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異世界へ
0076話
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イオはソフィアのいる場所に向かっていると、やがてギュンターと合流した。
イオにしてみれば、ギュンターは頼りになる相手だ。
今の戦場は先程イオが使った流星魔法によって、多くの者が呆然としている。
もちろん、何らかの行動に出ている者もいるので、全員が全く動いているといった訳ではない。
「イオ、流星魔法はいい判断だった」
合流して真っ先に、ギュンターはイオを褒める。
それはお世辞でも何でもなく、本気の言葉だ。
ギュンターの目から見てもあの場面で流星魔法を使うというのは、間違いなくいい判断だと思った。
「ありがとうございます。ゾブンさんたちに守って貰ったので、呪文を詠唱出来る時間もありました。とはいえ……この戦場にいる他の勢力がどうなったのかは、まだ分かりませんけど」
「だろうな。だが、暗黒のサソリが撤退しただけで楽になったのは間違いない。それは間違いなくイオの功績なのだから、誇っていいだろう」
暗黒のサソリの傭兵たちは、黎明の覇者の傭兵よりも明らかに練度が低い。
あのまま戦っていても、最終的には黎明の覇者が勝利したのは事実だ。
しかし、それでも表向き戦っていたのは暗黒のサソリで、他の勢力はその裏で動いているといった形になる。
そうして表向き戦っていた暗黒のサソリが撤退して表が存在しなくなってしまった以上、裏の存在も行動出来ないか……そこまではいかなくても行動しにくくなるのは間違いない。
「暗黒のサソリがいなくなった以上、もう他の勢力も好きに動くといった真似は出来なくなる。……これが普通なら、暗黒のサソリの代わりに表に出てくる勢力がいてもおかしくはないんだろうが」
「いない、でしょうね」
ギュンターの言葉を続けるようにゾブンが告げる。
アザラカもまた、その言葉には同意して頷く。
「ここで表に出れば、その勢力は再びイオに流星魔法を使われる可能性も否定は出来ない。……とはいえ、実際には……」
「使えませんね」
アザラカの言葉に、イオは何も持っていない自分の手を見せる。
ミニメテオには耐えた杖だったが、その杖はミニではない本物のメテオを使ったところ、その杖は砕けてしまっていた。
つまり、今のイオは流星魔法を使えるものの、その魔法を使うための杖はどこにもないといった存在となっているのだ。
もし今ここで新たな勢力が現れた場合、イオは流星魔法を使うことは出来ずに足手纏いのままといなる。
杖の予備はソフィアが持ってきてくれているので、その杖を手にすれば再び流星魔法を使うようなことが出来るだろう。
……問題なのは、その杖で流星魔法を使ったとき、再び壊れる可能性が高いということか。
(ゴブリンの素材とかそういうのを黎明の覇者に売って、その代金としてローザさんから貰った金で最高峰の杖を買う……とか、そんな風にした方がいいのかもしれないな。一応この騒動が終わったら黎明の覇者の魔法使いを紹介してくれるって話だったから、そっちから話を聞いたあとで考えてもいいのかもしれないけど)
杖について考えていたイオだったが、すぐに首を横に振る。
今この状況では、将来新たな杖を入手したといったようなことを考えるよりも、まず今の状況をどうにかする必要があるのだから。
「とにかく、ここにいても意味はない。団長と合流するぞ。ベヒモスの素材……骨を守らなきゃいけないってのが、ちょっと苦しいところだが」
もしベヒモスの骨を守るといったことがなければ、ここにいる必要はない。
イオと合流した時点でここから退避し、ドレミナに戻るなり、あるいはドレミナにいる残りの黎明の覇者の傭兵たちを呼んで合流し、この地から離れるといった真似をしてもいい。
だが、高ランクモンスターであるベヒモスの素材は、非常に高価な代物だ。
黎明の覇者としても、出来れば確保したい。
もちろん、イオとベヒモスの素材のどちらかを選ばなければならないとなれば、その時は当然ながらイオを選ぶだろう。
だが、出来れば双方を確保したいと思うのは、傭兵団を率いる者として当然の話だった。
