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ブランディア編

32頁 レライア10

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「全員、ゴーレムの右側に寄って!そしたら、多分ゴーレムはあのおがくずに攻撃するから、そのスキに俺が核の文字を削ります!」


早口に即席のクリスタルゴーレム攻略法を伝える。

一か八かの勝負だけど、今はこれしかない!

不確実な作戦ではあるが、ゴレイン筆頭に3人とも頷いてくれた。

「ありがとうございます」



そして、

ゴレイン、イザベル、ベイル、あと俺。

全員がクリスタルゴーレムの右の、壊れたクリスタル側に移動した。


……頼むぞ、俺の左手…スライムでの剥ぎ取り練習の成果をここで発揮してくれ!


クリスタルゴーレムの左上のクリスタルが熱線を放つ。

今度こそ、熱線は狙いをたがわず人型おがくずの中心を貫いた。

元の位置に戻り、クールタイムに入るクリスタルを確認して、俺は真っ赤な核を目指して走り寄る。

「うおおぉおおおおおおおおぉ!!」































熱源反応、三。

侵入者ト判断。

攻撃開s負傷。負傷。負傷。ダメージ大。

侵入者ヲ逃シタ。

攻撃クリスタル、飛行クリスタル、魔法防御クリスタルガ破壊。

自己修復機能ヲ最大出力。追跡ヲ開始スル。






熱源ヲ発見。

熱源反応、四。

侵入者ト判断。

攻撃開始。

魔法防御クリスタル。完全回復。動作性能100%

攻撃。

攻撃クリスタルノ動作ニ遅レアリ。動作性能50%

修正。

攻撃。

攻撃クリスタルノ標準ニ誤差アリ。動作性能62%

修正。

攻撃。

攻撃クリスタルの威力ニ問題アリ。動作性能76%

修正。

修正。

修正。




熱源反応ガ増加。

合計、五。

……熱源反応多数消失。

残リ、一。

攻撃。

攻撃クリスタル。完全回復。動作性能100%

熱源反応増加。

合計、二。

被攻撃熱源、反応持続。再度攻g『死』。

異常発生。動作確ni『死』。

術者ノ『死』魔道人形ゴーレム『死』破壊命令ヲ『死』確認。

『死』動『死』作ヲ『死』『死』停止『死』。
『死』『死』核『死』ノ機『死』能『死』ヲ『死』停『死』止シマス『死』『死』『死』。
























『スキル 剥ぎ取りがLV10からLV49になりました』




『カイトはLV10からLV49になりました』






水晶魔道人形クリスタルゴーレムは、ほのかな光とともに静かに崩れ落ちた。


「や、」






「「「「やったー!!!!」」」」




「よくやった!カイト」

「ええ!すごかったわ!!」

「すごかった!すごかったよ!!」

「助かってよかったです!!」

ああ、本当に、日本人のモッタイナイ精神を持っててよかった!!








互いに生きている喜びを存分に噛み締めたあと、俺たちは自然とクリスタルゴーレムの周りに集まった。

ある意味大問題が発生していたからだ。



「ゴレイン、これ、全部ドロップアイテムなのよね?」


「……みたいだな」



そう。

クリスタルゴーレムのドロップアイテムは、


水晶魔道人形クリスタルゴーレムコア×1
水晶魔道人形クリスタルゴーレムの破片(大)×7
水晶魔道人形クリスタルゴーレムの破片(中)×2

である。


つまり、クリスタルゴーレムまるまる全部ドロップアイテム化した感じだ。


やっぱり、これはで考えてあり得ないことらしい。

モ◯ハンでも、一体のアプ◯ノスから取れる生肉は一つか二つ程度だった。

本来、あの巨体ならそれどころじゃない量が取れるだろうが、がゲーム界の常識である。

核の文字を削ったからまるまるドロップしたのか。それとも……もしかしたら、俺の剥ぎ取りスキルって、ゲームのバグに近いのかな…?



