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グルタス伯爵との戦い
0148話
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商人との商談をするつもりがなかったイオは、結局その商人からの要求を無視して再度ミニメテオを使って研究者の女に隕石を渡した。
そんな様子を、商人は悔しそうに眺めている。
露骨に表情を表しているのはその商人だけだったが、中には隕石の価値を知っている者もいるのが、どことなく納得出来ていない者もいた。
特にその中でも、この場所にやってきたばかりの護衛の兵士の中には、イオが魔法によって降らせた隕石がそこまでの価値をもつのか? と疑問に思いつつ、あるいはその隕石を自分でも入手出来たら……といったようなことを考えている者もいる。
とはいえ、結局のところ隕石を生み出すことが出来るのはあくまでもイオだけだ。
何をどうしたところで、それを見ている者たちに隕石を生み出すようなことは出来ない。
もし出来るとすれば、それこそイオと親しくなってミニメテオを使ってもらい、それを自分の物にすることだろう。
……中には、イオを脅して魔法を使わせ、それによって隕石を自分の物にしようと考えている者もいたが、もしそれを実行したら色々な意味で酷い目に遭っていただろう。
レックスが護衛についており、黎明の覇者の客人にして、ドレミナの領主であるダーロットですら多少は気を遣わなければならない相手なのだから。
そうして者たちの視線を感じつつも、イオはレックスと研究者の女と共に野営地の中にあるテントの一つに入る。
魔剣の取引をする光景は、出来れば他人に見られたくなかったのだ。
もちろん、魔剣を装備しているのを見られれば、イオが魔剣を持っているのは一目瞭然だろう。
しかし、それでもイオが装備しているのを魔剣だと知らなければ、普通の長剣と認識するはずだ。
「じゃあ、これが……もう一つの魔剣よ」
隕石を受け取った研究者の女がイオに渡したのは、前もって話に聞いていた通り長剣型の魔剣。
受け取った手に、短剣のときとは違うズシリとした重みが感じられる。
「これは……」
魔剣の重量に、イオは驚く。
こんな魔剣……というか、長剣を好きなように振り回せるとなるだけでも、結構な修行が必要になるだろう。
もし自分がこの魔剣を振るっても、それは魔剣を振るうのではなく、魔剣に振るわされてるといったような状況になるのは間違いなかった。
(この重量を考えると、持ち歩くだけでそれなりに体力が消耗しそうだな。体力にはそれなりに自信があるのが助かったと思える理由だけど)
元々田舎育ちというのもあるし、この世界に来てから数日は山の中でゴブリンと命懸けの鬼ごっこを続けたのだ。
もっとも、体力というのいは数日でそこまで鍛えられるものではない。
ゴブリンと命懸けの鬼ごっこをしたのは間違いないが、だからといってそれで体力はそこまで高まりはしていなかった。
だからこそ、魔剣を装備したまま動き回るのはかなり大変だろう。
「短剣は風の刃を放つ魔剣だったけど、こっちの長剣の魔剣は雷を放つ能力を持ってるわ。短剣の魔剣は大体五回くらいで壊れると言ったと思うけど、こっちの長剣の魔剣は……そうね。十回は安心して使えるわ。上手く使えば十五回くらいは使えると思うけど、二十回はどう考えても無理よ」
その説明を聞き、イオは鞘に入っている魔剣を抜く。
その刀身には短剣よりも複雑な模様が刻まれていた。
短剣よりも上物だと研究者の女が断言するだけあって、その精緻さはどこか芸術品を思わせる。
「これは、凄いですね」
「ふふっ、そう言って貰えると作った甲斐があるわ」
研究者の女にしても、自分が作った魔剣を見て感心するイオには好印象を抱いたのだろう。
もちろん、女が魔剣を売った相手の多くはこうして凄いと口にすることが多いのだが、中には本気でそう思っているのではなく、あくまでもお世辞でそのように言う者もいる。