そしてギュンターを始めとした他の傭兵たちも、当然のようにそんなソフィアの意思に従う。
ソフィアという存在に心酔しているから……というのもあるが、それと同時にソフィアと共に行動することが、自分たちにとっても利益になると判断しているからこその判断。
こうして、イオたちはソフィアたちと合流するために移動し……ギュンターが敵と遭遇しないでイオたちと合流出来たのと同じように、ソフィアたちとも特に何のトラブルもいままに合流するのだった。
「イオ、無事だったみたいね」
合流すると、イオの顔を見たソフィアが真っ先にそう言ってくる。
自分たちよりもイオが真っ先に心配されたことにゾブンを含めた何人かが思うところはあったようだが、仕方がないとも納得する。
流星魔法を使うイオだったが、扱い的に黎明の覇者の傭兵ではなく、あくまでも黎明の覇者の客人なのだ。
自分の部下である傭兵とは違い、客人だからこそ心配するのは当然のことだった。
……それを抜きにしても、イオに対して色々と思うところがあったのは事実だが。
もちろん、その色々というのはマイナスの意味での色々ではない。
「はい。ゾブンさんたちに助けて貰いました。それに、ギュンターさんも来てくれましたし」
「それでイオの身が守られたのなら、何よりだわ。それにしても……まさか、あの状況で流星魔法を使うといったようなことを言うとは思わなかったけど、杖は駄目だったみたいね」
イオが戦いに関しては素人だからこそ、あの場で実際に流星魔法を使うといったように判断出来たのだろう。
そのことを褒めながらも、イオの手に杖がないのを見て、残念そうに言う。
イオの流星魔法の威力に杖が耐えられないというのは、今までの経験から理解していた。
だがら、ある意味でそれは当然のことなのではないかと、そう思ったのだが……
「さっきの魔法には耐えられませんでしたが、その少し前に使った対個人用のミニメテオを使った時は杖も耐えられたんですよ」
「ミニメテオ……? そう言えば、メテオを使う前に、少し妙なときがあったけど、それかしら?」
「ソフィアさんが感じたのが、俺の使ったミニメテオの影響なのかどうかは、正直なところ分かりません。ただ、とにかくミニメテオでは杖は壊れなかったんですよ。単純にミニメテオは杖に与える負担が小さかっただけなのか、杖が以前使っていたよりも強力だからなのかは分かりませんけど」
イオのその言葉に、ソフィアは少し迷った様子を見せる。
実際に今の状況を思えば、どうやってそのような状況になったのか分からない。
そうである以上、今ここで自分が何を言っても意味はないと、そう理解しているのだ。
「そう。だとすれば、この戦いが終わったあとにイオの魔法については色々と検証する必要があるでしょうね。出来ればそのときは、魔法使いや杖を作っている職人が一緒にいればいいけど」
「え? でもそれは……いいんですか?」
ソフィアの口から出たのは、イオにとって間違いなくありがたいことだ。
イオは自分が流星魔法を使えるのは知ってるし、呪文の詠唱を変えて効果範囲を変えたり、規模を小規模に出来たりといった真似は出来る。
しかし、それはイオが半ば感覚的にやってることである以上、きちんとした専門知識のある者に助けて貰って調査する必要があるのも、また事実なのだ。
だが、当然ながらそのような真似をするには色々と手間がかかる。
雇う相手に報酬を支払ったり、実験をする場所を用意したり、それ以外にも細々とした手続きが必要になるだろう。
金だけなら、ゴブリンの軍勢の一件で黎明の覇者から支払いを少し待ってほしいと言われるくらいに稼いだイオだったが、金があればそれで全てが解決する訳ではない。
人脈の類も必要になるし、色々な場所に手回しをする必要も出て来る。
ソフィアはそれを全て自分たちでやってくれると、そう言ってるのだ。
これでイオが黎明の覇者に所属する傭兵なら、傭兵団に所属する傭兵の戦力をしっかりと把握する必要があるという意味で、傭兵団側が全面的にバックアップしてもおかしくはない。
しかし、イオの場合は違う。
黎明の覇者の世話になっているのは間違いないが、イオの身分は黎明の覇者に所属する傭兵ではなく、あくまでも客人だ。
そんな客人の自分のために、そのような真似をするのは迷惑になるのでは?
