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二章 資金不足と過酷な戦争

34話 とりあえず現状の問題を解決しよう

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「ていうかスキルって神様が人間に与える特別な力なんじゃないの?なんでスキルの当たりと外れの差が激しいの?」

「昔の方々は皆良いスキルを身につけていたらしいです。ですが今は────」

「今は・・・なに?」

「人が増えすぎた影響で神が人々にスキルを与えるのを面倒くさがって適当なスキルを与えるようになったとのことですわ」

「試練とかじゃないのかよ!適当なのかよ!!良い加減にしろよ神様!!」

 叫んでも聞こえるはずがないのに、怒りのあまり叫んでしまう。

「まあまあ、叫んだって仕方ありませんわ。それよりも夕食にしましょう。今日の当番は───私でしたわね」

「わぁい!!ニアのご飯美味しいから大好きです!!」

 3人の中で一番料理が上手いのはニアである。貴族出身という事もあって出来ないと思っていたが、まさかの逆。1度目から完成度の高い肉のスープを作ったかと思いきや、2回目の料理でまさかのスキル『料理』を獲得。それだけでなく、『採集』や『狩猟』等のサバイバルに必要なスキルを3人の中で一番早く習得してしまったのだ。

 幼い頃からどんなに頑張っても身に付かなかったスキル『剣術』の事を考える度落ち込む様子をよく見るようになってしまったが。

「さあ、食べてくださいまし。我が家特性のスープですわ」

 味覚だけを頼りに作ったというオリジナルスープはとてつもなく美味い。しかし、ニアの顔は死んでいる為見ないようにしている折角の美味しいスープがまずく感じてしまうからだ。

「今は森の中を歩いているので食料にはあまり困る事になりますが、森から出ると一気に取れる食材が減りますわね・・・」

「こうなったらお人好しテツローが断り切れずに買い取ったゴミスキルをあたかもいいスキルのように見せて買わせましょう」

 それは詐欺と変わらないのではないのだろうか?しかし、実際に今の商品であるあまり役に立たないスキルはさっさと売らなければいつまで経っても手元にお金はやってこない。

 そこで、1つの作戦を考えた。ここはどうにかして、マニアックな人間を探してその人のニーズにあったスキルを高く売る。その高く売ったという功績で『交渉』のスキルを獲得する。

 会得スキルは身に付く事で様々な恩恵が発生する。『料理』スキルの場合は調味料の適正量が目で見て分かる等だ。つまり、交渉力が無くともスキル『交渉』を身に付ければ有利に交渉を進められるようになるという事だ。

「とりあえず、近くの村に行こうか」

「どうせ野宿になるのに・・・」

「ならないように交渉頑張るから!」

 変なスキルしかないので、変な人を探すとしよう。
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