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ガリンダミア帝国との決着
383話
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「ほう、それはまた……随分と厄介な敵がいるようですね」
未知の敵の攻撃を凌いだ……正確には一度しか攻撃せず、その後はいくら待っても全く攻撃される様子がなかったので、拠点に戻ってきたアランはイルゼンに自分の体験した事態について説明した。
いつものように軽い様子で呟いたイルゼンだったが、その表情には少しばかり真剣な色がある。
色々な心核使いを見てきたイルゼンの目から見ても、ゼオンというのは突出した能力を持っている。
そんなゼオンですら把握出来ない攻撃。
これは脅威以外のなにものでもない。
それこそ、アランとゼオンであったからこそ回避出来ただけで、もし偵察に向かったのが他の者であれば一体どうなっていたか。
考えるまでもなく、明らかだろう。
「で、どうします? どういう敵にかは分からないですけど、俺たちが狙われている可能性は、これではっきりしました。この件を片付けてから出撃しますか?」
「それは難しいでしょうね。ゼオンですら、敵がどこにいるのか分からなかったのでしょう? であれば、この件を片付くのがいつになるのか分かりません。僕たちは、あまり時間的な余裕はないのですよ。連合軍の件もありますし」
そう言われれば、アランも納得しない訳にはいかない。
ましてや、アランは連合軍を構成している軍隊がガリンダミア帝国の従属国の街を略奪している光景をその目で見ている。
もしアランたちがここで行動に戸惑うようなことになった場合、そのような光景が他で何度も同じようになる……といった可能性は否定出来ない。
アランとしては、自分たちの行動の結果であのような光景を作り出すといったような真似は、可能な限りしたくなかった。
(とはいえ、予定通り進軍したからといって略奪が起きない訳でもないだろうけど)
むしろ、連合軍が進軍することにより、連合運は新たな村や街、都市を目にし、そこで略奪をするといったような可能性は決して否定出来なかった。
いくらアランが略奪の類はして欲しくないと言ったり、あるいはイルゼンが連合軍を結成するとき、決して略奪をしないようにと言っていても……人の欲望を止めるのは、そう簡単なことではない。
実際、アランが略奪を止めた軍隊も、別に国から略奪をしろと命じられた訳ではないし、略奪の許可を貰った訳でもない。
あくまでも指揮官の欲望から、略奪を行ったのだ。
……もっとも、欲望に負けた司令官は自分の命でその代価を支払うことになったが。
「けど、そうなると……移動しているときに、何らかの攻撃を受ける可能性は否定出来ませんよ?」
「でしょうね。ですが、アラン君の話によれば、敵の攻撃は一度だけ。それ以後は全く攻撃をしてこなかったのでしょう?」
「そうですけど、今回は向こうの気紛れでそんな感じになった可能性も否定は出来ませんよ?」
未知の攻撃をしてきた相手が、どのような手段で行ったのか……また、どこから攻撃をしてきたのかというのは、アランにも分からない。
アランに向かって今日一度だけされた攻撃が、偶然そのような形になっただけといった可能性は、否定出来ないのだ。
もしアランの言葉を信じて明日出撃し、その結果次々と未知の攻撃を連射されるようなことになった場合、アランとしてはそれにどう対処すればいいのか分からない。
だからこそ、イルゼンの次の言葉に驚く。
「それは大丈夫でしょう」
そう、言い切ったのだ。
何故そのように言い切れるのか。
(もしかして、俺に攻撃をしてきた相手の正体を知っている……とか? それはそれで疑問だけど納得は出来てしまうんだよな)
アランはそんな風に思ってしまう。
色々と底知れないところのあるイルゼンだけに、実はゼオンを攻撃してきた未知の相手の正体を知っていると言っても、アランは驚かない。