そう思っていいのか? といったように尋ねたのだが、そんなイオのことばを聞いたソフィアは、満面の笑みを浮かべて頷く。
「その辺は心配しなくてもいいわ。これは恩に着せようとしているだけなんだから」
「……それを直接俺に言うのはどうかと思うんですが」
「あら、裏でこそこそするよりも、正面から堂々とそんな風に言った方が分かりやすいでしょう?」
「それは、まぁ」
イオにとっても、裏でこそこそされるよりも、こうして目の前で堂々とお前に恩を売るためにこのような真似をしてるのだと、そう言われた方が納得しやすいし、好印象だ。
何の打算もなく、好意でそのような真似をしたと言われれば、嬉しいが疑わしいと思ってしまう。
「でしょう? ……まぁ、とにかくそれもこれも全てはこの状況をどうにかしてからの話よ。今はまずベヒモスの骨がある場所まで移動しましょう。周辺にいる勢力の中には、イオを奪うことが出来ない以上、せめてベヒモスの素材を少しでも奪おうと考える者がいてもおかしくはないわ」
既に骨だけになっているベヒモスだけに、その姿を見て実際にベヒモスであると認識するのは難しいだろう。
ましてや、イオの使った魔法によって下半身がなくなっている状態なのだ。
それだけに、よけいにベヒモスをベヒモスと認識するのは難しいはずだった。
イオには今の骨の状態を見てベヒモスだと認識するのは難しいだろう。
他の勢力にしても、今の骨を見てベヒモスだとは認識できないだろうが、それでもせめてここまできた報酬として何かを欲しているのなら、ベヒモスの素材を欲する勢力もいるだろうというのが、ソフィアの予想だった。
イオにしてみれば、ギュンターは頼りになる相手だ。
今の戦場は先程イオが使った流星魔法によって、多くの者が呆然としている。
もちろん、何らかの行動に出ている者もいるので、全員が全く動いているといった訳ではない。
「イオ、流星魔法はいい判断だった」
合流して真っ先に、ギュンターはイオを褒める。
それはお世辞でも何でもなく、本気の言葉だ。
ギュンターの目から見てもあの場面で流星魔法を使うというのは、間違いなくいい判断だと思った。
「ありがとうございます。ゾブンさんたちに守って貰ったので、呪文を詠唱出来る時間もありました。とはいえ……この戦場にいる他の勢力がどうなったのかは、まだ分かりませんけど」
「だろうな。だが、暗黒のサソリが撤退しただけで楽になったのは間違いない。それは間違いなくイオの功績なのだから、誇っていいだろう」
暗黒のサソリの傭兵たちは、黎明の覇者の傭兵よりも明らかに練度が低い。
あのまま戦っていても、最終的には黎明の覇者が勝利したのは事実だ。
しかし、それでも表向き戦っていたのは暗黒のサソリで、他の勢力はその裏で動いているといった形になる。
そうして表向き戦っていた暗黒のサソリが撤退して表が存在しなくなってしまった以上、裏の存在も行動出来ないか……そこまではいかなくても行動しにくくなるのは間違いない。
「暗黒のサソリがいなくなった以上、もう他の勢力も好きに動くといった真似は出来なくなる。……これが普通なら、暗黒のサソリの代わりに表に出てくる勢力がいてもおかしくはないんだろうが」
「いない、でしょうね」
ギュンターの言葉を続けるようにゾブンが告げる。
アザラカもまた、その言葉には同意して頷く。
「ここで表に出れば、その勢力は再びイオに流星魔法を使われる可能性も否定は出来ない。……とはいえ、実際には……」
「使えませんね」
アザラカの言葉に、イオは何も持っていない自分の手を見せる。
ミニメテオには耐えた杖だったが、その杖はミニではない本物のメテオを使ったところ、その杖は砕けてしまっていた。
つまり、今のイオは流星魔法を使えるものの、その魔法を使うための杖はどこにもないといった存在となっているのだ。