そのような者たちと比べると、イオの言葉は本心からだと理解出来るだけに、研究者の女にとっても素直に嬉しい。
「ちなみにですけど、この長剣の魔剣も短剣の魔剣と同じように使えなくなったら壊れるとか、そういう風になってるんですか?」
「そうね。使えなくなったら壊れるわ。ただ、長剣だからこその機能もあるのよ」
「……何です?」
「刀身が砕けそうになった時、魔力を込めて最後の一撃、それも今までよりも一番強力な雷を放てるわ。勿論、そんな真似をすれば当然のように刀身は砕けるけどね」
「奥の手ですね」
まさに最後の一撃。
刀身を砕いてまで――すでに砕ける寸前なのだが――放つ一撃が、一体どのくらいの威力になるのかは、イオも想像出来ない。
短剣の魔剣もそうだが、この長剣の魔剣も回数制限がある以上は、気軽に試し打ちをする訳にはいかない。
「ありがとうございます。この魔剣、大事に使わせてもらいますね」
「大事にしてイオが怪我をしたら意味がないわよ。その辺は十分に理解してるわよね? だから、短剣も長剣もどっちもいざとなったら躊躇せずに使いなさい。もし魔剣が壊れたら……そうね。私に会いに来たらまた隕石と交換してあげるわ。そのときは、もっと強力な魔剣を用意するから」
「その……俺が渡した隕石を研究してですか?」
「そうよ。今回の隕石がどういう性質を持つのかは、私にもまだ分からないわ。けど、調査をすれば……」
その先は言わずとも、女が笑みを浮かべたのを見れば何となくイオにも何を言いたいのか理解出来た。
つまり、新たに隕石を渡そうとしても、その隕石がどういう性質を持っているのか分からないということだろう。
これは研究者の女にとって幸運でもあり、不幸でもあった。
魔剣の研究をしている女にとっては、今まで使ったことのない鉱石を発見出来る可能性もあるのだから。
ただし、どのような性質を持つ金属なのか分からない以上、その金属が魔剣として……あるいは他の何かに使えるかどうかというのも、実のところ分からない。
場合によっては全く使えないゴミが増えるだけという可能性もあった。
(そういう意味では、福袋みたいな感じか? もっとも、最近の福袋は透明で、中に何が入っているのかを普通に見ることが出来たりするらしいけど)
日本にいるとき、イオは福袋を買うようなことはなかった。
しかし、TVとかではそういう福袋もあるというのを見たこともあったし、数千万、あるいは億を超える値段の福袋というのをニュースで見た覚えもある。
自分の魔法で入手した隕石は、ある意味でそんな福袋と同じような物であると、そう思ったのだ。
「では、この魔剣はきちんと使わせて貰います」
「ええ、頑張ってちょうだい」
その言葉を最後に、イオはテントから出る。
するとそこには、レックスが立っていた。
「どうでした?」
それが具体的に何を言ってるのか容易に理解出来たイオは、手に持つ魔剣を見せる。
鞘に入ったままなので、刀身の紋様を見ることは出来ない。
それでも魔剣というだけあって、それを見たレックスにも何かを感じさせるには十分だった。
「これは……凄いですね」
「ああ。雷を放つ魔剣らしい。その回数も短剣よりも上だって話だ。……もっとも、短剣はともかく、この魔剣を持って移動するというのはちょっと動きにくいと思うけど」
「慣れればそのくらいはどうということはないですよ」
そう告げるレックスは、金属製の盾を持っている。
イオの護衛を任されている以上、何かあったときにイオを守るために盾は必須なのだろう。
それ以外でも、何かあったときに対処出来るように金属製の鎧をみにつけている。
総重量は結構なものになるはずで、それを装備して動き回っているだけで十分なトレーニングになるのは間違いないだろう。
イオはそんなレックスを見ながら、自分ももっとしっかりトレーニングをした方がいいのかもと思ってしまう。
魔法使いであるのは間違いないが、グルタス伯爵との戦争においてイオは魔法使いとして扱われてはいない。