いや、むしろ納得すらしてしまうだろう。
イルゼンには、そんな底知れなさがある。
とはいえ、それでもイルゼンの周囲から人が離れていかないのは、イルゼンが何だかんだと悪い人間ではないと、そう皆が理解しているからなのだろう。
あるいは、飄々としているイルゼンだけに、放っておけないと思っている者も多いのかもしれないが。
「とにかく、明日の出発は延期しません」
「……分かりました。イルゼンさんがそう言うのなら。ただ、本当に何がどうなってもしりませんよ? 俺が対処出来るのなら対処しますけど」
「ほう。では、やはりアラン君に対処して貰いましょうか」
「え?」
イルゼンが一体何を言ってるのか、アランには分からない。
だが、イルゼンはいつもの胡散臭い笑みを浮かべ、口を開く。
「僕の予想が正しければ、向こうが狙ってくるのはあくまでもアラン君……いえ、正確にはゼオンです」
「……それは……」
アランはイルゼンの言葉に驚くが、考えてみればそこまでおかしな話ではない。
そもそもの話、ガリンダミア帝国が求めているのは、あくまでもアランという心核使いなのだ。
であれば、未知の攻撃を放った相手がアランだけを狙うというイルゼンの言葉も、決して有り得ない訳でないと思ってしまう。
「もちろん、本当にアラン君だけを狙っているとは限らない以上、もしかしたらこちらにも攻撃をしてくる可能性はあります。そうである以上、一応こちらでも何かあったときに対処出来るようにはしますが……それでも、恐らく敵の狙いはアラン君で間違いないでしょう」
どのような確信があるのか、イルゼンはそう言い切る。
そんなイルゼンの様子にアランは何かを言おうとするものの、結局自分を狙ってくるのなら、まだその方が対処はしやすいだろうと、半ば自分に言い聞かせるように考えた。
「そうなると、俺は別行動をとった方がいいですか? 下手をしたら、攻撃を回避したときに味方をその行動に巻き込んでしまいかねないですし」
未知の敵の攻撃は、心核使いに特化している能力を持つアランがゼオンに乗って、いるアランであっても確実に回避出来るとは限らない。
それこそ、一度だけしかアランも攻撃を受けたことはないのだが、それを考えると回避出来たのが奇跡だと、そう言っても決して間違いではないだろう攻撃だった。
それだけに、もし明日以降進軍している中で突然攻撃されるようなことがあった場合、アランは半ば反射的に回避行動を取るだろう。
そうなると、当然ながら周囲にいる者たちのことを考えて行動するような余裕はない。
周囲にいる者たちのことを考えて行動するとなると、間違いなく敵の攻撃を回避出来ないだろう。
具体的にどのような攻撃をされているのかが分からない以上、攻撃が命中したときにどうなるかが全く分からないし、アランもそんな未知の攻撃に命中したりといったようなことには絶対になりたくない。
その一撃がゼオンには効果がないというのなら、まだ受けてもいいのだが。
しかし、未知の攻撃だけに一体どのような効果があるのか、分からない。
それこそ最悪の場合は、ゼオンに命中した瞬間にゼオンを破壊する……などといったようなことにならないとも限らないのだ。
そうである以上、アランとしては周囲に人がいても、最悪の場合はそれに構うような余裕がない。
周囲の者たちに被害が出ないようにするためには、やはりアランが単独行動をした方がいいのは間違いなかった。
「うーん、アラン君一人だと、さすがに心配ですね」
「けど、レオノーラを連れていく訳にもいかないでしょう? 黄金の薔薇を纏める仕事があるし」
アランとしては、レオノーラと一緒に行動出来れば非常に頼もしい。
それこそ、雲海や黄金の薔薇に所属している心核使いで、空を飛ぶ能力を持っているのはアランとレオノーラの二人だけだ。
それだけに、アランが行動する際にレオノーラが一緒にいると、非常に助かるのだ。
しかし、そのレオノーラも現在はとてもではないがアランが言うように黄金の薔薇という自分のクランを率いる必要があった
