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4章 全ての元凶

126話 17歳vs400歳

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「なっ!!」

「もう逃げる場所はありませんよ!!ニコちゃん!!おとなしくお縄について下さい!!今ならきっと引き返せます!!田舎のご両親も泣いていますよ!!」

 この状況で言えるテンプレート全部言ったな。酒場に置いてあった小説でも読んだのだろうか。

「って、わけだ。残念だったな。ニコ・ラース」

「あ、貴女はパァラ!?でもその喋り方は腕輪から聴こえてきたパラケルススと同じ・・・・・・そうか、ホムンクルスか・・・」

「おっ!フラメルから最大限の事を聞いてるみたいだなぁ。流石は俺の又弟子!って言いたい所だが、行いが残念だったな。悪いけど拘束させてもらう。文句はねぇな?」

「・・・ええ、無いわ。全部アタシの暴走だもの。けど、抵抗はさせてもらうから!!」

 ニコが指をパチンと弾くと、壁に張り付けられた人形が動き出し、ニコを守るようにルッタとパァラの前に立ち塞がる。

「傀儡か、良いねぇ。最低限の対策もあるってわけだ。けど、目の前にいるのは誰だと思ってる?」

 400年生きた錬金術師パァラ。

「『アイス』!!」

 魔法スキルレベル6から放たれる冷気は俺を含めて一瞬にして部屋を氷で覆わせた。

「ここで問題だが、熱膨張って知ってるか?」

「急な温度上昇によって、物体が膨張する現象」

「正解っ!じゃあ、その対象に空気も入っている事ぐらい知ってるよな?」

「ま、まさかこの冷え切った部屋で熱膨張を起こそうっていうの!?そ、そんな事したらこの建物どころか、町すら吹き飛ぶ!!」

「ああ、吹き飛ぶ。お前の大好きなマーサもな」

「へっ?俺も!?」

「ああ、お前も例外なく吹き飛ぶ」

「バリアがあるから大丈夫とか?」

「もう、バリアは切れてるぞ?」

 気づかなかった。氷から体を守れなかったのもそれが原因か。そういえば、使い切りと言っていた。それじゃあ、パァラは本当に俺を──────

「待って待って!それだけは嫌ぁぁ!!お願いマーサだけは殺さないで!!お願いだから!!」

 ニコは攻撃したくても、体が氷漬けにされているせいで動けない模様。傀儡も同様に動けないらしい。

「賢い選択をしろ。抵抗してマーサを殺すか、大人しくしてマーサを助けるか、どっちだ!!」

「降伏する!するからマーサだけは止めてぇ!!」

「良し!止めてやる!!ルッタ!!」

「任せてください!!」

 ルッタは身動きが取れないニコの方へ向かうと、虹色に染められた縄で拘束した。

「それは俺が開発した魔力の捻出を不可能にする縄だ。魔法で逃げられると思うなよ?」

 流石のニコも400歳の錬金術師を相手にするのは無理があったみたいだ。

「あっ!マー君のおちんちんまだおっきいです!」

「そういう情報は良いから!!」

 その後、ゆっくり氷を溶かしてもらう事により、解放された。
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