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二章 資金不足と過酷な戦争
41話 スキルにも買取保証があるの!?
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「ど、どういうことお兄ちゃん!?」
「い、いや俺にもさっぱり・・・ん?」
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『こちらのスキルには買取保証が付いております』
「そんなのまでついてるんかい!このスキルは!」
いや、これはおそらく俺が原因だ、リサイクルショップで働いていたが故に発生した不便。リサイクルショップに働いている時、とある商品にのみ最低限この値段で買い取れという指示があった。
その記憶が買取保証などという最悪なデバフを作り上げてしまったのだろう。
となると、この『透明』というスキルはかなりのレアスキルということなのだろうか?だとするなら、どんな額を払ってでもほしい。
一見不便なスキルに見えるが、このスキルはかなり役に立つ。不意打ち、侵入、逃亡など、戦闘を圧倒的に有利に進めることができる有能なスキルだ。
トムは使いこなせていないが、俺の『買取』で買い取り、俺が使うことになった場合はオンオフを切り替えることができるはずだ。
財布の中に入っているのは10万イン。田舎になら豪邸を作れる大金だ。さあ、スキル『透明』はどのくらいの価値なんだ?
『最低買取額:70000イン』
「「な、7万イン!?」」
全財産の7割の価値だって!?どんだけ希少価値なんだこのスキルは!
くそっ!俺は勿論ほしいし、買い取らなければトムはずっとひとりぼっちだ。けど、流石に7万インは高すぎる・・・!今後の旅を考えるとセーブしておきたいが、7万を下回るのは難しそうだ。スキルがそういう作りになってしまっている。
「お、お兄ちゃん。それじゃあ取引が終わったらお兄ちゃんからもらったお金を返すっていうのはどう?それならお兄ちゃんのお財布から7万インが戻ってくるよ」
「それができないんだよ。最初の頃、そうやってゴミスキルを手に入れようとしたんだけど、スキル『買取』は許してくれないんだ。ある意味裁判官と同じくらい公平なんだよこのスキルは!」
確実に7万インは消える。だが、ここで買わないという選択肢は無いだろ!それに、捨てるわけでは無い!非常に価値のある素晴らしいスキルを買うんだ。決して損失ではない。ではない・・・のだが。
財布を握る手が震えているのは一気に全財産の7割が吹き飛ぶことに対しての恐怖なのだろう。震える右手を左手で抑え、血涙を流しながらトムがいるであろう方向に微笑んだ。
「7万インでお母さんと幸せに暮らしなさい」
「お兄ちゃん、僕そっちじゃないよ、左だよ」
7万インを失った代わりに、スキル『透明』を入手。トムは2年ぶりに母親との再会を果たしたのであった。
「い、いや俺にもさっぱり・・・ん?」
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『こちらのスキルには買取保証が付いております』
「そんなのまでついてるんかい!このスキルは!」
いや、これはおそらく俺が原因だ、リサイクルショップで働いていたが故に発生した不便。リサイクルショップに働いている時、とある商品にのみ最低限この値段で買い取れという指示があった。
その記憶が買取保証などという最悪なデバフを作り上げてしまったのだろう。
となると、この『透明』というスキルはかなりのレアスキルということなのだろうか?だとするなら、どんな額を払ってでもほしい。
一見不便なスキルに見えるが、このスキルはかなり役に立つ。不意打ち、侵入、逃亡など、戦闘を圧倒的に有利に進めることができる有能なスキルだ。
トムは使いこなせていないが、俺の『買取』で買い取り、俺が使うことになった場合はオンオフを切り替えることができるはずだ。
財布の中に入っているのは10万イン。田舎になら豪邸を作れる大金だ。さあ、スキル『透明』はどのくらいの価値なんだ?
『最低買取額:70000イン』
「「な、7万イン!?」」
全財産の7割の価値だって!?どんだけ希少価値なんだこのスキルは!
くそっ!俺は勿論ほしいし、買い取らなければトムはずっとひとりぼっちだ。けど、流石に7万インは高すぎる・・・!今後の旅を考えるとセーブしておきたいが、7万を下回るのは難しそうだ。スキルがそういう作りになってしまっている。
「お、お兄ちゃん。それじゃあ取引が終わったらお兄ちゃんからもらったお金を返すっていうのはどう?それならお兄ちゃんのお財布から7万インが戻ってくるよ」
「それができないんだよ。最初の頃、そうやってゴミスキルを手に入れようとしたんだけど、スキル『買取』は許してくれないんだ。ある意味裁判官と同じくらい公平なんだよこのスキルは!」
確実に7万インは消える。だが、ここで買わないという選択肢は無いだろ!それに、捨てるわけでは無い!非常に価値のある素晴らしいスキルを買うんだ。決して損失ではない。ではない・・・のだが。
財布を握る手が震えているのは一気に全財産の7割が吹き飛ぶことに対しての恐怖なのだろう。震える右手を左手で抑え、血涙を流しながらトムがいるであろう方向に微笑んだ。
「7万インでお母さんと幸せに暮らしなさい」
「お兄ちゃん、僕そっちじゃないよ、左だよ」
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