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一章 貴方のスキル買い取らせて下さい
2話 異世界とスキル
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「知ってはいたものの、魔法がない世界とは・・・些か不便ではないか?生活に困りそうだ。夜、暗い時はどうしている?火はどうやって灯している?」
この世界の魔法は元居た世界で言うところの科学のような立ち位置にいるらしい。無かったら困る。生活必需品のようだ。
「そういう専門の道具があるのでご心配なく。それよりも早く氷を溶かしてほしいんだけど・・・ちょっと手の感覚が無くなってきた・・・」
「ああ、すまぬすまぬ。ほれ」
氷が溶け、四肢が自由になる。溶けた水は王女の元へと戻っていく。
「さて、証明が終わった所で順を追って説明させてもらうぞ。まず、私の名前はイリス。この国コンパスの第一王女である」
「王女・・・国王は?」
「半年前の戦いで亡くなった。一国の王でありながら鎧を身に着けて最前線で戦う野蛮で王らしからぬ人物だったが、民想いの良い人だった。私もそんな王を目指したいと思う」
「そですか・・・で、俺が呼び出された理由はもしかしてその戦争が理由ですか?」
「話が早くて助かる。実は我らコンパス国は二百年もの間隣国と戦争を続けている。きっかけがどんなのだったか忘れてしまう程にな」
二百年・・・前の世界ですら百年が最大だったのにその倍とは驚いた。
「まあ、二百年と言っても緩い年があったり厳しい年があったりと緩急の激しい戦争となっている。そして、今年は過去五十年の中でも最も厳しく隣国からの攻撃が激しい年となってしまった。その結果として我々は国王と約五割の兵士を失ってしまっている」
「五割!?国滅亡の危機じゃないか!!」
「ああ、だから禁術に手を出した。異世界から戦士を召喚する召喚魔法にな。お前はその第一号に当たる存在だ」
「道理で俺しかいないわけだ・・・というか俺は戦士ではないんだけど?確かに高校生までは剣道やってたし、それなりには戦えるとは思うけど、戦力として役に立つかどうか・・・」
「心配するな。即戦力を求めているわけではない。それと、私が一番期待しているのはこの世界にやって来る時に神々から授かったスキルだ」
「スキル?神々?・・・なにか特別な力ですか?」
「そうかそうか。スキルすらお前の世界には無かったな。だとするならば説明しよう。スキルとは、この世界で生きる者全員に与えられる神からの贈り物、即ち力だ!!召喚術の本によると、召喚した人間は強力なスキルを持ち合わせているらしい!」
「なるほど?・・・全然そんな感覚がないんですけど」
「それを今から調べる。準備を始めよ!!」
イリス王女は声を挙げると、1人の初老の男性が入ってきた。
この世界の魔法は元居た世界で言うところの科学のような立ち位置にいるらしい。無かったら困る。生活必需品のようだ。
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「ああ、すまぬすまぬ。ほれ」
氷が溶け、四肢が自由になる。溶けた水は王女の元へと戻っていく。
「さて、証明が終わった所で順を追って説明させてもらうぞ。まず、私の名前はイリス。この国コンパスの第一王女である」
「王女・・・国王は?」
「半年前の戦いで亡くなった。一国の王でありながら鎧を身に着けて最前線で戦う野蛮で王らしからぬ人物だったが、民想いの良い人だった。私もそんな王を目指したいと思う」
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二百年・・・前の世界ですら百年が最大だったのにその倍とは驚いた。
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「五割!?国滅亡の危機じゃないか!!」
「ああ、だから禁術に手を出した。異世界から戦士を召喚する召喚魔法にな。お前はその第一号に当たる存在だ」
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