒くさ」
「そんな事言わないの。ほら、さっさと始めるよ」
これは推測に過ぎないが、デビン洞窟に入った時点で魔族には存在を気づかれていると思う。洞窟に入った時、痛くはなかったが、体がピリッと痺れた。しかも、俺だけでなく他の3人も感じたという。
恐らく、入り口に出入りを管理する結界のようなものを張っていたのだろう。用意周到だ。
なので、気づかれたく無いから小さな音でというのはしない。しっかりと大音を立てて魔物達の注目を引く。しかし、大きな音が出る道具なんか持っていない。かと言って、叫ぶのもなんか違うような気がする。
そんな気がしたので。
「『ファイア』」
1番近くにいた魔物を燃やしてみせた。するとどうだろう?熱さに耐え斬れなくなった魔物がゴロゴロと悶え苦しみ、絶叫し始めたではないか。
数分後、魔物の体から燃える部分は失われ、残ったのはかつて生き物だった黒焦げた物体。それを見た他の魔物達は────。
「キェェエエエエエ!!」「キュアン!キュアン!」「フロォオオオオオ!!」
怒った。その怒りが侵入に気づいたことによるものなのか、仲間を殺されたことによるものなのかは定かではないが、周辺の魔物達が一斉に襲いかかってきた。
全魔物が、だ。誰1人として洞窟の奥へは行こうとしなかった。普通なら侵入者の報告する状況だが、それを魔物達は行わなかったのだ。
普段、魔物の中には天敵から身を守る為に、天敵の出現を仲間達に伝える連絡係という役割が存在する今、洞窟に集まっている魔物の中にも連絡係が種の習性として身についている種族がいる。
それをやらないという事は、つまり自由を奪われているという事。つまりこの奥に魔族がいることは確定だ。
「『スパーク』ッ!!」
デビン洞窟には全体に氷が張っている。その為、電気を流して電気を走らせる事が可能となっている。
「「「ウビビビビビビ・・・!!」」」
こちらに向かってきていた魔物の方へと向かい、魔物達を感電死させた。因みに電気の魔法を使ったのはファルコでも無ければ、パルスでもない。
ラーバさんだ。
「これなら、一体ずつ倒さずに楽に討伐できるでしょ?」
「・・・ちょっと頭が固かったかもしれません」
この機転の速さは俺も見習わなくては。
魔物を倒しきった事を確認した俺達は、奥へと進むことにした。
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