ただでさえ、今まで黄金の薔薇を離れてアランと行動を共にしていたのだ。
それを考えれば、また明日アランと一緒に行動したいとレオノーラが言っても、黄金の薔薇の面々が反対するだろう。
それはレオノーラと近しい関係にあるアランに対する嫉妬もあるし、それ以外にもアランが謎の攻撃を受けたというのを知れば、それにラオノーラを巻き込むなといったように考えてもおかしくはない。
ともあれ、アランは明日は別行動するというのを、イルゼンも納得するのだった。
翌日、アランは雲海、黄金の薔薇、レジスタンスとは離れて行動することになった。
とはいえ、それはあくまでも離れて行動するということであって、別行動をする訳ではない。
本隊がガリンダミア帝国軍の攻撃を受けたとき、それに対応する必要があるから。
アランは自分が本隊の側にいてもいいのか? と疑問に思うものの、それでも今の状況を思えばそれも仕方がないかと判断する。
未知の攻撃が脅威なのは事実なのだが、それを考えてもゼオンという存在は圧倒的なまでの信頼感を抱かせるには十分だ。
当然の話だが、雲海や黄金の薔薇の探索者たちはともかく、レジスタンスの中には未だにガリンダミア帝国に反抗することを恐れている者もいる。
他の者が聞けば、レジスタンスに入っておきながら一体何を? といったように思っても仕方がない。
しかし、レジスタンスに入っているとはいえ、中には半ば成り行きでといったような者もいるし、あくまでも格好だけレジスタンスに所属していただけなのに、いつの間にかここまで話が進んでいる……といったような者もいる。
そういう者たちにしてみれば、アランの乗るゼオンというのは圧倒的なまでの迫力で強い安心感を抱かせるには十分だった。
ゼオンを敵にしたガリンダミア帝国軍にしてみれば、災厄の象徴と言ってもいいだろう。
もっとも、ガリンダミア帝国軍はその災厄の象徴を手に入れるべく、頑張って行動しているのだから。
そのような訳で、ガリンダミア帝国軍と敵対する者にしてみればゼオンはレオノーラが変身する黄金のドラゴンと共に、希望の象徴でもあった。
未知の敵の攻撃を凌いだ……正確には一度しか攻撃せず、その後はいくら待っても全く攻撃される様子がなかったので、拠点に戻ってきたアランはイルゼンに自分の体験した事態について説明した。
いつものように軽い様子で呟いたイルゼンだったが、その表情には少しばかり真剣な色がある。
色々な心核使いを見てきたイルゼンの目から見ても、ゼオンというのは突出した能力を持っている。
そんなゼオンですら把握出来ない攻撃。
これは脅威以外のなにものでもない。
それこそ、アランとゼオンであったからこそ回避出来ただけで、もし偵察に向かったのが他の者であれば一体どうなっていたか。
考えるまでもなく、明らかだろう。
「で、どうします? どういう敵にかは分からないですけど、俺たちが狙われている可能性は、これではっきりしました。この件を片付けてから出撃しますか?」
「それは難しいでしょうね。ゼオンですら、敵がどこにいるのか分からなかったのでしょう? であれば、この件を片付くのがいつになるのか分かりません。僕たちは、あまり時間的な余裕はないのですよ。連合軍の件もありますし」
そう言われれば、アランも納得しない訳にはいかない。
ましてや、アランは連合軍を構成している軍隊がガリンダミア帝国の従属国の街を略奪している光景をその目で見ている。
もしアランたちがここで行動に戸惑うようなことになった場合、そのような光景が他で何度も同じようになる……といった可能性は否定出来ない。
アランとしては、自分たちの行動の結果であのような光景を作り出すといったような真似は、可能な限りしたくなかった。
(とはいえ、予定通り進軍したからといって略奪が起きない訳でもないだろうけど)
むしろ、連合軍が進軍することにより、連合運は新たな村や街、都市を目にし、そこで略奪をするといったような可能性は決して否定出来なかった。