もし今ここで新たな勢力が現れた場合、イオは流星魔法を使うことは出来ずに足手纏いのままといなる。
杖の予備はソフィアが持ってきてくれているので、その杖を手にすれば再び流星魔法を使うようなことが出来るだろう。
……問題なのは、その杖で流星魔法を使ったとき、再び壊れる可能性が高いということか。
(ゴブリンの素材とかそういうのを黎明の覇者に売って、その代金としてローザさんから貰った金で最高峰の杖を買う……とか、そんな風にした方がいいのかもしれないな。一応この騒動が終わったら黎明の覇者の魔法使いを紹介してくれるって話だったから、そっちから話を聞いたあとで考えてもいいのかもしれないけど)
杖について考えていたイオだったが、すぐに首を横に振る。
今この状況では、将来新たな杖を入手したといったようなことを考えるよりも、まず今の状況をどうにかする必要があるのだから。
「とにかく、ここにいても意味はない。団長と合流するぞ。ベヒモスの素材……骨を守らなきゃいけないってのが、ちょっと苦しいところだが」
もしベヒモスの骨を守るといったことがなければ、ここにいる必要はない。
イオと合流した時点でここから退避し、ドレミナに戻るなり、あるいはドレミナにいる残りの黎明の覇者の傭兵たちを呼んで合流し、この地から離れるといった真似をしてもいい。
だが、高ランクモンスターであるベヒモスの素材は、非常に高価な代物だ。
黎明の覇者としても、出来れば確保したい。
もちろん、イオとベヒモスの素材のどちらかを選ばなければならないとなれば、その時は当然ながらイオを選ぶだろう。
だが、出来れば双方を確保したいと思うのは、傭兵団を率いる者として当然の話だった。
そしてギュンターを始めとした他の傭兵たちも、当然のようにそんなソフィアの意思に従う。
ソフィアという存在に心酔しているから……というのもあるが、それと同時にソフィアと共に行動することが、自分たちにとっても利益になると判断しているからこその判断。
こうして、イオたちはソフィアたちと合流するために移動し……ギュンターが敵と遭遇しないでイオたちと合流出来たのと同じように、ソフィアたちとも特に何のトラブルもいままに合流するのだった。
「イオ、無事だったみたいね」
合流すると、イオの顔を見たソフィアが真っ先にそう言ってくる。
自分たちよりもイオが真っ先に心配されたことにゾブンを含めた何人かが思うところはあったようだが、仕方がないとも納得する。
流星魔法を使うイオだったが、扱い的に黎明の覇者の傭兵ではなく、あくまでも黎明の覇者の客人なのだ。
自分の部下である傭兵とは違い、客人だからこそ心配するのは当然のことだった。
……それを抜きにしても、イオに対して色々と思うところがあったのは事実だが。
もちろん、その色々というのはマイナスの意味での色々ではない。
「はい。ゾブンさんたちに助けて貰いました。それに、ギュンターさんも来てくれましたし」
「それでイオの身が守られたのなら、何よりだわ。それにしても……まさか、あの状況で流星魔法を使うといったようなことを言うとは思わなかったけど、杖は駄目だったみたいね」
イオが戦いに関しては素人だからこそ、あの場で実際に流星魔法を使うといったように判断出来たのだろう。
そのことを褒めながらも、イオの手に杖がないのを見て、残念そうに言う。
イオの流星魔法の威力に杖が耐えられないというのは、今までの経験から理解していた。
だがら、ある意味でそれは当然のことなのではないかと、そう思ったのだが……
「さっきの魔法には耐えられませんでしたが、その少し前に使った対個人用のミニメテオを使った時は杖も耐えられたんですよ」
「ミニメテオ……? そう言えば、メテオを使う前に、少し妙なときがあったけど、それかしら?」