……地上に戻ったら誰かに聞いてみよう。






「まぁ、ラッキーだったってことでいいんじゃない?みんな無事だったんだしさ」

「…それもそうね」

ベイルの一言を皮切りに、イザベルがちゃっちゃと素材を腕輪に放り込み、出口を目指す。

隊列は崩さなかったが、やっぱりモンスターは出ず、何事もなく地上についた。




聞けば入り口からでも帰れたそうだが、入り口から出ると、時折アイテムが消えることがあるらしい。

これはブランディア七不思議の一つに数えられ、それがレライアに入るグループを無制限に出来ない理由でもあるという。


今はアイテムが消えるだけだが、そのうち人まで消えるかもしれないから、だそうだ。

この世界にも七不思議とかあるんだなぁ。


「それにしても、どうしてあんな高レベルのダンジョンガーディアンがいたのかしら?今までのガーディアンはだいたい高くてもLV50くらいだったのに」

「しかも、あの魔法防御はシャレにならんかったぞ。あの様子じゃ、超級どころか、神級魔法も防がれていたかもしれん」

「……ってことは…それだけの力がなくちゃダンジョンを守護出来ないくらい強いやつが、レライアにいるってこと?」

「まさか、今回このダンジョンに潜ってんのはオレ達のパーティだけのはずだぜ。受付の履歴にも、過去一ヶ月の間のレライア攻略者ナシ、次にレライアに来るのは2週間後だってあったからな」

「……一応、帰ったらドル爺に報告に行きましょう」

「そうだな」

なんだかナゾは残ったものの……まぁ、俺たちは無事に地上に帰還することが出来たのであった。


































































「目標は達した、帰るぞ。」

レライアの深奥。ダンジョンボスの部屋の奥にその部屋はあった。

洞窟の奥底。光などあるはずもないその空間は眩いほどの光で満たされている。

というのも、その部屋はダンジョンレライアにしかない水晶、レライアクリスタルの鉱床であるからだ。

冒険者の入場制限の根拠、ブランディア七不思議、手に入れたアイテムの消失など表向きの説明に過ぎない。

本来の理由は、希少鉱石レライアクリスタルの保護のためである。



武器を手に周囲を警戒する鈴音と樟葉を従えた男、蒼龍は、収納の腕輪にほんのひとかたまりのレライアクリスタルを入れると、まだまだ大量にあるクリスタルには目もくれず踵を返した。

「え?!もうおわりですかぁ?まだいっーぱいあるんですし、もっともってかえりましょうよー」

「この水晶を売れば、しばらくは活動資金に困らないと愚考致しますが……」

「必要ない。これを売ったことでダンジョンに忍び込んだことがばれるのも面倒だ。それに、ダンジョンボスのドロップアイテムもあるだろう。それでしばらくは持つ……『帰還の魔法』」

蒼龍を中心に半径2mほどの魔法陣が現れた。

鈴音と樟葉が魔法陣に入ると、3人の姿は跡形もなく消え去る。

そうして、ダンジョンレライアの中に侵入者の存在を示すものは何ひとつなくなったのだった。









ーステータスー 「カイト」 LV49

職業ジョブ 勇者
種族 人間

HP400   MP120
攻300+10    防200+???
器用さ100   

スキル
『神の加護ON』『剥ぎ取りLV49』『洗濯の魔法』『調理の魔法』『眠りと警戒の魔法』


ー装備ー
武器
•古木の手槍
•剥ぎ取りナイフ

防具
頭•なし
体•異世界の服
腕•なし
腰•異世界のズボン
足•異世界のシューズ
その他•なし 
アクセサリー•収納の腕輪•守護の脚護符プロテクト•アンクレット

ー収納の腕輪ー収納スペース小
 1地図×1
 2コンパス×1
 3水筒(水)×1
 4
 5油敷布×1
 6剥ぎ取りナイフ×3
 7
 8無色魔導粘体クリアスライムの粘液×53
 9壊れた核×22
10

守護の脚護符プロテクト•アンクレット
抵抗レジスト内容

•怪音波 •噛みつき •吸血 •毒粘液 •酸粘液








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