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町のパレード

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「分かった。あのね…あのおじちゃんは、秋羅って言う名前で母ちゃんと同い年なの。でも…秋羅おじちゃんは母ちゃんに意地悪ばっかりする人だったの。だから嫌いになったの。」

「誰も怒ったりしないの?」
「秋羅おじちゃんはすごく強くって誰も勝てなかったの。」

「…そっか…。」
希はシュン…とうなだれた。

「でも…あるときに、秋羅おじちゃんは母ちゃんに魔法をかけたの。『希が母ちゃんのお腹のなかに来るように!!』って。」

「そうなの?」
「そう…『母ちゃんと秋羅おじちゃんの子供が出来ますように!!』ってね…。」

「…え…。」
そこまで言うと…希は真っ青な顔になってしまった。

「オレ、母ちゃんと秋羅おじちゃんの子なの?」
この子、よく分かったな…。
「そうだよ~。」

「それなら…何でおじちゃんはオレに会いに来ないの?」

うっ…言いづらい所をついてくるな…。
「…それは…、おじちゃんは初めて魔法を使ったから…母ちゃんが魔法にかかったか分からなかったの…。」
「そっか…。」

希は、「だったら」と続けようとした。私は、静止させた。
「魔法にかかった事は、母ちゃんと希の秘密!!そうしないと…おじちゃんは…母ちゃんから希を取っちゃうかもしれないから!!」

私は、本音でそう伝えた。
希は、またシュンとうなだれた。

「良い?希。母ちゃんは大丈夫だから…もう…おじちゃんの話はしない…。」
私は、泣き声に聞こえないように…落ち着かせながら言った。

「分かった。母ちゃんは辛くない?」
希は、私の顔を覗き込んだ。
「当たり前!!母ちゃんは…希がいれば!!」

私は、希を抱き締めた。
希も小さな腕で私を抱き締めてくれた。

そのときは気がつかなかった…希が違う意味で抱き締めていたことを…。
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