いくらアランが略奪の類はして欲しくないと言ったり、あるいはイルゼンが連合軍を結成するとき、決して略奪をしないようにと言っていても……人の欲望を止めるのは、そう簡単なことではない。
実際、アランが略奪を止めた軍隊も、別に国から略奪をしろと命じられた訳ではないし、略奪の許可を貰った訳でもない。
あくまでも指揮官の欲望から、略奪を行ったのだ。
……もっとも、欲望に負けた司令官は自分の命でその代価を支払うことになったが。
「けど、そうなると……移動しているときに、何らかの攻撃を受ける可能性は否定出来ませんよ?」
「でしょうね。ですが、アラン君の話によれば、敵の攻撃は一度だけ。それ以後は全く攻撃をしてこなかったのでしょう?」
「そうですけど、今回は向こうの気紛れでそんな感じになった可能性も否定は出来ませんよ?」
未知の攻撃をしてきた相手が、どのような手段で行ったのか……また、どこから攻撃をしてきたのかというのは、アランにも分からない。
アランに向かって今日一度だけされた攻撃が、偶然そのような形になっただけといった可能性は、否定出来ないのだ。
もしアランの言葉を信じて明日出撃し、その結果次々と未知の攻撃を連射されるようなことになった場合、アランとしてはそれにどう対処すればいいのか分からない。
だからこそ、イルゼンの次の言葉に驚く。
「それは大丈夫でしょう」
そう、言い切ったのだ。
何故そのように言い切れるのか。
(もしかして、俺に攻撃をしてきた相手の正体を知っている……とか? それはそれで疑問だけど納得は出来てしまうんだよな)
アランはそんな風に思ってしまう。
色々と底知れないところのあるイルゼンだけに、実はゼオンを攻撃してきた未知の相手の正体を知っていると言っても、アランは驚かない。
いや、むしろ納得すらしてしまうだろう。
イルゼンには、そんな底知れなさがある。
とはいえ、それでもイルゼンの周囲から人が離れていかないのは、イルゼンが何だかんだと悪い人間ではないと、そう皆が理解しているからなのだろう。
あるいは、飄々としているイルゼンだけに、放っておけないと思っている者も多いのかもしれないが。
「とにかく、明日の出発は延期しません」
「……分かりました。イルゼンさんがそう言うのなら。ただ、本当に何がどうなってもしりませんよ? 俺が対処出来るのなら対処しますけど」
「ほう。では、やはりアラン君に対処して貰いましょうか」
「え?」
イルゼンが一体何を言ってるのか、アランには分からない。
だが、イルゼンはいつもの胡散臭い笑みを浮かべ、口を開く。
「僕の予想が正しければ、向こうが狙ってくるのはあくまでもアラン君……いえ、正確にはゼオンです」
「……それは……」
アランはイルゼンの言葉に驚くが、考えてみればそこまでおかしな話ではない。
そもそもの話、ガリンダミア帝国が求めているのは、あくまでもアランという心核使いなのだ。
であれば、未知の攻撃を放った相手がアランだけを狙うというイルゼンの言葉も、決して有り得ない訳でないと思ってしまう。
「もちろん、本当にアラン君だけを狙っているとは限らない以上、もしかしたらこちらにも攻撃をしてくる可能性はあります。そうである以上、一応こちらでも何かあったときに対処出来るようにはしますが……それでも、恐らく敵の狙いはアラン君で間違いないでしょう」
どのような確信があるのか、イルゼンはそう言い切る。
そんなイルゼンの様子にアランは何かを言おうとするものの、結局自分を狙ってくるのなら、まだその方が対処はしやすいだろうと、半ば自分に言い聞かせるように考えた。
「そうなると、俺は別行動をとった方がいいですか? 下手をしたら、攻撃を回避したときに味方をその行動に巻き込んでしまいかねないですし」
未知の敵の攻撃は、心核使いに特化している能力を持つアランがゼオンに乗って、いるアランであっても確実に回避出来るとは限らない。
それこそ、一度だけしかアランも攻撃を受けたことはないのだが、それを考えると回避出来たのが奇跡だと、そう言っても決して間違いではないだろう攻撃だった。