いや、実際には魔法使いではあるものの、黎明の覇者の魔法使い部隊として行動することは認められていなかったというのが正しいだろう。
黎明の覇者の魔法使いは、イオが知ってるキダインも含めて全員が戦場を素早く移動しつつ魔法を使うというタイプだ。
それだけに、場合によっては移動しながら魔法を使うといった技術も必要になるし、中には敵の傭兵の攻撃を回避しながら、呪文を詠唱するといった技術も必要になる。
生憎と、それは今のイオにはない技術だ。
呪文の詠唱をするときはそちらに集中する必要がある。
(そのうち、馬……いや、モンスターに乗って呪文を詠唱して魔法を使うとか、そういうことが出来るようになればいいんだけどな)
弓騎兵という兵種がある。
この世界にもそのような兵種があるのかどうかは分からないが、イオが日本で世界史の勉強をしたときには何度か聞いた言葉だ。
人が走るよりも素早く移動出来る馬に乗り、敵の攻撃が届かない距離から弓を射る。
そんな敵と戦った場合、一方的なものになってもおかしくはない。
そういう意味では、イオがそういうのを目指すというのは間違っていない。
間違っていないのだが……そもそも馬やモンスターに乗れるようになるか。それらの世話を自分で出来るよういなるのかといった問題もあった。
分かりやすいところでは、ソフィアには虎型のモンスターが従っている。
戦いのときに使う馬車を牽くのは、馬ではなく虎型のモンスターなのだ。
そのようなモンスターを従えるには、相応の実力が必要なる。
テイマーと呼ばれる者たちがテイムして売るということもしているので、入手しようと思えばそれなりに入手は可能だ。
しかし、テイムされたとはいえ、モンスターはモンスターだ。
自分の主人となった相手が弱者だと判断すれば、牙を剥くことも珍しくはない。
中には相性の問題で主人が弱くても懐くモンスターもいるし、逆に自分より強いと理解しても決して懐かないモンスターもいる。
そういう意味では、ソフィアが従魔としている二匹の虎のモンスターは実力でも認めており、相性もよく、最適の関係なのは間違いなかった。
(俺も、いつかはモンスターを従魔に出来ればいいんだけど)
イオはその光景を想像し、笑みを浮かべるのだった。
そんな様子を、商人は悔しそうに眺めている。
露骨に表情を表しているのはその商人だけだったが、中には隕石の価値を知っている者もいるのが、どことなく納得出来ていない者もいた。
特にその中でも、この場所にやってきたばかりの護衛の兵士の中には、イオが魔法によって降らせた隕石がそこまでの価値をもつのか? と疑問に思いつつ、あるいはその隕石を自分でも入手出来たら……といったようなことを考えている者もいる。
とはいえ、結局のところ隕石を生み出すことが出来るのはあくまでもイオだけだ。
何をどうしたところで、それを見ている者たちに隕石を生み出すようなことは出来ない。
もし出来るとすれば、それこそイオと親しくなってミニメテオを使ってもらい、それを自分の物にすることだろう。
……中には、イオを脅して魔法を使わせ、それによって隕石を自分の物にしようと考えている者もいたが、もしそれを実行したら色々な意味で酷い目に遭っていただろう。
レックスが護衛についており、黎明の覇者の客人にして、ドレミナの領主であるダーロットですら多少は気を遣わなければならない相手なのだから。
そうして者たちの視線を感じつつも、イオはレックスと研究者の女と共に野営地の中にあるテントの一つに入る。
魔剣の取引をする光景は、出来れば他人に見られたくなかったのだ。
もちろん、魔剣を装備しているのを見られれば、イオが魔剣を持っているのは一目瞭然だろう。
しかし、それでもイオが装備しているのを魔剣だと知らなければ、普通の長剣と認識するはずだ。
「じゃあ、これが……もう一つの魔剣よ」
隕石を受け取った研究者の女がイオに渡したのは、前もって話に聞いていた通り長剣型の魔剣。
受け取った手に、短剣のときとは違うズシリとした重みが感じられる。
「これは……」
魔剣の重量に、イオは驚く。