「ソフィアさんが感じたのが、俺の使ったミニメテオの影響なのかどうかは、正直なところ分かりません。ただ、とにかくミニメテオでは杖は壊れなかったんですよ。単純にミニメテオは杖に与える負担が小さかっただけなのか、杖が以前使っていたよりも強力だからなのかは分かりませんけど」
イオのその言葉に、ソフィアは少し迷った様子を見せる。
実際に今の状況を思えば、どうやってそのような状況になったのか分からない。
そうである以上、今ここで自分が何を言っても意味はないと、そう理解しているのだ。
「そう。だとすれば、この戦いが終わったあとにイオの魔法については色々と検証する必要があるでしょうね。出来ればそのときは、魔法使いや杖を作っている職人が一緒にいればいいけど」
「え? でもそれは……いいんですか?」
ソフィアの口から出たのは、イオにとって間違いなくありがたいことだ。
イオは自分が流星魔法を使えるのは知ってるし、呪文の詠唱を変えて効果範囲を変えたり、規模を小規模に出来たりといった真似は出来る。
しかし、それはイオが半ば感覚的にやってることである以上、きちんとした専門知識のある者に助けて貰って調査する必要があるのも、また事実なのだ。
だが、当然ながらそのような真似をするには色々と手間がかかる。
雇う相手に報酬を支払ったり、実験をする場所を用意したり、それ以外にも細々とした手続きが必要になるだろう。
金だけなら、ゴブリンの軍勢の一件で黎明の覇者から支払いを少し待ってほしいと言われるくらいに稼いだイオだったが、金があればそれで全てが解決する訳ではない。
人脈の類も必要になるし、色々な場所に手回しをする必要も出て来る。
ソフィアはそれを全て自分たちでやってくれると、そう言ってるのだ。
これでイオが黎明の覇者に所属する傭兵なら、傭兵団に所属する傭兵の戦力をしっかりと把握する必要があるという意味で、傭兵団側が全面的にバックアップしてもおかしくはない。
しかし、イオの場合は違う。
黎明の覇者の世話になっているのは間違いないが、イオの身分は黎明の覇者に所属する傭兵ではなく、あくまでも客人だ。
そんな客人の自分のために、そのような真似をするのは迷惑になるのでは?
そう思っていいのか? といったように尋ねたのだが、そんなイオのことばを聞いたソフィアは、満面の笑みを浮かべて頷く。
「その辺は心配しなくてもいいわ。これは恩に着せようとしているだけなんだから」
「……それを直接俺に言うのはどうかと思うんですが」
「あら、裏でこそこそするよりも、正面から堂々とそんな風に言った方が分かりやすいでしょう?」
「それは、まぁ」
イオにとっても、裏でこそこそされるよりも、こうして目の前で堂々とお前に恩を売るためにこのような真似をしてるのだと、そう言われた方が納得しやすいし、好印象だ。
何の打算もなく、好意でそのような真似をしたと言われれば、嬉しいが疑わしいと思ってしまう。
「でしょう? ……まぁ、とにかくそれもこれも全てはこの状況をどうにかしてからの話よ。今はまずベヒモスの骨がある場所まで移動しましょう。周辺にいる勢力の中には、イオを奪うことが出来ない以上、せめてベヒモスの素材を少しでも奪おうと考える者がいてもおかしくはないわ」
既に骨だけになっているベヒモスだけに、その姿を見て実際にベヒモスであると認識するのは難しいだろう。
ましてや、イオの使った魔法によって下半身がなくなっている状態なのだ。
それだけに、よけいにベヒモスをベヒモスと認識するのは難しいはずだった。
イオには今の骨の状態を見てベヒモスだと認識するのは難しいだろう。
他の勢力にしても、今の骨を見てベヒモスだとは認識できないだろうが、それでもせめてここまできた報酬として何かを欲しているのなら、ベヒモスの素材を欲する勢力もいるだろうというのが、ソフィアの予想だった。
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