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婚約破棄から四週間、王命を聞いてから二週間、オークのような身体以外は順調で、新たな魔法もできました。
三週間魔力を使い果たすことの繰り返しは魔力量増加に気絶時間減少、魔力回復速度上昇という凄まじい結果になりました。

やってみて、やり続けてきてよかったわ。

魔法の試行をしている時に話し掛けてきた魔法士、魔導師の数人にこのことを伝えたら、目の前でいきなり魔法をぶっ放し続け魔力無しになって気絶したのには驚きました。
その夜にも魔力無しになって、以降続けているみたいで、若干効果が出たと良い笑顔で報告に来ました。
そして、若いほど上昇すると、しかも三十歳以上でも魔力量が若干増加しましたと興奮気味で言ってました。


今日も筋トレ素振りジョギングをし、魔法を試行改良をしていたある日、訪問者がいらっしゃっていますと言われ、洗浄の魔法を使い着替え、応接室の中へ入りました。

「お久しぶり、ですね、皆さま。その節は、巻き込んで、しまいまして、申し訳、ありません、でした。」

中にいたのはおかしくなっても共にいてくれた令嬢達でした。
そんな彼女らは私が頭を下げ謝罪をしたからか、わたわたと狼狽えています。

「い、いえ。私達の方こそ、何もできなくて申し訳ありませんでした。」

「「「「申し訳ありませんでした。」」」」

令嬢達が一斉に頭を下げました。

「頭を、上げて、ください。あなた達は、何も、謝るような、ことは、してません。むしろ、あなた達が、支えて、くれた、おかげで、一線を、越えなかった、のだから。」

そう、洗脳された私を最後の一線を越えなかったのは彼女達が止めてくれたからでした。
ある令嬢を傷つけようと、殺そうとする私を必死に止めてくれた。
やられた本人にしたら許されないことだと思いますけど、罵倒や水かけ、物を隠す、汚すだけに留まったのは彼女達のおかげなのです。

「ありがとう、ございます。」

頭を上げる彼女達は困惑した表情をしています。
話を変えましょう。

「どのような、用件で?今日は、学園、ですよね?どうしたの、かしら?」

「あ、はい。手紙を読みましてルイナス様にお願いがありまして来ました。学園は休学届けを出して休学中です。」

「休学?!どうして?!」

「ルイナス様へのお願いが関係しています。」

彼女達はすごく真剣な顔をしています。

こちらが緊張してしまいます。

「な、なにかしら?」

「ルイナス様の領地へ同行するのを許可してください!」

「「「「同行を許可してください!」」」」

「え?いやいやいやあなた達婚約者も卒業後の職も決まっているでしょう?輝かしい未来が待っているのにそれを捨てて、くることないでしょう?許可できません!」

早口で言切った私ははぁはぁと息切れを起こします。
彼女達強い眼差しで見てきます。

嬉しいけれど、もっときっぱりと断って帰らせればよかったと彼女達の話を聞いて私は後悔しました。
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