こんな魔剣……というか、長剣を好きなように振り回せるとなるだけでも、結構な修行が必要になるだろう。
もし自分がこの魔剣を振るっても、それは魔剣を振るうのではなく、魔剣に振るわされてるといったような状況になるのは間違いなかった。
(この重量を考えると、持ち歩くだけでそれなりに体力が消耗しそうだな。体力にはそれなりに自信があるのが助かったと思える理由だけど)
元々田舎育ちというのもあるし、この世界に来てから数日は山の中でゴブリンと命懸けの鬼ごっこを続けたのだ。
もっとも、体力というのいは数日でそこまで鍛えられるものではない。
ゴブリンと命懸けの鬼ごっこをしたのは間違いないが、だからといってそれで体力はそこまで高まりはしていなかった。
だからこそ、魔剣を装備したまま動き回るのはかなり大変だろう。
「短剣は風の刃を放つ魔剣だったけど、こっちの長剣の魔剣は雷を放つ能力を持ってるわ。短剣の魔剣は大体五回くらいで壊れると言ったと思うけど、こっちの長剣の魔剣は……そうね。十回は安心して使えるわ。上手く使えば十五回くらいは使えると思うけど、二十回はどう考えても無理よ」
その説明を聞き、イオは鞘に入っている魔剣を抜く。
その刀身には短剣よりも複雑な模様が刻まれていた。
短剣よりも上物だと研究者の女が断言するだけあって、その精緻さはどこか芸術品を思わせる。
「これは、凄いですね」
「ふふっ、そう言って貰えると作った甲斐があるわ」
研究者の女にしても、自分が作った魔剣を見て感心するイオには好印象を抱いたのだろう。
もちろん、女が魔剣を売った相手の多くはこうして凄いと口にすることが多いのだが、中には本気でそう思っているのではなく、あくまでもお世辞でそのように言う者もいる。
そのような者たちと比べると、イオの言葉は本心からだと理解出来るだけに、研究者の女にとっても素直に嬉しい。
「ちなみにですけど、この長剣の魔剣も短剣の魔剣と同じように使えなくなったら壊れるとか、そういう風になってるんですか?」
「そうね。使えなくなったら壊れるわ。ただ、長剣だからこその機能もあるのよ」
「……何です?」
「刀身が砕けそうになった時、魔力を込めて最後の一撃、それも今までよりも一番強力な雷を放てるわ。勿論、そんな真似をすれば当然のように刀身は砕けるけどね」
「奥の手ですね」
まさに最後の一撃。
刀身を砕いてまで――すでに砕ける寸前なのだが――放つ一撃が、一体どのくらいの威力になるのかは、イオも想像出来ない。
短剣の魔剣もそうだが、この長剣の魔剣も回数制限がある以上は、気軽に試し打ちをする訳にはいかない。
「ありがとうございます。この魔剣、大事に使わせてもらいますね」
「大事にしてイオが怪我をしたら意味がないわよ。その辺は十分に理解してるわよね? だから、短剣も長剣もどっちもいざとなったら躊躇せずに使いなさい。もし魔剣が壊れたら……そうね。私に会いに来たらまた隕石と交換してあげるわ。そのときは、もっと強力な魔剣を用意するから」
「その……俺が渡した隕石を研究してですか?」
「そうよ。今回の隕石がどういう性質を持つのかは、私にもまだ分からないわ。けど、調査をすれば……」
その先は言わずとも、女が笑みを浮かべたのを見れば何となくイオにも何を言いたいのか理解出来た。
つまり、新たに隕石を渡そうとしても、その隕石がどういう性質を持っているのか分からないということだろう。
これは研究者の女にとって幸運でもあり、不幸でもあった。
魔剣の研究をしている女にとっては、今まで使ったことのない鉱石を発見出来る可能性もあるのだから。
ただし、どのような性質を持つ金属なのか分からない以上、その金属が魔剣として……あるいは他の何かに使えるかどうかというのも、実のところ分からない。
場合によっては全く使えないゴミが増えるだけという可能性もあった。
(そういう意味では、福袋みたいな感じか? もっとも、最近の福袋は透明で、中に何が入っているのかを普通に見ることが出来たりするらしいけど)
日本にいるとき、イオは福袋を買うようなことはなかった。