それだけに、もし明日以降進軍している中で突然攻撃されるようなことがあった場合、アランは半ば反射的に回避行動を取るだろう。
そうなると、当然ながら周囲にいる者たちのことを考えて行動するような余裕はない。
周囲にいる者たちのことを考えて行動するとなると、間違いなく敵の攻撃を回避出来ないだろう。
具体的にどのような攻撃をされているのかが分からない以上、攻撃が命中したときにどうなるかが全く分からないし、アランもそんな未知の攻撃に命中したりといったようなことには絶対になりたくない。
その一撃がゼオンには効果がないというのなら、まだ受けてもいいのだが。
しかし、未知の攻撃だけに一体どのような効果があるのか、分からない。
それこそ最悪の場合は、ゼオンに命中した瞬間にゼオンを破壊する……などといったようなことにならないとも限らないのだ。
そうである以上、アランとしては周囲に人がいても、最悪の場合はそれに構うような余裕がない。
周囲の者たちに被害が出ないようにするためには、やはりアランが単独行動をした方がいいのは間違いなかった。
「うーん、アラン君一人だと、さすがに心配ですね」
「けど、レオノーラを連れていく訳にもいかないでしょう? 黄金の薔薇を纏める仕事があるし」
アランとしては、レオノーラと一緒に行動出来れば非常に頼もしい。
それこそ、雲海や黄金の薔薇に所属している心核使いで、空を飛ぶ能力を持っているのはアランとレオノーラの二人だけだ。
それだけに、アランが行動する際にレオノーラが一緒にいると、非常に助かるのだ。
しかし、そのレオノーラも現在はとてもではないがアランが言うように黄金の薔薇という自分のクランを率いる必要があった
ただでさえ、今まで黄金の薔薇を離れてアランと行動を共にしていたのだ。
それを考えれば、また明日アランと一緒に行動したいとレオノーラが言っても、黄金の薔薇の面々が反対するだろう。
それはレオノーラと近しい関係にあるアランに対する嫉妬もあるし、それ以外にもアランが謎の攻撃を受けたというのを知れば、それにラオノーラを巻き込むなといったように考えてもおかしくはない。
ともあれ、アランは明日は別行動するというのを、イルゼンも納得するのだった。
翌日、アランは雲海、黄金の薔薇、レジスタンスとは離れて行動することになった。
とはいえ、それはあくまでも離れて行動するということであって、別行動をする訳ではない。
本隊がガリンダミア帝国軍の攻撃を受けたとき、それに対応する必要があるから。
アランは自分が本隊の側にいてもいいのか? と疑問に思うものの、それでも今の状況を思えばそれも仕方がないかと判断する。
未知の攻撃が脅威なのは事実なのだが、それを考えてもゼオンという存在は圧倒的なまでの信頼感を抱かせるには十分だ。
当然の話だが、雲海や黄金の薔薇の探索者たちはともかく、レジスタンスの中には未だにガリンダミア帝国に反抗することを恐れている者もいる。
他の者が聞けば、レジスタンスに入っておきながら一体何を? といったように思っても仕方がない。
しかし、レジスタンスに入っているとはいえ、中には半ば成り行きでといったような者もいるし、あくまでも格好だけレジスタンスに所属していただけなのに、いつの間にかここまで話が進んでいる……といったような者もいる。
そういう者たちにしてみれば、アランの乗るゼオンというのは圧倒的なまでの迫力で強い安心感を抱かせるには十分だった。
ゼオンを敵にしたガリンダミア帝国軍にしてみれば、災厄の象徴と言ってもいいだろう。
もっとも、ガリンダミア帝国軍はその災厄の象徴を手に入れるべく、頑張って行動しているのだから。
そのような訳で、ガリンダミア帝国軍と敵対する者にしてみればゼオンはレオノーラが変身する黄金のドラゴンと共に、希望の象徴でもあった。
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