しかし、TVとかではそういう福袋もあるというのを見たこともあったし、数千万、あるいは億を超える値段の福袋というのをニュースで見た覚えもある。
自分の魔法で入手した隕石は、ある意味でそんな福袋と同じような物であると、そう思ったのだ。
「では、この魔剣はきちんと使わせて貰います」
「ええ、頑張ってちょうだい」
その言葉を最後に、イオはテントから出る。
するとそこには、レックスが立っていた。
「どうでした?」
それが具体的に何を言ってるのか容易に理解出来たイオは、手に持つ魔剣を見せる。
鞘に入ったままなので、刀身の紋様を見ることは出来ない。
それでも魔剣というだけあって、それを見たレックスにも何かを感じさせるには十分だった。
「これは……凄いですね」
「ああ。雷を放つ魔剣らしい。その回数も短剣よりも上だって話だ。……もっとも、短剣はともかく、この魔剣を持って移動するというのはちょっと動きにくいと思うけど」
「慣れればそのくらいはどうということはないですよ」
そう告げるレックスは、金属製の盾を持っている。
イオの護衛を任されている以上、何かあったときにイオを守るために盾は必須なのだろう。
それ以外でも、何かあったときに対処出来るように金属製の鎧をみにつけている。
総重量は結構なものになるはずで、それを装備して動き回っているだけで十分なトレーニングになるのは間違いないだろう。
イオはそんなレックスを見ながら、自分ももっとしっかりトレーニングをした方がいいのかもと思ってしまう。
魔法使いであるのは間違いないが、グルタス伯爵との戦争においてイオは魔法使いとして扱われてはいない。
いや、実際には魔法使いではあるものの、黎明の覇者の魔法使い部隊として行動することは認められていなかったというのが正しいだろう。
黎明の覇者の魔法使いは、イオが知ってるキダインも含めて全員が戦場を素早く移動しつつ魔法を使うというタイプだ。
それだけに、場合によっては移動しながら魔法を使うといった技術も必要になるし、中には敵の傭兵の攻撃を回避しながら、呪文を詠唱するといった技術も必要になる。
生憎と、それは今のイオにはない技術だ。
呪文の詠唱をするときはそちらに集中する必要がある。
(そのうち、馬……いや、モンスターに乗って呪文を詠唱して魔法を使うとか、そういうことが出来るようになればいいんだけどな)
弓騎兵という兵種がある。
この世界にもそのような兵種があるのかどうかは分からないが、イオが日本で世界史の勉強をしたときには何度か聞いた言葉だ。
人が走るよりも素早く移動出来る馬に乗り、敵の攻撃が届かない距離から弓を射る。
そんな敵と戦った場合、一方的なものになってもおかしくはない。
そういう意味では、イオがそういうのを目指すというのは間違っていない。
間違っていないのだが……そもそも馬やモンスターに乗れるようになるか。それらの世話を自分で出来るよういなるのかといった問題もあった。
分かりやすいところでは、ソフィアには虎型のモンスターが従っている。
戦いのときに使う馬車を牽くのは、馬ではなく虎型のモンスターなのだ。
そのようなモンスターを従えるには、相応の実力が必要なる。
テイマーと呼ばれる者たちがテイムして売るということもしているので、入手しようと思えばそれなりに入手は可能だ。
しかし、テイムされたとはいえ、モンスターはモンスターだ。
自分の主人となった相手が弱者だと判断すれば、牙を剥くことも珍しくはない。
中には相性の問題で主人が弱くても懐くモンスターもいるし、逆に自分より強いと理解しても決して懐かないモンスターもいる。
そういう意味では、ソフィアが従魔としている二匹の虎のモンスターは実力でも認めており、相性もよく、最適の関係なのは間違いなかった。
(俺も、いつかはモンスターを従魔に出来ればいいんだけど)
イオはその光景を想像し、笑みを浮かべるのだった。
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